マクラーレン、ファクトリーを256億円で売却、財務強化進む。20年間のリースバックも契約
マクラーレンは、英ウォーキングにあるF1および市販車のファクトリーを約256億円で売却し、20年間のリースバック契約を結んだことを発表した。
マクラーレンは、イギリス・ウォーキングにあるファクトリーの売却を目指して数ヵ月間交渉を行なってきたが、4月20日にアメリカのグローバル・ネット・リース(GNL)社にファクトリーを1億7000万ポンド(約256億円)で売却することを発表した。
この契約は今年の第2四半期中に完了する予定となっている。ただ、マクラーレンはGNLと20年間のリースバック契約を結んでおり、今後もファクトリーの使用を続けることになる。
GNLのCEOであるジェームス・ネルソンは次のように述べた。
「この世界的な施設がGNLのポートフォリオの一部になることを発表できることを嬉しく思う」
「マクラーレン・グループ本社の最先端の建物は、数々の賞を受賞しており、著名な建築家ノーマン・フォスターによって設計されたもので、GNLのポートフォリオを構成する基幹的な物件のひとつだ」
マクラーレンは昨年、コロナ禍の影響もあって資金繰りにおいて深刻な問題に直面。1200人もの人員削減を余儀なくされ、バーレーンの国立銀行から1億5000万ポンド(約200億円)もの融資を受けた。
そして今後に向けた財務強化の方法を模索する中で、固定資産に資金を費やすのではなく、自社の成長分野に投資をすることを選んだ。
ファクトリーを売却することで、時間をかけずに多額の売却資金を手にすることができる。固定資産を所有するコスト(税金など)やリスクがなくなり、GNLとリースバック契約を結ぶことでこれまで通りファクトリーを使用することもできるのだ。
マクラーレン・レーシングCEOであるザク・ブラウンは以前、次のように語っていた。
「なぜこれほどの資金を不動産につぎ込んでいるのか? 我々は不動産会社ではない。我々はレーシングチームであり、自動車会社である。今こそバランスシート(貸借対照表)を整理する時なのだ」
「だから、最終的には(ファクトリーを)誰かに売却することになるだろう。その後、長期間のリースをして、そのお金で事業を成長させるための投資をする。これは財務改革の典型的なやり方だ」
「我々には現在多くの借金があるが、方向性を定めてより良いバランスシートを作ろうとしている。そして適切な投資を行なって会社を成長させ、財務的にはるかに強力な会社にしようとしている」
各方面からの融資や、ファクトリーの売却で懸念事項だったキャッシュフローの問題を解決したマクラーレン。F1チームの成績も上昇傾向にあり、今後もF1のグリッドに残り続ける可能性が高まったとみていいだろう。
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