F1

ハミルトンが不気味な存在だが……メルセデス、タイトル争いで“アントネッリを勝たせる”体制にはせず「まずはチームが最優先」

メルセデスは、フェラーリのルイス・ハミルトンからの脅威があるなかでも、タイトル争いに向けて特定のドライバーを優先するには時期尚早だと考えている。

Ed Hardy Oleg Karpov

公開日時: 2026/08/19 2:32

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Andrea Kimi Antonelli, Mercedes

 2026年シーズンのF1は夏休みの段階で、メルセデスが11戦8勝と新レギュレーション初年度に圧倒的な強さを見せている。後半戦に向けては、ライバルの猛追を抑え込んでタイトルを確実なものにしたいところだ。

 メルセデスは現在、コンストラクターズランキングでフェラーリに72ポイント差をつけてトップ。ドライバーズランキングでもアンドレア・キミ・アントネッリが首位に立っており、ジョージ・ラッセルもフェラーリのルイス・ハミルトンに次ぐ3番手につけている。

 開幕当初は本命と目されていたラッセルがタイトル争いで後退したことから、メルセデスはアントネッリがハミルトンの脅威から逃れて確実にタイトルを獲得できるよう、アントネッリを優先すべきという声もあった。実際、昨年はマクラーレンがタイトルを争うオスカー・ピアストリとランド・ノリスを平等に戦わせたことが、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに猛追を許した一因になったとも言われている。結果的にはノリスがチャンピオンを獲得したが、フェルスタッペンは100点以上あった差を縮めて2点差まで肉薄した。

 しかしメルセデスは、現時点でその必要はないと考えている。彼らにとっては、2020年のハミルトン以来となるドライバーズタイトル、そして2021年以来となるコンストラクターズタイトルがかかっているが、チーム副代表のブラッドリー・ロードはハンガリーGPを前にこう語っていた。

「メルセデスがレースに勝てるなら、メルセデスが勝たなければならない。それがまずは最優先だ」

「チームが第一であり、コンストラクターズ選手権こそがチームにとっての最大の焦点、最大の目標だ」

「これまでにも、チャンピオンの候補はひとりしかいないと言われている状況から、タイトル争いの流れが大きく変わるのを見てきた。だからそんなことを考えるにはあまりにも早すぎる。我々はもちろん、両方のタイトルを獲得したい。その可能性を最も高める方法は、2台を可能な限り高い順位でフィニッシュさせることだ」

「我々はそこに集中している。マシンの信頼性を確保し、速さを維持する。そしてドライバーたちがドライバーズタイトルを獲得するために、最大限の力を発揮できるようにする」

「ただし、我々の基本原則はこうだ。メルセデスが勝てる状況なら、メルセデスが勝たなければならない。 その2台のうちどちらが勝つかは問題ではない。その日のレースで速いほうのマシンが勝てるよう、必要なことをする。それが我々の優先事項だ」

 シーズン開幕前から、メルセデスがタイトルの大本命になることは予想されていた。ただし、その中心になるのはアントネッリではなくラッセルだと考えられていた。というのも、19歳のアントネッリはルーキーイヤーの2025年に浮き沈みの激しいシーズンを送った一方、ラッセルは一貫してアントネッリを上回り、ランキング4位という好成績でシーズンを終えていたからだ。

 しかしラッセルは、開幕戦のオーストラリアGPを制した後、苦しい展開が続いている。第2戦中国GPの予選ではトラブルに見舞われ、続く日本GPでもタイミングの悪いセーフティカーに翻弄された。

 さらにカナダGPではトップを走行中にPUのトラブルでリタイア。モナコでは不運なペナルティを受け、ハンガリーGPではスタート時のアンチストールによって1周目に最後尾まで落ちてしまった。アントネッリもバルセロナやシルバーストンで不運に見舞われているものの、ラッセルほど理不尽な不運が続いていたわけではない。ただ、だからといってラッセルが速さの面で一貫してアントネッリを上回っていたわけではないのだが。

「週末のたびに何度もこうした状況に直面し、『君が本命なのにどうした。なぜ期待通りのパフォーマンスができないんだ』と言われるドライバーの苦労を甘く見てはいけない」とロードは言う。

「それがドライバーを奮い立たせることもあるが、同時に、乗り越えていかなければならない難しい状況になることもある」

「ジョージが技術的な面で、いくつかのレースで不運に見舞われたことは間違いない。中国では、少し変わった理由でマシンが正常に始動せず、予選に影響が出た。モナコでは、ペナルティを正しく履行できなかったことで生じた問題と、その後に起きた連鎖的な影響があった。さらに赤旗によって、ペナルティの影響がより大きくなってしまった」

「だから、今年のさまざまな時点で彼は『雨が降らないと思ったら土砂降りだ』というように、不運が次々と重なっていると感じたのは理解できる」

「彼自身、自分が望んでいたポジションにいるわけではないかもしれないが、それでもドライバーズタイトル争いに加わっていることは明確に理解している。そして、それはもちろん、すべてのドライバーが目指してきた最大の目標だ」

「我々チームは、5~6年ぶりとなるコンストラクターズタイトルの獲得に完全に集中している。そしてジョージにも、そのために果たすべき非常に大きな役割がある」

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