F1 シンガポールGP

”阿吽の呼吸”で無線トラブルも乗り越えた絆。フェルスタッペン次期エンジニアに期待される能力とは

フェルスタッペンと担当エンジニアのランビアーゼは、シンガポールGPの無線トラブルを阿吽の呼吸で切り抜けた。後任とされるトム・ハートは、その域にまで到達することができるか?

Ronald Vording

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公開日時: 2026/10/15 11:58

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Max Verstappen, Red Bull Racing

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写真:: Clive Rose / Formula 1 via Getty Images

 F1シンガポールGPでは、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとその担当レースエンジニアであるジャンピエロ・ランビアーゼによる阿吽の呼吸が光った。しかしそのランビアーゼは、マクラーレンに移籍することが決定済み。後任にはトム・ハートを擁立する計画が進められている。

 シンガポールGPの決勝レースでは、フェルスタッペンの無線に不具合が発生した。チーム側からフェルスタッペン宛への音声は正しく送られたものの、逆にフェルスタッペンが発信した音声は不明瞭であった……つまり、フェルスタッペンの言うことは、チームには伝わらなかった。

 細かな戦略に関するやりとりが必要不可欠な現代のF1にとって、無線が正しく伝わらないというのは致命傷になる可能性もあった。しかしそれを補ったのは、フェルスタッペンとランビアーゼが長年かけて培ってきた絆であった。

 フェルスタッペンが無線のスイッチを入れたのは、チーム側でも分かった。そのタイミングから、ランビアーゼは”フェルスタッペンが何を言いたいのか、何を訴えているのか”ということを推測し、それに対する的確な返事を続けた。

 阿吽の呼吸とは、まさにこのことであった。

 しかしそのランビアーゼのチーム離脱が決定済み。昨年のラスベガスGPの際にランビアーゼはフェルスタッペンに対し『一緒に表彰台に登るのは、これが最後かもしれない』と語っていたが、今回ランビアーゼは再び、フェルスタッペンと共に表彰台に上がった。

 このことは、フェルスタッペンにとっても驚きだったようだ。

「まさかこんなことになるとは思っていなかった。去年のラスベガスで彼(ランビアーゼ)が『これが僕らにとって最後の表彰台になるかもしれない』と言ったのをよく覚えている。僕はその時、『そんなバカなことを言うな! これからももっと勝つぞ』と答えたんだ」

「危うく、自分で不吉な予言をしてしまうところだったね」

 フェルスタッペンはそう言って笑った。

「彼を表彰台に送ってくれたのは、素晴らしいことだった。彼がチームを去ることはみんな知っているけど、一緒に優勝したことのないサーキットで表彰台を分かち合えたのは、とても特別だった。彼が表彰台に立つのを見ることができて、本当に嬉しかった」

 ランビアーゼはレッドブルを離れ、マクラーレンへと移籍する。その時期については、2チームの間で交渉が行なわれているところだが、早ければ2027年からということになるだろう。

 ランビアーゼの後任としてフェルスタッペンの担当エンジニアを務める最有力候補として名前が挙がっているのが、トム・ハートである。

 ハートも当初は、レッドブルを離れてウイリアムズに移籍し、アレクサンダー・アルボンのレースエンジニアを務める予定であった。しかしフェルスタッペンが、ランビアーゼの後任としてハートを希望。レッドブルはこれを受け、ハートの引き留めに手を尽くした。

 既にハートは、いくつかのグランプリでフェルスタッペンのレースエンジニアを担当。お互いの理解を深めている。

 この後のアメリカGP、サンパウロGP、ラスベガスGPでも、ハートがフェルスタッペンのレースエンジニアを務めると、レッドブルの広報担当者はmotorsport.comに対して明かしている。

 ただこの3戦にもランビアーゼは帯同。フェルスタッペンのレースエンジニアではなく、レーシング部門責任者としての職務を遂行する予定だ。

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