サマーブレイク前の輝きはどこに……? メルセデスF1「マシンがギリギリの状態」新フロア投入の弊害か
メルセデスはサマーブレイク前のような好調ぶりを失った原因を突き止めようとしている。
George Russell, Mercedes F1 W15
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
メルセデスのトト・ウルフ代表は、サマーブレイク以降の成績について、マシンがより「ギリギリ」の状態にあることが影響していると語った。
メルセデスはオーストリアGPでジョージ・ラッセルが、イギリスGPとベルギーGPでルイス・ハミルトンが優勝と、4戦3勝をマークしてサマーブレイクの強制操業停止期間を迎えた。
しかしオランダGPで後半戦がスタートして以降、メルセデスは上位争いで苦しい戦いを強いられており、レースでのベストリザルトは直近のイタリアGPでハミルトンが掴んだ5位だ。
チームはここ数戦で状況が芳しくない理由を完全には把握できていないものの、今季マシンW15の特性が変化したように見えるということは認識している。
「1周のタイムを引き出せるようになったのは、基本的には良いニュースだと思う」とウルフ代表は説明した。
「しかし、レースでタイヤをベストな状態に保つには、バランスが良くない」
「それがザントフールト以来のトピックだ。マシンはギリギリの状態で、正しいバランスを見つけるのが難しくなっている」
Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15
Photo by: Steve Etherington / Motorsport Images
問題の原因として考えられるのは、ベルギーGPで投入されたものの、その週末には疑念が生じて使用が中止された新フロア関連だ。
チームはオランダGPとイタリアGPでもこの新フロアの分析を続け、期待通りのダウンフォースが得られていると確信していた。
しかし、この新フロアがW15の理想的なマシンバランスを崩し、ラッセルとハミルトンがマシンの感触に違和感を感じている……その可能性はあるが確証はないという状況だ。
メルセデスのトラックサイドエンジニアリング主任を務めるアンドリュー・ショブリンは、レース後に行なわれるチームの定例デブリーフィング動画で、依然として新フロアには疑問符がついた状態だと明かした。
「この3レースで、我々はパッケージの様々な比較を行ない、主にフロアを比較した」とショブリンは言う。
「我々が答えを出す必要がある難問は、このパッケージがハンドリング特性上、我々が予想していない微妙なことを引き起こしているのではないか? ということだ」
ただコーナリング中のマシンバランスは一定ではないため、答えを見つけるのは一筋縄ではいかないとショブリンは語った。
「マシンのパフォーマンスはサーキットによって異なるから、評価は非常に難しい」とショブリンは言う。
「あるサーキットでは非常に上手くいっているが、別のサーキットでは空力スペックに関係なくマシンバランスに苦労している」
「それはサーキットごとの基本的なばらつきなのかもしれないが、これから数日間はそれを調査していくことになる。それに加えて、我々がシステムに組み込もうとしている他のアップデートもある」
「考えなくてはならないことが沢山あるが、今は多くのデータがある。これから数日間、そこから得られることを学んでいくことができる」
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