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王者メルセデスにあるまじき”ドタバタ”ピットストップ。無線の故障が引き金に

メルセデスのトト・ウルフ代表は、F1サクヒールGPでジョージ・ラッセルのタイヤを取り違えるミスをしてしまった原因は、無線の故障にあったと明かした。

George Russell, Mercedes F1 W11, makes a pit stop

George Russell, Mercedes F1 W11, makes a pit stop

Steven Tee / Motorsport Images

 ルイス・ハミルトンの代役として、F1第16戦サクヒールGPに臨んだジョージ・ラッセルは、レギュラードライバーのバルテリ・ボッタスをリードし、レースの大半を支配した。

 好スタートでポールポジションのボッタスを交わしトップに立ったラッセルは、ボッタスに対して3秒前後のリードを築き、周回を重ねた。

 レース折り返しを過ぎ、45周目に最初のピットストップを済ませたラッセルに対し、ボッタスはピットインを4周遅らせるが、ラッセルとの差は5秒ほどまで開いた。

 しかし、61周目にジャック・エイトケン(ウイリアムズ)がクラッシュし、セーフティカーが出動してレースの流れが一変することになった。

 メルセデスは2台同時ピットインを敢行。ピットクルーはラッセルのタイヤを交換した後、ボッタスのタイヤを交換しようとした。しかし、一旦装着されたミディアムタイヤを取り外すと、ピットイン前まで履いていたハードタイヤを再度ボッタスのマシンに装着し、コースへ送り出したのだ。

 ハードタイヤからミディアムタイヤへと交換したラッセルは翌周に再度ピットイン。違うセットのミディアムタイヤへと交換した。

 実はラッセルのマシンにはボッタス用のミディアムタイヤが取り付けられてしまっていた。そのためラッセルは余計なピットインを強いられ、ボッタスは結局タイヤを交換できなかったというわけだ。

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 タイヤの取り違えが発生した経緯について、メルセデスのトト・ウルフ代表は無線に問題が発生した影響で、ラッセル側のガレージにピットインの判断が伝わっていなかったのだという。

「何が起きたかを説明すると、我々がピットインを決断した時、ピットクルーは無線でピットインの知らせを受け取り、正しいタイヤを持ってピットレーンに出るんだ」

「ガレージの片側、ジョージの方はピットコールが聞こえなかった。無線が機能していなかったから、間違ったタイヤ(ボッタス用のタイヤ)を持ったクルーが出てきてしまったんだ」

「我々は、バルテリにタイヤがないこともすぐに分かったし、バルテリのタイヤがジョージのクルマに装着されていたのも分かった」

「バルテリのクルマには古いハードタイヤを装着させ、コースに送り出した。そしてジョージをもう一度ピットインさせる必要があることも分かっていた」

 ラッセルはトラブルにもめげず5番手から追い上げ2番手。トップを走るセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に迫っていったが、パンクにより4度目のピットイン。最終的に9位でレースを終えた。

「スローパンクチャーが起きてしまったのは、彼がオーバーテイクするために何度もラインを外れてしまったからだろう」と、ウルフは語った。

「(パンクがなければ)レースに勝てたか? 分からない。我々のプランナーは彼がセルジオに追いつくと言っていたと思うし、DRSが我々を助けてくれたかもしれない」

「だが勝てたかは分からない。セルジオは本当に素晴らしいレースをしていたし、勝利にふさわしい。我々はあまりにも多くのミスをしたし、パンクは不運だった」

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