ボッタス用タイヤを履いてしまったラッセル、罰金処分に。9位入賞のリザルトはそのまま

チームメイトのタイヤを履いてしまったことで審議となっていたジョージ・ラッセルだが、罰金処分となることが決定。失格は免れた。

ボッタス用タイヤを履いてしまったラッセル、罰金処分に。9位入賞のリザルトはそのまま

 F1サクヒールGPを9位でフィニッシュするも、チームメイトであるバルテリ・ボッタスのタイヤを履いたことで審議対象となっていたジョージ・ラッセル(メルセデス)。彼に対しては最終的に罰金が科されることが決定したものの、リザルトはそのままとなった。

 新型コロナウイルスに感染したルイス・ハミルトンの代役として、メルセデスをドライブするチャンスを得たラッセル。2番グリッドからスタートしたラッセルは素晴らしい蹴り出しで1コーナーまでにボッタスを抜いてトップに立つと、そこから安定したギャップを保ち、F1初優勝が目前にまで迫っていた。

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 歯車が一気に狂ったのは、レース終盤のセーフティカー出動時。メルセデスはラッセルとボッタスを同時にピットへと呼び込んだが、先に入ったラッセルのフロントにボッタスに割り当てられていたミディアムタイヤを装着し、コースへと送り出してしまった。これによりラッセルは1周後に再びピットインを余儀無くされ、5番手に後退した。メルセデスによると、このようなミスが起きたのは無線の故障が原因だという。

 ラッセルはその後2番手まで追い上げるも、タイヤのパンクに見舞われまたしてもピットに。最終的に9位フィニッシュとなった。しかしボッタス用のタイヤを履いて1周走行したことについてはレース後に審議となったため、ファステストラップのボーナス含め、ラッセルのポイントが失われる可能性があった。

 しかしスチュワードはレース後に聞き取りを行なった結果、無線の故障は処分を軽減するに値する出来事だと判断。また競技上のアドバンテージも得ていないことから、メルセデスに罰金2万ユーロ(約252万円)を科すという裁定を下した。

 スチュワードの報告書には次のように記されている。

「63号車(ラッセル)は、77号車(ボッタス)に割り当てられているフロントタイヤを装着した」

「それは無線交信の技術的な問題が原因だった。ピットウォールとピットクルーの交信の際、63号車のドライバーからの交信が被ってしまったことにより、63号車のクルーは63号車が77号車よりも先に入ってくるという情報を受信できなかった」

「その結果、77号車のフロントタイヤが誤って63号車に装着されてしまった。(当時マシンは2台入ってきていた)これは明らかにレギュレーション違反であり、基本的には失格など競技上のペナルティが科される」

「しかしながら今回のケースは上記の無線の問題に加え、(処分を)軽減されるべき状況がある」

「第一に、チームは1周以内に問題を修正した。63号車は再度ピットインを行ない、さらに順位を下げた」

「第二に、77号車はタイヤ交換のためにピットインしたが、装着されるはずのフロントタイヤが63号車に装着されていた。そういったこともあり、77号車はピットイン前に装着されていたタイヤに履き直し、かなりの遅れを取って送り出された。これも77号車の最終的な順位に影響を与えた」

「第三に、このような違反行為は競技規則第24.4条 b)で言及されているような“3ラップの許容範囲”※には当てはまらない(現在は異なる仕様のタイヤに関してのみ言及されている)が、我々は似たようなものだと考えている」

「しかしながら、レギュレーションを遵守した形でのタイヤの装着責任はどのチームにもあるため、ペナルティが必要だと判断した」

「この種の違反に遅延なく対応するために、FIAは第24.4条 b)の改正を検討することを推奨する」

「また、このようなタイプの違反はこれまでのF1では経験してこなかったことであることにも留意したい」

※参考:F1競技規則第24.4条 b)には「競技会の間で使用できるタイヤセットは、第24条2 a)に定義されるタイヤのみである。レースの間に異なる仕様のタイヤセットを使用した一切のドライバーは、そのタイヤセットにて、同じ仕様のタイヤセットに交換する前に、3周回を超えて走行することはできない。3周回以内にタイヤ交換を行わなかったドライバーには、第38条3 d)に従いペナルティが科せられる」と記されている。

 

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この記事について

シリーズ F1
イベント サクヒールGP
チーム メルセデス
執筆者 Luke Smith