メルセデスの弱点はエンジンの信頼性? ハミルトンのPU”一部交換”を決断した理由
メルセデスは、F1トルコGPでルイス・ハミルトン車のPU一式を交換しなかった理由について、パフォーマンスや信頼性の面で追加のメリットがないからだという。
Mercedes W12 detail
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メルセデスは、タイトル争いが激しくなっているシーズン終盤に信頼性トラブルが発生するリスクを懸念し、トルコGPでルイス・ハミルトンのマシンに新しいICE(エンジン)を投入することを決めた。
ライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は前戦ロシアGPでパワーユニット(PU)一式を交換し、ペナルティを受けて最後尾からスタートしたが、ハミルトンはPUコンポーネントをひとつだけ交換するという選択をしたことで、ペナルティは10グリッド降格で済む。
PUの完全な交換を行なわなかった理由について、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、ペナルティに値するだけのメリットを得られないと考えたからだと明かした。
「我々は年末までのすべてのレースをシミュレートしている」
ショブリンはそう『Sky Sports F1』に語った。
「信頼性に問題が起きるリスクとのバランスもある。レース中に故障が起き、その上でペナルティを受けなければならないのは、言うまでもなく絶対に避けたいことだ」
「また、PUは寿命が来ると少しずつ馬力が落ちていくので、パフォーマンスの問題もある」
「信頼性やパフォーマンスに最も影響するエレメントはICEそのものだから、最後尾からスタートするよりも(ICEだけを交換して)10グリッドのペナルティを受けた方が良いんだ」
メルセデスは、イタリアGPとロシアGPでバルテリ・ボッタスのPUエレメントを交換し、2戦連続でペナルティを受けた。ロシアGPで後方から追い上げなければならなかったフェルスタッペンに対する”壁”として、ボッタスのグリッド降格を利用できるという側面はあったものの、メルセデスがPUの信頼性に懸念を持っていたことは確かだろう。
そして、ハミルトンがICEだけを交換したことを考慮すると、メルセデスは”ICE以外”の信頼性は十分確保されていると考えているようだ。
ハミルトンが予選で上位につけられなかった場合など、メルセデスがPUコンポーネントを追加で投入することも考えられるが、ショブリンはその可能性は低いと話した。
「その可能性はあまりないだろう。レース週末中にそうしたエレメントを変えようとすると、かなり煩わしい作業が必要になる。我々はこれまでに下した決断に満足しているし、今後もその方針でいくだろう」
ボッタスはロシアGP終盤の雨で大きくポジションアップするまで、他のマシンを抜きあぐね、なかなか順位を上げられていなかった。ただショブリンは、今回のハミルトンにはより良いチャンスがあると予想している。
ハミルトンはGP2を戦っていた2006年、トルコで行なわれたレースでスピンを喫し、19番手に落ちながらも見事にリカバリーし、2位でフィニッシュした経験を持っている。ショブリンもこれを踏まえつつ、ハミルトンが他車をオーバーテイクすることができると考えている。
「どのコースが追い抜きに適しているか、自分の頭の中にはあるが、実際どれほどオーバーテイクしやすいかを判断するのはとてもむずかしいんだ」
「ソチはストレートがとても長いが、我々はアンダーステアに悩まされていて、それが厄介だった。でもこのサーキットは、ルイスがGP2で見せたように、多くのチャンスがあるはずだ。エキサイティングな日曜日になると思う」
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