メルセデスF1、”バウンドしない”マシン走らせる喜びを噛みしめる。新型『W14』には「最適化できる確かなベースがある」
メルセデスは、2023年のプレシーズンテスト初日をバウンシング無しで終えたことから、2023年型マシンは昨年型とは全く違う次元にいると確信している。
新技術規定1年目のプレシーズンテストでメルセデスが激しいポーパシングやバウンシングに悩まされた2022年から1年が経過し、チームは”跳ねない”新型マシン『W14』でずっと快適なテストを送れているようだ。
バーレーンで行なわれている3日間のプレシーズンテスト。各チームがマシンの初期状態を把握することに注力し、走行プログラムや燃料搭載量などもそれぞれに異なるため、相対的なラップタイム比較はほとんど意味がない。
しかしメルセデスでチーム代表を務めるトト・ウルフは、初日の午前セッションを担当したジョージ・ラッセルのフィードバックからは今後に向けた期待ができると考えている。
「正しい方向でバランスが取れているようだ」とウルフは言う。
「バウンシングはゼロだった。ストレートエンドでの大きなバンプを除けば、良いニュースだよ」
「良いスタートが切れた。昨年は明らかに(想定と実際の)相関関係が重要だったから、今年は多くのデータを収集して様々なことを試しているところだ」
バウンシングが硬いサスペンションセッティングなどから発生する”機械的”な症状に対して、ポーパシングはダウンフォースの急激な増減によって引き起こされる”空力的”な症状。motorsport.comがポーパシングはなかったのかと尋ねると、ウルフは次のように答えた。
「いや、跳ねる症状は見られなかった」
「高速コーナーのターン12で少し動きはあったが、去年のようではないし、現段階でパフォーマンスを犠牲にするモノではない」
George Russell, Mercedes F1 W14
Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images
メルセデスがW14を当初から快適な形で走らせることができていることで、ウルフは先代マシン『W13』に発生したポーパシングやバウンシングがいかに困難であったかをすぐに実感したと認めている。
「マシンが跳ね回っていたから、問題があることは分かっていたんだ」と彼は説明する。
「そして、正しくドライブさせることができなかった。だから、今年とは全く違うね」
「まだ実施してはいないが、今はマシンを最適化するための確かなベースができていると思う。昨年のバウンドのようなパフォーマンスの妨げになる部分がないかを見極めるだけだ。あとはプログラムをこなしていくだけだ」
昨年に比べて、メルセデスだけでなくどのチームもマシンのバウンドという問題は少なくなっていた。
ウルフが指摘する通り、舞台となるバーレーン・インターナショナル・サーキットのホームストレート終わりには大きなバンプが存在し、そこを通過したマシンには多少の動きがあった。しかし、このバンプの問題は昨年問題となったポーパシングやバウンシングとは全く異なるモノだった。
フェラーリのチーム代表であるフレデリック・バスールは、次のように語る。
「1年前、カンガルーのようにマシンが跳ねることは全くない」
「初日はターン1の手前やターン12など、以前より少しバンピーになっている部分がある。でもそれは別の問題だ」
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