メルセデス、F1オーストリアGP欠場危機を何とか凌ぐ「スペアパーツ不足でレース出場が危うかった」
メルセデスのテクニカルディレクターであるマイク・エリオットは、オーストリアGPのスプリントでマシンがダメージを受けた場合、決勝レースを欠場せざるを得ない可能性があったと認めた。
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
メルセデスのルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルは、F1第11戦オーストリアGPの予選Q3でクラッシュ。特にマシンダメージの大きかったハミルトンは、スペアシャシーに乗り換えることを余儀なくされた。
両者ともアクシデントでリヤウイングを失い、オーストリアGPのために用意された低ドラッグ仕様のリヤウイング唯一のスペアは、グリッドが後方でオーバーテイクの回数が多いハミルトンに託された。一方、ラッセルはスプリント用には最適とは言えないハイダウンフォース仕様のリヤウイングに変更せざるを得なくなった。
また、スペアフロアは1枚しかなく、ダメージを受けたフロアからもう1枚用意しなければならなかった。
メルセデスが土曜日に2台のマシンを用意するために奔走したということは、予算制限がスペアパーツを十分に確保する能力に影響を及ぼしていることを如実に示している。
「2台のマシンをクラッシュさせると、それ以降は非常に難しい週末になる」と、メルセデスのテクニカルディレクターであるマイク・エリオットはオーストリアGP後に公開した動画で語った。
「2台ともフロア、リヤウイング、サスペンションを壊したんだ。ルイスのマシンはフロントウイングを破損し、シャシーにもダメージがあった」
「つまり修理はできても、週末には修理できないようなダメージだ。つまり、ルイスのマシンをゼロから作り直し、ふたつのフロアからひとつのフロアを作り上げる必要があったんだ。装着できる完全なスペアは1台分で、もう1台を作るにはクラッシュしたふたつのフロアからベストを尽くす必要があったんだ」
George Russell, Mercedes W13, gets out of his damaged car after crashing out in Q3
Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images
FP2で、両ドライバーは修復したマシンをチェックし、予選後に許された限られた変更の中で作業を行なう機会を得た。
エリオットは、土曜日の午後に行なわれるスプリントレースでダメージを受けるような事態になれば、深刻な問題になることを承知していた。
「マシンを作り直したからには、もう一度セットアップを見直さなければならないし、FP2ではそのための時間が非常に限られているから、妥協しなければならなかったんだ」
「2台のマシンがひどくダメージを受けてしまったことで、ドライバーたちはスプリントレースでダメージを受けたら日曜日にレースができないかもしれないという状況に陥ってしまったんだ」
「だから、そうしたすべてを考慮しなければならないし、週末を危険にさらすことになるんだ」
金曜日のノックアウト予選からパルクフェルメの規定が適用されたため、チームが2台のマシンを準備する時間は限られていた。パルクフェルメ規定を破れば、スプリントレースではピットレーンからのスタートが確実となるためだ。
エリオットは「FP2の5分前にジョージを、セッションの中盤にはルイスを走らせることができたと思う」と語った。
「マシンの準備には膨大な作業が必要だった。ルイスの場合、シャシーに大きなダメージがあった。外見的なダメージだけでなく、現場での修理が不可能だったため、土曜日の朝にゼロから彼のマシンを作り直さなければならなかった」
「エンジン、ギヤボックス、サスペンション、シャシーに取り付けるシステムなど、すべてをゼロから作り直さなければならなかった。そしてメカニックたちは土曜日の午前中、3時間半でそれをやってのけた。これは驚くべき成果で、実際にFP2に戻ってこれたのは彼らのおかげだ」
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