暗黒時代のマクラーレン、信頼関係など無い崩壊状態……ザク・ブラウン「チームワークもなにも無かった」
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは近年のチームの盛り返しを振り返ると、2016年末に自身が加入した際にはチーム内の信頼関係が崩れた厳しい状況だったと語った。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、2016年のチーム加入時には内部の信頼関係が崩れており非常に厳しい状況だったと振り返っている。
現在CEOを務めているブラウンは、2016年末にエグゼクティブディレクターとして加入。当時はホンダとタッグを組んでいたマクラーレンだが、状況としては低迷しており、控えめに言って“かなり”困難な時期だった。
コース上で競争力を欠いているだけではなく、ロン・デニスやマンスール・オジェといった上層部メンバーの争いもあり、ブラウンのマクラーレン加入は全く穏やかなものではなかったのだ。
着任当初のマクラーレンについて、ブラウンは次のように語っている。
「モラルという面で、組織内の信頼は完全に崩壊していた」
「仕事の進め方から何まで、無罪が証明されるまでは有罪扱いだったようなものだ。つまり、チームワークも何もなかった」
「取締役レベルで様々なことが起こっていたということもあり、これは一番上から始まっていたと思う。誰もが互いを買収しようとしていた。リーダーシップなどあるわけがない」
マンスール・オジェとロン・デニス
Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images
結局、マクラーレンでは内紛が進みオジェがデニスに辞任を迫ると、法廷闘争に発展。最終的にデニスは2017年1月限りでチームを離れ、株式も売却することになった。
ブラウンはレーシングチームに生じていたトラブルも、こうした経営層の争いによって引き起こされたと感じていると話した。
「誰かひとりのせいではないと思う」
「それ以上に、そういう状況があったのだ。取締役の仲が悪く、すぐに坂を転げ落ちてしまうというね。そして、チームも信頼や自信を大きく損ねていた」
「チームはこれまでに何度もレースで勝ち、タイトルも勝ち取ってきたことは分かっていた。そこには、全員が信じ、協力し、力を合わせることが大切だった。少し時間が掛かってしまったが、今の我々は非常に良いところにきている」
ブラウンは今ではF1部門とロードカー部門の組織が上手く機能しており、加入初期にあった経営層の諍いは過去のモノとなっていると強調した。
「クリーンなのは明らかだよ。レース部門とロードカー部門があり、レース部門はレースに関する決定を下し、ロードカー部門が自動車に関する決定を下すんだ」
「自動車部門のCEOであるミハエル・ライタスとは仲良くやっている。我々は互いの取締役会に参加しているんだ。レースと自動車、両部門のコラボレーションも素晴らしい」
「自動車部門のエグゼクティブ・チェアマンのポール・ウォルシが上にいるし、レース部門にもスポーツとモーターレースに精通した人材が揃っている」
「彼らはこのスポーツの動きの速さ、意思決定の速さやこのゲームの仕組みを理解している。CEOとして欲しいタイプの人たちなんだ」
「だから私も非常にサポートされていると感じられている。私が必要としていたものは取締役会からもサポート受けている。取り組み方は非常に優れているんだ」
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