F1 ハンガリーGP

ノリス2連続2位! 一方で僚友ピアストリはまたも表彰台逃す……マクラーレンは戦略に贔屓はなかったと説明

F1ハンガリーGPでマクラーレンのランド・ノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリをアンダーカットする形で表彰台獲得に繋げたが、チームはピット戦略に贔屓はなかったと語っている。

Lando Norris, McLaren MCL60

 ハンガロリンクで行なわれたF1第12戦ハンガリーGP決勝は、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝し、2位にはマクラーレンのランド・ノリスが入った。ノリスの2連続表彰台には、ピット戦略でチームメイトのオスカー・ピアストリを交わしたことが大きく関係している。しかしマクラーレン側は戦略面で贔屓は無かったと説明している。

 レース序盤、ピアストリはフェルスタッペンに次ぐ2番手を走行し、マクラーレンは最初のピットストップで3番手を走るノリスを先にピットへ呼び込むことを選択した。

 ピアストリはそこから1周遅れてピットインしタイヤを変えたものの、フレッシュなタイヤで走るノリスのアウトラップは速く、ピットアウトしたばかりピアストリを抜き去ることになった。つまり、アンダーカットを成功させたわけだ。

 通常、F1チームは2台のうち前を行くマシンを優先して戦略を組み立てるため、後ろを走っていたノリスを先にピットへ入れるという決定はやや異例とも言える。しかしマクラーレンのチーム代表であるアンドレア・ステラは、ノリスのアンダーカット成功に贔屓は無かったと説明している。

 ステラ代表曰く、ノリスが後方を走るルイス・ハミルトン(メルセデス)にアンダーカットされるリスクがあったため、チームとしてはノリスを先にピットインさせる必要があったという。

 マクラーレンまた、新しいタイヤでのノリスのペースが、ピアストリを抜くほど速いとは予想していなかったという。

「1回目のピットストップでのアンダーカットに関しては、よりリスクの高いマシンが(ライバルを)カバーして、もう1台もカバーするというのが自然な流れだ」とステラ代表は言う。

「ランドのアウトラップは非常に速かったため、オスカーはポジションを失った。正直なところ、このような状況に対する我々のアプローチは、チームのことを第一に考えることだ。チームとして考え、内部の状況に対処するのだ」

Oscar Piastri, McLaren MCL60

Oscar Piastri, McLaren MCL60

Photo by: Michael Potts / Motorsport Images

 ステラは外的要因による戦略ミスの例として、昨年のハンガリーGPでフェラーリが犯した失策を挙げた。

 同グランプリでのフェラーリのルクレールは、首位を行っていたフェルスタッペンに反応する形でピットイン。チームはハードタイヤを履かせた。しかしこのハードタイヤのパフォーマンスが優れず、ポジションを大きく落としてしまう。そのため、再びピットインしてソフトタイヤに交換……多くのマシンが2ストップでレースを走り切った中、ルクレールは3ストップを余儀なくされた。ハードタイヤを履く前は2番手を走っていたものの、結局表彰台すら逃し、6位でのフィニッシュとなった。

「チーム外のライバルと戦っている時は、チーム内の争いに影響されてチームに損害が加わることがないよう、細心の注意を払う必要があると思う」

「昨年のレースを見ると、“赤いマシン”に起きたことがそうだったのかもしれないと以前も言っていたと思う。あの代償は高くついただろう。だから、我々はそうならないようにしたいのだ」

 なおレース後半、ピアストリのペースは急激に低下し、最終的に5位でチェッカーを受けることとなった。

 これについてステラは、ピアストリのマシンのフロアがダメージを受け、リヤのダウンフォースを失っていたと説明している。

「オスカーがマシンにダメージを負ったことで、パフォーマンス面でタイムを失ってしまった」

「リヤのダウンフォースが問題になったため、タイヤのデグラデーション(性能劣化)も余計に進んだと思う。彼がランドに追いつくのに苦労した理由のひとつはそれだ」

 原因についてマクラーレン側は、ピアストリ縁石を乗り越えた際にフロアを傷つけたのではないかと考えている。

 

前の記事 角田裕毅、一時はトップ10に迫るも15位フィニッシュ。「ペースもあったが、いい結果とはならなかった」
次の記事 首の皮一枚繋がった? レッドブルF1代表、3位表彰台ペレスの“勇敢な”走りを称賛。今回のレースが「見捨てないで」のメッセージに

Sign up for free

  • Get quick access to your favorite articles

  • Manage alerts on breaking news and favorite drivers

  • Make your voice heard with article commenting.

エディション

日本 日本