マクラーレンF1、画期的ディフューザーをライバルが採用しなかったのは「驚き」
マクラーレンは、画期的なディフューザーを今季用マシンMCL35Mに搭載してきた。この解決策を他チームが採用しなかったことについて、マクラーレンは驚いているが、ライバルがこれをコピーするのにそれほど時間はかからないと考えている。
写真:: Giorgio Piola
マクラーレンは、ダウンフォースを削減するためのレギュレーション対策として、独自の考え方で作り出されたディフューザーを、バーレーン合同テストの際にMCL35Mに搭載してきた。
レギュレーションにより、今季はディフューザー内のストレーキ/スプリッターの高さが50mm低められた。しかしマクラーレンは、この制限が適応されない車体中心部のフロア後端部を巧みに伸ばし、より高さの長いフィンを設けてきた。
マクラーレンのテクニカルディレクターであるジェームス・キーは、このデザインについて、レギュレーションの抜け穴を”悪用”したわけではなく、”単純な”コンセプトであると考えるモノを実装しただけだと語った。
「これは通常の設計アイデアだ。実際、我々がそのディフューザーを使った唯一のチームであることに少し驚いている」
そうキーは語った。
「これは、今年変更された部分のひとつに過ぎない。車体の中心線の両側に存在するY250内の部分で、連続した表面に関するレギュレーションがある。そこに存在する小さなボーテックス・ジェネレータ(渦発生装置)は、今ではほとんど全てのマシンに存在している。これらの小さなアルミやカーボンのパーツは、実際には事実上同じレギュレーションによって管理されている。だから基本的には単純なことだ」
「3D形状の断面になっているため、CADデータを見る必要がある。そのため、CADのデータがないと、それがボックス内に存在することや、連続した表面であることを証明するのが難しい。疑問に思うのも当然のことだ。しかし、それだけだ」
Diffuser regulations for 2020 vs 2021
他のチームは、マクラーレンが導入したこのディフューザーのメリットを間違いなく評価しているだろう。キーも、シーズンの早い段階で他のチームがコピーしてくる可能性があると考えている。
「どんなアイデアでも、まず最初はCFD(計算流体力学)で検証することになると思う。だから最近では、1週間以内に、別のチームのアイデアに飛びつくことができるようになった」
そうキーは説明する。
「1週間経ってもそのアイデアに興味がある場合は、それが我々のディフューザーであれ、メルセデスのフロアの処理であれ、その他のどんなモノであれ、すぐにそれを試すことができると思う」
「その後、それぞれのクルマでどう機能するのかを理解することになる。それが鍵となるだろう。原理を理解していても、それぞれのクルマで機能するように、状況に応じて適応させる必要がある。そのため、独自のジオメトリが作られることになる」
「その後でおそらく風洞実験を行なうことになるはずだ。これは1〜2週間後に行なわれる可能性があり、その後で製造に取り掛かるということになる。これらの手順は単純だ。本当にこれを踏襲しようとするなら、写真を撮ってからマシンに実装するまで、3〜5週間はかかると言えるだろう」
キーは、このデザインを最初に発見したという点で、マクラーレンの空力開発部門を称賛した。
「チームがユニークなアイデアを思いつくのは、いつでも素晴らしいことだと思う。我々の空力開発部門と、リヤの空力デザイングループが称賛されるべきだ。彼らは、新たなレギュレーションを活かすチャンスがあることに気づいたのだから」
「このディフューザーは、話題になっている、目に見えるモノのひとつだと思う。しかし最終的には、マシンのリヤエンドの、複雑な部分の中のほんの小さなところだ。数週間後に再びここ(バーレーン)に戻ってくる頃には、きっと忘れられてしまうだろうね」
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