新規則導入が1年遅れるも……マクラーレン、予定通り2021年からメルセデスPUへ変更
マクラーレンは、2021年にシャシーデザインが凍結されるにも関わらず、予定通り同年からメルセデス製パワーユニットに変更する予定のようだ。
Carlos Sainz Jr., McLaren MCL35
Glenn Dunbar / Motorsport Images
F1は当初、2021年シーズンから技術規則(テクニカルレギュレーション)が大幅に変更される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって2020年シーズンの開催・開発に大きな影響が出ているため、この導入は2022年に後ろ倒しされることとなった。
よって2021年シーズンは2020年仕様のシャシーとギヤボックスデザインが使用され、空力を除く主要コンポーネントの開発が凍結される。なお、予算制限を含む財政レギュレーションは予定通り2021年から導入される。
そんな中、マクラーレンは2021年の規則変更に合わせてパワーユニット(PU)をルノー製からメルセデス製にスイッチする予定であったことから、この計画に狂いが生じたのではないかと考えられていた。しかしながらチームは、予定通り2021年にPUをスイッチすると語った。
「我々は予定通り2021年にメルセデスのエンジンを使用し、現行のマシンにそれを搭載する」とマクラーレンは宣言した。
マクラーレンとメルセデスは1995年から2014年の長きにわたってパートナーシップを結んでおり、その間にミカ・ハッキネンやルイス・ハミルトンを擁してタイトルを獲得している。
その後マクラーレンは2015年から3年間ホンダ製PUを使用したが、思うような成果を上げられず、2018年からルノー製PUにスイッチ。ジョイント2年目となった2019年には躍進を果たし、コンストラクターズランキング4位となった。
なおマクラーレンが来年からメルセデス製PUに切り替えることにより、ルノー製PUはワークスチームのみに供給される形となる。
■新規則後ろ倒しにマクラーレンはどう対応する?
マクラーレンは新規則の下で作られるマシンにメルセデスPUを搭載する予定であったが、新規則導入が後ろ倒しされたことより、2021年は現行シャシーにメルセデスPUを組み込む必要がある。
2021年にはシャシーやギヤボックスの開発が凍結されることとなっているが、マクラーレンの場合は安全上の理由からこれらの変更が許可されるだろう。
PUとギヤボックスの組み合わせが変わると、サスペンション類のピックアップポイントも変わってくる。またボディワークにおいても、メルセデスPUに合わせた適切な量の冷却が必要であり、空力面においても変更しなければいけない点はいくつかあるだろう。
現在、ルノーPU勢とホンダPU勢は、ヘルメットの上の位置に存在するエアインテークに、冷却機器で使う空気を取り込むための機能も担わせている。つまり、エンジン吸気ダクトの上に、この冷却機器を置いているわけだ。結果としてエンジンカバーの上部は太くなってしまうが、通常はサイドポッドに内包する冷却機器を小型化することができ、この部分のボディワークをより絞り込むことが可能だ。
メルセデスとレーシングポイントはインテークの上に冷却類をマウントしないようにしている。ただし彼らと同じメルセデスPUを搭載するウイリアムズは、ルノー、ホンダ勢と同じ解決策を用いている。そういった点でマクラーレンは、それほど大きな変更を行なうことなくメルセデスPUのパッケージングを完了できるかもしれない。
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