PU出力を落としていたメルセデス、その影響は1周あたり“0.1秒以下”だった?
メルセデスは、F1アブダビGPでパワーユニットの出力を抑えた影響はそれほど大きくなく、レッドブルのフェルスタッペンに大差で敗れた理由にはならないと語った。
2020年シーズンのF1ダブルタイトルを既に確定させていたメルセデスは、最終戦アブダビGPに向けてパワーユニット(PU)のコンポーネントのひとつであるMGU-Kに懸念があったため、その耐信頼性を確保するために出力を落としてグランプリに臨んだ。
その結果、予選ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンにポールポジションを奪われると、決勝でもバルテリ・ボッタスとルイス・ハミルトンはフェルスタッペンにジリジリと離される一方の展開に。最終的に優勝したフェルスタッペンと2位ボッタスの間には16秒弱もの差がついてしまった。
フェルスタッペンはレース後の記者会見で、メルセデスの2台がPU出力を落としていたことについて言及したが、メルセデスのトラックサイド・エンジニアリングディレクターであるアンドリュー・ショブリン曰く、その影響は小さなものだったという。
「レース結果を左右するほどのものではなかった」
そうショブリンは語った。
「(1周あたり)0.1秒以下の差だから、1位と2位の差ほど大きくはなかった」
今回のアブダビGPの周回数は55周。途中セーフティカーランなどがあったため正確な数値を弾き出すのは難しいが、PU出力を落としたことによって1周あたり0.1秒前後の影響があったならば、レース全体で失ったタイムは5秒前後ということになる。
またショブリンは、MGU-Kのトラブルが「完全には解明されていない」と言い、PUのモードを保守的にすることは細心の注意を払った結果だと語った。
「何か特定の問題を把握しているというよりは、トラブルを避けるためにできる限り保守的な方法でパワーユニットを運用した、というのが正しいだろう」
「一連の問題を正確に理解していない場合、できることは慎重になることだけだ」
「レース中、我々はわずかに負荷を下げようとしていたが、ドライバーはそれに気付いていなかっただろう。これらは我々が裏で管理しようとしていたことだ」
今回のアブダビGPではレース序盤にバーチャルセーフティカー、そしてセーフティカーが出たことにより、ほとんどのマシンが同じタイミングでピットインしてタイヤを交換した。そのためメルセデスは、2台で異なる作戦を採ってフェルスタッペンに対抗するという機会を失った。
しかしショブリンは、戦略を分けてもフェルスタッペンを倒すには十分でなかっただろうと考えている。
「何か異なることをすることはできただろうが、正直なところ、今回の結果は比較的避けられないものだったと思う」とショブリンは言う。
「全てのマシンが同じ周回数のタイヤを履いてしまうと、チャンスはあまりなくなる。あれ(セーフティカー)がなければ1台のマシンがマックスに早く入るよう仕向け、もう1台が(ピットインを)遅らせるということをしただろう」
「ただそれがポジションアップに繋がったかどうかは分からないし、彼らのペースを見る限りかなり安定していたので、(逆転していたかは)どうだろうとは思う」
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