一番速い者が勝つ、それがF1……メルセデス代表がリバースグリッド反対の理由を明かす
メルセデスのトト・ウルフ代表は、チームがリバースグリッド導入案を拒否した理由について説明。F1はレースをエキサイティングにするために“仕掛け”をする必要はないと主張した。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
再開するF1の2020年シーズンに向けて、各チーム代表はレースをより刺激的にする方法について話し合った。特に今季の変則的なスケジュールではレッドブルリンクとシルバーストンでそれぞれ2レースを開催する予定となっており、マンネリ化が懸念される2レース目をどのような形で開催するかに焦点があてられた。
その中でランキングを逆順にしたリバースグリッドで予選レースを行ない、その結果を元に決勝のグリッドを決めるという案が出た。多くのチームはこれに賛成したが、メルセデスは反対。承認に必要な全会一致の賛成が得られなかったため、リバースグリッドでのレースは導入が見送られることとなった。
メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、リバースグリッドに反対した理由が3つあると明らかにした。
「以前に議論されて拒否された古いアイデアを掘り下げるのは、F1ではよくあるパターンだ」とウルフは言う。
「誰かがそれ(リバースグリッド)は素晴らしいと思い、議題に戻してきた。我々がなぜ反対したのかに注目して欲しい。そこには3つの理由がある」
「まず第1に、F1は実力主義だと思っている。最高のマシンに乗った最高の人間が勝つ。よりエキサイティングなレースにするために仕掛けをする必要はないんだ」
「次は第2の理由について説明する。ツーリングカーレースなどでは第1レースの結果を元に次のレースのグリッドを決めていて、それがうまく機能していることは分かっている」
「ただ、シュピールベルク(レッドブルリンク)の1戦目でうまくいかずリタイアしたドライバーを想像してほしい。そのドライバーは(2戦目の)予選レースをポールポジションからスタートすることになる」
「そのドライバーが中団チームのドライバーだった場合、彼は(予選レースで勝って)日曜のレースもポールからスタートし、できる限り後続を押さえ込んでそのまま優勝してしまうだろう」
「したがって、後方から追い上げる速いマシンにはリタイアのリスクも高まるし、チャンピオンシップに影響が出てしまうだろう」
「そして(3つ目の理由は)純粋なパフォーマンスの観点から言えば、最速のチームがどこであれ、彼らより前のグリッドでスタートする2番目、3番目に速いチームに対して不利になる可能性があるんだ」
「知っての通り(3強チーム間の)差は小さいことが多い。したがって特定のチームにアドバンテージを与えるというのは少しいかがなものかと思う」
メルセデスがリバースグリッドに反対する一方で、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はこの案を熱烈に支持していた。彼はF1がこの機会に実験的なフォーマットを導入しなければ残念なことだと述べたが、ウルフはファンもリバースグリッドを望んでいないはずだと語った。
「我々はこういった実験的なことをする時ではないと言ったが、興味深いことにF1ファンの支持も受けられなかったようだ」とウルフは言う。
「調査によれば、15%の人しかリバースグリッドに関心を示していなかったそうだ」
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