F1 アゼルバイジャンGP

メルセデスのウルフ代表、アルボンの”冷却ファン事件”で影響を受けたと憤慨「タイヤの温度を保つことができなかった」

メルセデスのトト・ウルフ代表は、アルボンがピットレーン出口にストップしたことで、タイヤの温め方に影響が出たと考えている。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15

写真:: Dom Romney / Motorsport Images

 メルセデスのトト・ウルフ代表は、F1アゼルバイジャンGPの予選Q3で、ウイリアムズのアレクサンダー・アルボンが冷却用のファンを取り外すためにピットレーン出口でストップした影響により、ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンは減速しなければならず、タイヤの温度を十分に引き上げることができなかったと嘆いた。

 メルセデス勢はF1アゼルバイジャンGPの予選を、ラッセル5番手、ハミルトン7番手で終えた。しかし本来ならば、少なくとも3番手につけ、ポールポジションを獲得したフェラーリのシャルル・ルクレールに接近できたはずだと、ウルフ代表は考えている。

 というのも各車が予選Q3最後のアタックに向かおうかというところで、エアボックスに冷却ファンを付けたままピットアウトしてしまったアルボンが、ピットレーン出口の先でストップ……自力で冷却ファンを投げ捨てるという事件が発生した。その影響を受けたウルフ代表は言うのだ。

 メルセデス勢はアルボンが停車したことによってセクター1でイエローフラッグが振られた場合に備えて、アウトラップのセクター3で減速。これにより、タイヤを十分に温められなかったという。

「ここはルクレールが得意とするコースであり、フェラーリが得意とするコースでもある」

 ウルフ代表は予選後にそう語った。

「しかし我々は2番手か3番手……少なくとも3番手にはなれたと思う。とても僅差だったからね」

「アルボンのせいだ。ウイリアムズがピット出口で停まったことでタイヤの温度が下がってしまい、それでセクター1は最悪だったんだ」

 ハミルトンも予選後に、フリー走行と比べてパフォーマンスを落としたことに肩を落とした。

「土曜日はいつも同じ感じだから、それほど驚くようなことじゃないね」

 そうハミルトンは語った。

「FP1とFP2で、クルマの感触は最高だった。文字通り1周目から本当に良かったと思う。でも土曜日になると、他のマシンの方がFP1やFP2でもっと調子が良かったんじゃないかと考えることがある」

「昨日は最高の感触だったから、土曜日にはほとんど手を加えなかった。台無しにしたくなかったんだ。でも、タイヤはうまく機能しなかった。1日中、機能しなかったんだ」

「最終ラップの最終セクターでは、タイヤが機能し始めた。でも、そのチャンスを逃してしまった」

 なお今回のメルセデスは、ベルギーで初めて投入し、オランダGPとイタリアGPでも試した新型フロアを使用していない。ただ、初日にフィーリングが良かったのは、古いフロアに戻した結果だとハミルトンは考えていないようだ。

「新しいフロアと古いフロアは、とても似ているんだ」

 そうハミルトンは言う。

「旧仕様に戻してテストするのは、良いことだったと思う」

「このフロアで勝ったこともあるしね。少し古いから、新しいフロアに比べると若干重いんだ」

「でも今週末に比較テストを行なったわけじゃない。でもポジション的には前戦と同じようなモノだから、フロアが問題だったとは言い難い」

 一方でラッセルは、「違いを生み出しているのはフロアではないという証拠」を示すことができたと確信している。

「バクーで新しいフロアを一切使わないというのは、チームの決断だった」

 そうラッセルは言う。

「直近2戦では、レースでは大幅にペースを落としていた。でも予選でのパフォーマンスは良かったんだ」

 なおハミルトンは、F1アゼルバイジャンGPの決勝レースに向けてパワーユニット交換を決断。今季5基目のPUを投入することになった。また、サスペンションにも変更を加えた。これによりハミルトンは、決勝レースをピットレーンからスタートすることになる。

 

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