新開催サーキットでの事前テスト禁止は「妥当な判断」マクラーレン代表ら歓迎
マクラーレンF1のチーム代表であるアンドレアス・ザイドルは、F1は今季新たに開催されることになったサーキットでの事前テストを禁止すると決めたことについて歓迎する意向を示した。
Jules Danilo, CIA Landlord Insurance Honda
Gold and Goose / Motorsport Images
現在のF1では、シーズン中に現役F1マシンを使ってのテストを実施することは、年間で100km×2日間のみ許されているフィルミングデーを除いて禁止されている。一方で2018年以前のマシンを使ってのテストは許されており、いくつかのチームは実際に、2018年仕様のマシンを使ってのテストを実施した。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開催スケジュールが大幅に変更されることになった2020年のF1。その結果、今後はポルティマオやイモラ、ムジェロ、ニュルブルクリンクなど、F1初開催や長らくF1を開催してこなかったサーキットでのレースも組み込まれることになった。また、トルコGPの復帰も噂されている。
これらの開催カレンダーが決定する前、フェラーリはムジェロで2018年型マシンを走らせ、アルファタウリはイモラでテストを行なった。
この数週間、チームは各サーキット側と独自に交渉し、グランプリ開催前にテストをする可能性について探ってきた。しかしコスト面やチーム間の公平性を期すため、FIAはこれらのサーキットでの事前テストを禁止することを決め、世界モータースポーツ評議会で承認された。
マクラーレンはシーズン開幕前に、これらのサーキットでのテストを、行ないたくても行なえなかったチームのひとつである。チームは、当時使っていたルノー製のパワーユニットを入手することができず、2018年のマシンであるMCL33を走らせることができなかったのだ。
「今回の結果にはとても満足している」
当該サーキットでの事前テストが禁止されたことについて、マクラーレンのアンドレアス・ザイドル代表はそう語った。
「我々もそういうテストを行なおうとしていたことは、秘密でも何でもない。新たなコースでのグランプリが開催される時、他のチームが事前にテストできるなら、それは戦う上で不利な立場に置かれることになってしまうと思う」
「我々はマシンを1台持ち込み、そこでテストを行なうことを検討した」
ザイドル代表は、過酷なスケジュールの真っ只中、そして新型コロナウイルスの影響で渡航が非常に難しくなっている情勢の中、スタッフたちにさらなる移動を強いることについても、考慮せざるを得ないと語った。
「新型コロナウイルスの時代、そして人々の安全を守るために不必要なトラブルを避けなければならないという時代においては、一般的にも、そして我々のスタッフのことを考えても、それは明らかに間違った兆候だったと思う」
「こういうテストを行なおうとすることは、完全に間違った兆候だったと思う。したがって、この結果には非常に満足している。そして結局、全てのチームがこの件(テスト禁止)に同意できたのは良かったと思う」
メルセデスは、シーズン再開前に2018年マシンを使ってシルバーストン・サーキットでテストを行なった。しかしチーム代表のトト・ウルフは、今回のテスト禁止が良いことであると語った。
「2018年仕様のマシンが、いくつかのコースで走ったはずだ」
ウルフ代表はそうmotorsport.comに対して語った。
「我々はポルティマオにも行こうとしていた。だがそれは正しい決断ではなかったと思う」
「我々は皆、分配金がかなり下がった状態で、コストを削減しようとしている。そういう点では、テストを行なわないことで誰も有利にならないのなら、それ(テストを禁止することは)は正しいことだ」
なおメルセデスは2017年にポルティマオでテストを行ない、ジョージ・ラッセッルとニコラス・ラティフィを走らせた。しかしその時に得られた情報は、すでに時代遅れになっていると主張する。
「ポルティマオには何度か行ったことがある。しかし当時2年落ちだったマシンから、パフォーマンスのための情報を引き出すことができないと思う」
走行可能な2018年用マシンを持たないハースのギュンター・シュタイナー代表も、コスト面の問題を強調した。
「特に、ほとんどのチームが置かれている財務状況を考えれば、それが正しいということだ」
そうシュタイナー代表は語った。
「現時点では、誇張する必要もないことだろう」
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