メルセデス、ドライバーとの契約交渉に「ベッテルの”跳ね馬”離脱は無視できない」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、将来のドライバーラインアップを決める上で、セバスチャン・ベッテルのフェラーリ離脱を考慮に入れなければならないと述べた。
写真:: Glenn Dunbar / Motorsport Images
フェラーリは5月12日(火)、セバスチャン・ベッテルとの契約を延長せず、2020年シーズン終了後にベッテルがチームを離脱することを発表した。
ベッテルのフェラーリ離脱は、2021年のドライバー市場に大きな影響を与えることになるだろう。その影響は、最強チームであるメルセデスにも及ぶかもしれない。
メルセデスは、現ドライバーであるルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスともに2020年で現行契約が満了する。メルセデスのチーム代表を務めるトト・ウルフは、チームは現ドライバーのふたりに満足している一方、ベッテルのフェラーリ離脱の影響は考慮する必要があると話した。
「セバスチャンは素晴らしいドライバーであり、好人物だ。あらゆるF1チームにとって貴重な財産だ」
「今後に目を向けると、我々はまず今のメルセデスドライバーに対して誠実に接する。しかし当然のことながら、我々はこの件の進展を考慮に入れなければならない」
メルセデスは現在、ハミルトンとの契約更新について話し合っている段階だ。以前ハミルトンはイベントで、フェラーリとフィアット・クライスラーの会長であるジョン・エルカーンと接触していたことから、フェラーリ移籍の可能性が噂されたこともある。しかし、ハミルトンは「別のチームに移籍するという夢は持っていない」と語っている。
ハミルトンは2021年以降もメルセデスに留まると予想されているが、ベッテルの動きにより、交渉に新たな側面が加わるだろう。もし仮にハミルトンが心変わりをし、センセーショナルなフェラーリ移籍を選んだとしたら、ベッテルにとって興味深いシートが空くことになる。
ボッタスの将来にも影響が及ぶはずだ。ボッタスは2017年にメルセデスに加わって以降、シーズンごとに単年契約を結んできた。昨年は8月下旬まで契約が更新されず、落ち着かない日々を過ごしていたボッタスは、2021年以降の新しい契約については話し合いをより個人的に進め、昨年よりも早く解決に至ることを望んでいるとコメントしている。
ボッタスがフェラーリと契約し、シャルル・ルクレールのチームメイトになる可能性が浮上したならば、メルセデスはボッタスとの交渉を急ぐかもしれない。そうなれば、ボッタスにとっては願ってもない好材料だろう。
逆にボッタスがフェラーリに移籍した場合、メルセデスはハミルトンとベッテルという、ふたり合わせてチャンピオン獲得10回の豪華ラインアップを築くことができるかもしれない。ただし、チームリーダーになることを望むドライバーふたりを同時に満足させる必要があることや、金銭的な問題を考えると実現は難しいだろう。
メルセデスの育成ドライバーであり、ウイリアムズの現ドライバーであるジョージ・ラッセルの去就にも影響が生じる。本来ならば”次”のメルセデスのドライバーは、ラッセルであるはずだ。しかしメルセデスがベッテルに興味を持つことで、ラッセルの優先順位が下がってしまう可能性もある。
ラッセルが2018年に自らプレゼンテーションを行ない、ウイリアムズに猛アピール……その結果シートを得たことは有名だ。ラッセルはフェラーリの発表を受けて、ツイッターを投稿。ジョーク交じりに、”再アピール”の準備をしていると示唆した。
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