愚かなミスだった……メルセデス、ハミルトン3度目のピットストップを後悔
メルセデスF1のテクニカルディレクターであるジェームス・アリソンは、ブラジルGPでルイス・ハミルトンが行った3度目のピットストップを悔いている。
Lewis Hamilton, Mercedes AMG F1 W10 pit stop
Andy Hone / Motorsport Images
メルセデスF1チームのテクニカルディレクターを務めるジェームス・アリソンは、第20戦ブラジルGPでルイス・ハミルトンが行った3度目のピットストップについて、ドライバーに判断を委ねたチームのミスだったと話した。
ハミルトンはレース終盤、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ2番手を走行していた。しかし66周目、フェラーリの2台が接触しリタイア。コース上にデブリが落ちたことで、セーフティカーが出動した。
ハミルトンがペースを落としてピット入り口に近づくと、担当エンジニアであるピーター・ボニントンは、無線でハミルトンに「新しいタイヤに変えたいなら、ポジションをひとつ落とすことになる」というメッセージを2度伝えた。
これを受けて、ハミルトンは少し考えた後「君が決めてくれ」と返答した。ところが、ハミルトンは自らピットインを決断。ピットロードに飛び込むと「(ピットに)入るよ、入るよ」とチームに伝えた。
しかし、ハミルトンはこのピットインでアレクサンダー・アルボン(レッドブル)とピエール・ガスリー(トロロッソ)に先行を許し、4番手まで後退してしまう。さらに、レースが再開されたのは残り2周というタイミング。新しいタイヤを有効に活用できる時間はごく僅かだった。
ガスリーこそ難なくパスしたハミルトンだったが、ターン10でアルボンにオーバーテイクを仕掛けた際に接触。アルボンをスピンさせてしまい、失速した隙に再度ガスリーに前に出られてしまった。
フロントウイングにダメージを負ったハミルトンは、ガスリーに迫ったものの抜ききれず、3番手でチェッカーを受けた。その後、アルボンとの接触で5秒のタイム加算ペナルティを受け、最終的に7位に終わった。
アリソンはハミルトンに間違った情報を与え、ピットストップの判断を任せたことについて、”馬鹿げたミス”だったとコメントした。
「その時点で、最も輝かしいレースという感じにはなっていなかったので、馬鹿げたことをしてしまった。ひとつポジションを落とす代わりに新しいタイヤを手に入れ、適切なポジションを取り戻すために十分なラップが残り、優勝に挑戦できると思っていたんだ」
「実際のところ、ふたつポジションを落とすことになったので正しくなかった。ガスリーのことを考慮していなかったし、コース上に落ちたデブリの量を考えていなかった。予想以上にセーフティカーが長引いたんだ」
「そして、今回のクルマがあまり速くなく、優勝を狙うには程遠かったというルーキーのようなミスをした。我々がミスをしたんだ」
アリソンは、ピットインを選んだハミルトン自身にミスの責任はないと語った。
「実際、完全に我々のミスだった。なぜなら、我々は儚いチャンスのことを考えていたんだ」
「我々にはそれが正しいことかどうか全く分からなかった。しかし、可能性はあったんだ」
「そこで、ルイスに意見を求めようと考えた。だが、そうするべきではなかったんだ。我々は彼に、失うポジションはひとつだと言っていたが、実際はふたつだったのだから、我々が決断をすべきだった」
「彼は1〜2秒考えて、ピットに飛び込んできた。彼はレースが好きだからね。しかしそれは間違いだった」
「彼がガスリーの後ろでコースに復帰した時、我々はがっかりして『なんでこんなことをしたんだ?』と感じたんだ」
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