なぜノリスに履かせたのはソフトではなくハードだったのか? マクラーレンがイギリスGP後半のタイヤ戦略について説明「最も賢明な選択だった」
マクラーレンは、F1イギリスGP終盤でランド・ノリスにハードタイヤを履かせた理由について説明した。
F1イギリスGPで、殊勲の2位表彰台を獲得したランド・ノリス(マクラーレン)。レース終盤はハードタイヤを履いたことで順位を落としそうになる場面もあったが、このようなタイヤ戦略を採った理由をマクラーレンが説明した。
予選でフロントロウの2番グリッドを確保したノリスは、決勝レースの序盤数周でラップリーダーとなり、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に交わされた後も2番手を走行していた。そんな中、33周目にケビン・マグヌッセン(ハース)がストップしたことでバーチャルセーフティカー(VSC)となり、このタイミングで上位陣は続々とピットに向かった。
ミディアムタイヤを履いていたノリス陣営としては、ソフトタイヤかハードタイヤのどちらかに交換する必要があったが、マクラーレンはソフトを履いて不必要なリスクを負うよりもハードで走った方が安全だと判断し、ハードタイヤに交換した。しかし、その後VSCがセーフティカー(SC)へと変わったことが誤算であった。
SC出動により各車のギャップは縮まり、しかもSCランが続いたことで残り周回も少なくなっていった。ノリスにとっては、ソフトタイヤでフェルスタッペンに挑む方が理に適っている状況となったのだ。しかし、VSCからSCに変わるタイミングは、マクラーレンがタイヤをハードからソフトに切り替える判断をするには遅すぎるものであった。
マクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、全てはタイミングの問題であったと説明した。
「バーチャルセーフティカーの下では、ハードを履かせる方が良かった。ウォームアップという点は問題にならないだろうと思っていたからね」とステラは言う。
「ただ我々がピットに入るタイミングでバーチャルセーフティカーがセーフティカーに変わったが、我々は全員ハードタイヤに換える用意をしていた。ギリギリでソフトに換えるのはオペレーション上問題を起こしただろう」
つまるところ、ソフトタイヤを準備できる状態になる前にノリスがピットにたどり着いてしまったのが大きかったようだ。ステラはさらにこう続ける。
「クルーがハードタイヤでピットストップの待機をしている時にソフトタイヤを要求された場合、彼らは急いでガレージに行き、ブランケット(タイヤウォーマー)を外し、(ハード)タイヤを戻さないといけない。そうなると、ピット作業の遅れに繋がる可能性もある」
マクラーレンとしても、ハードタイヤを履いた場合はリスタート直後のウォームアップが難しくなってくることは理解していた。ただその一方で、シルバーストンはタイヤへかかる負荷が大きい高速サーキットのため、他のサーキットと比べればソフトとハードのウォームアップ速度に大きな差はないだろうと考えていた。そのため土壇場でのタイヤ変更をすることなく、ハードタイヤへの交換に踏み切ったのだ。
「今回は、ウォームアップという点でハードタイヤがソフトタイヤに対して大きな差があるというような状況ではないと考えた」とステラ。
「最初の4つのコーナーで耐え、9コーナーを抜ければそれなりに温度は上がってくる。だから決断はシンプルだった」
「大きな遅れに繋がりかねなかったので、タイヤを変更したくはなかった。(ピット作業が遅れた場合)再スタートに向けてポジションを落とす可能性があったことを考えれば、これが最も賢明な選択だった」
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