メルセデス、アップデートで「”酷い”から“良くない”」に改善？？　次戦スペインが本番とチーム代表

　メルセデスはF1第7戦モナコGPで大型アップデートを投入。トト・ウルフ代表はマシンは“良くない”ものの、昨年の悲惨さからすれば進歩していると評価した。

　当初は中止となったエミリア・ロマーニャGPで投入予定だったメルセデスのアップデート。彼らは2022年から継続してきた”ゼロポッド”を捨て、ライバルチームも採用しているダウンウォッシュ型のサイドポンツーンへと切り替えた他、サスペンションなど多くのアップデートをマシンに施した。

　そんなモナコGPでメルセデスは、ルイス・ハミルトンが4位、ジョージ・ラッセルが5位となった。

　ウルフ代表はドライバー陣からはまだマシンが“良くない”と指摘されていることを明らかにしているが、それでも昨年の予選でラッセルが予選でトップから0.73秒も離されていたことを考えれば、マシンは進歩していると語った。

「（評価は）かなり難しい。アストンマーチンとフェラーリの中に混ざっていたからだ」

　ウルフはそう語る。

「ポジティブな面を言うと、ここで我々は本当に良かったことがないので、励みになるかもしれない」

「ポールポジションからはコンマ3秒差だった。昨年はコンマ6秒（実際にはコンマ7秒）はあったんだ。昨年のマシンは酷いモノだったが、今回はドライバーからの評価は”良くない”だったからね」

「つまり、その表現にも前進があるんだ。もちろん、かなり気をつけなくてはならないがね。バルセロナ（次戦スペインGP）で、さらにデータを集めることが必要だ。それが新しいベースラインとなる」

「そして、そこでもアストンマーチンとフェラーリを追い抜くことまでは期待していない」

Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes-AMG

Photo by: Simon Galloway / Motorsport Images

　またウルフ代表は、スペインGPで新パッケージのセットアップ最適化する方法を理解することが大事だと話した。

「このマシンがどう動いているのか、セットアップをどう進める必要があるのかを理解することが重要だ」

「我々は、一度開発の方向性を決めたら、徹底的にやるのがとても得意なんだ」

「シーズン序盤は酷く、素晴らしいとは言えなかった昨年のパッケージですら、我々はインテルラゴスで勝利を収めることができていた。だから、またそこまでたどり着くつもりだ」

　なおウルフはモナコGPでは路面のグリップが増すにつれて、マシンが苦戦するようになっていたと指摘している。

「ここでは主に乗り心地と低速時のダウンフォースが重要。他の多くのサーキットでは見られないモノなんだ。そしてこれからは、中高速コーナーの多いサーキットが待っている。良くなるはずだ」

「FP1やFP2では、これまでの週末よりも良かったと思っている」

「コースのグリップが改善されればされるほど、我々のパフォーマンスは落ちていった。何もかもが新しいため、今は学ぶことが本当にたくさんあるんだ」

「今はデータを収集して、マシンを作り上げていくしかない」