メルセデス、イモラで細かなアップデートを導入。冷却と気流の剥離に対処
メルセデスは、F1第4戦エミリア・ロマーニャGPで、パフォーマンス低下につながる気流の剥離と、冷却の両方を改善するために多くの細かいアップデートを導入した。
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】
Analysis provided by Giorgio Piola
メルセデスは今季のマシン『W13』のポテンシャルを最大限に引き出すことができない原因の究明を進めており、それを完全に理解するまで、マシンのメジャーアップデートは控えている。しかし第4戦エミリア・ロマーニャGPで、いくつかのマイナーアップデートを行なうのは止むを得ないと判断したようだ。
W13は過度のポーパシングに悩まされているめ、メルセデスは気流の剥離に着目。エミリア・ロマーニャGPで導入されたアップデートのいくつかは、その改善に焦点を当てたもののようだ。
まずは側面上方の衝撃吸収構造のカバーと、ミラーハウジングの形状が変更(下写真)されている。
Mercedes W13 detail
Photo by: Uncredited
チームによると、「これらのジオメトリー変更は、気流が分離している小さなエリアを取り除くために導入されたもので、そうすることでクルマの後方への空気の流れを改善することができた」という。
また、メルセデスはリヤタイヤ前方のフロアの形状を変更したことで、「気流が分離するエリアを取り除き、ディフューザーの流れを改善することで、リヤの荷重を増加」させたと説明する。
さらにリヤタイヤ内側にあるロワディフレクターのエンドプレートも修正されており、ここにかかる局所的な荷重を増加。ディフューザー全体の効果を高めているという。
また第3戦オーストラリアGPでルイス・ハミルトンが見舞われた冷却の問題に関しては、サイドポッド開口部の前方に、ターニングベイン(下写真)を追加したことで対処されている。
チームは「これらのベインはサイドポッドのラジエーターダクトへの気流の質を向上させ、その結果、クルマ全体の冷却を改善する」としている。
■レッドブルもマシンを微調整
レッドブルも、マシン性能の向上を図るため、いくつかのマイナーチェンジを行なった。
フロアの前端、キール部分にウイング形状の段差を作り、このエリアでのダウンフォース生成を改善しようとしている。
またシーズン序盤にオーバーヒートに悩まされたリヤのブレーキ冷却能力も強化している。ダクトを変更することでより多くの吸排気を可能にし、ブレーキマテリアルとブレーキキャリパーの冷却を向上させようとしているのだ。
Red Bull RB18 detail
Photo by: Giorgio Piola
■フェラーリは大きな変化なし
メルセデスとレッドブルがマシンにいくつかの変更を施したのに対し、フェラーリはアップデートを導入しないことを選択した。
チーム代表のマッティア・ビノットはオーストラリアGP後に、イモラではスプリントレースが行なわれるため、アップグレードの評価を行なう十分な時間がないと説明していた。
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