F1新時代、PUの使い方も変わる? メルセデス「クルマの変化に合わせてPUの調整が必要」
2022年に大きく空力レギュレーションが変更されるF1。メルセデスによれば、PUの面でも様々な挑戦が待っているという。
写真:: Mercedes AMG
F1は2022年に技術レギュレーションを大きく変更する。パワーユニット(PU)に関しては、バイオ成分の含有率が5%から10%まで引き上げられたE10燃料への対応が求められる。
一方で、マシンの空力特性が大きく変更されており、ドライバーたちも例年とは異なる方法でコーナーにアプローチすることになると思われる。そのため、PUサプライヤーは変化に合わせた最適な出力特性にすべく、PUを調整する必要があるようだ。
メルセデスF1のPU部門「HPP」(ハイパフォーマンス・パワートレインズ)のマネージングディレクターであるハイウェル・トーマスによると、HPPはブラックリーの拠点でシャシーを開発するチームと協力し多くの宿題をこなしてきたが、新車での初期テストを経て、さらなる変更を行なう準備が整ったという。
「2022年のマシンはとても、とても変わっている」
トーマスはチームが公開した動画でそう語った。
「エアロダイナミクスが変わっているのは分かっている。そしてここブラックリーでチームと一緒に行なったすべての作業から分かるのは、クルマがこれまでとわずかに異なる動きをするだろうということだ。そしてコーナーを通過する際の、ドライバーからのリクエストも、例年とは違ってくるはずだ」
「シミュレーションや計算をやり尽くして、エンジンを変更し、エンジンの使い方を変えて準備を整えている」
「そして、ドライバーがパワーをかけたときに、おそらく少し違った方法で、おそらく少し違ったタイミングで反応することができるようになるだろう」
「もちろん、そのシミュレーションが正しいかどうかを確認するためにも、最初のサーキットテストは絶対に成功させなければならない」
「もしそうならなければ、ドライバーの要求に応えられるように、必要に応じてPUを調整する用意がある」
トーマスは、ルール変更がメルセデスにとってパッケージングを再考し、シャシーデザイナーにとって最適な位置にPUを搭載する機会になったと付け加えた。
「毎年、最高のラップタイムを出すためにPUとシャシー内での配置を見直すんだ」
「2022年はシャシーが一新されるので、もう一度すべてを見直す機会があるということだ」
「ラップタイムに非常に敏感なエリアがある。そして、もっと感度の低いエリアもあるはずだ。PU側がやろうとしているのは、感度の高いエリアからできるだけ離れて、カーデザイナーにできるだけ柔軟性を与え、感度の低いエリアにPUをパッケージングすることだ」
「つまり、シャシー部門やすべてのエンジニアと手を携えて、PUが必要なところに正確にフィットするようにし、全体として最速のパッケージを作ることができるようにするのだ」
トーマスは、2025年まで続くPUの開発凍結が、また新たな挑戦となることを強調した。
「PUのスペックは凍結されている。それはどういうことかというと、2022年から2026年に予定されている新PU導入まで、エンジンの性能が凍結されるということだ」
「そしてシーズン中盤からは、電気系統の性能面も凍結される。つまり、どういうことかというと、信頼性向上のためのアップグレードしかできなくなるのだ」
「新しい燃料や新しいマシン、新しい空力、PUの搭載や性能の凍結など関係者全員、特にHPPのチームにとって大きな挑戦となる」
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