メルセデス、戦略次第ではレッドブルに勝てたのか? ウルフ代表「我々の戦略は正しかったと思う」

メルセデスは、F1メキシコシティGP決勝でミディアムタイヤを長く使い、最後にソフトタイヤを使うという戦略でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に対抗できたかは分からないという。

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 レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、F1メキシコシティGPを快勝。今季14勝目を挙げた。メルセデス勢にとっては、15秒以上の差をつけられてルイス・ハミルトンが2位と、今季初優勝に近いようで遠い結果となった。

 レッドブルはフェルスタッペンとセルジオ・ペレスのスタートタイヤにソフトを選択したのに対し、メルセデスはハミルトンとジョージ・ラッセルのスタートタイヤにミディアムタイヤをチョイス。1ストップ戦略の確実な遂行を優先した。

 ハミルトンはファーストスティントでフェルスタッペンから2秒以内の差で続いていたが、レッドブル勢がピットインすると、ミディアムタイヤで29周まで走行した。

 しかしハミルトンがハードタイヤに履き替えると、レース後半はフェルスタッペンがリードを拡大。ミディアムタイヤで46周を走り、2度目のピットストップをせずに走りきったフェルスタッペンが優勝した。

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Photo by: Andy Hone / Motorsport Images

 ラッセルはレース中、ソフトタイヤを履きたいと無線でチームに訴えたが、そのためにはミディアムタイヤで長い距離を走る必要があると言われた。結局、ラッセルはミディアムタイヤを34周使ってピットストップした後、ハードタイヤを装着。最終盤にはソフトタイヤを履いてファステストラップを記録している。

 ラッセルが希望したモノに近い戦略を遂行したのが、マクラーレンのダニエル・リカルドだ。リカルドはミディアムタイヤでスタートすると、44周を走りようやくピットイン。ソフトタイヤに履き替え、1ストップ戦略でフィニッシュを果たした。

 11番グリッドからスタートしたリカルドは、角田裕毅(アルファタウリ)との接触で10秒のタイム加算ペナルティを科せられながらも、7位となっている。

 メルセデスのトト・ウルフ代表はレース後、「後から判断するのは常に簡単だ」と述べながらも、レース前のデータからチームが正しい戦略を採ったと考えていると語った。

「ミディアム-ハードの1ストップは正しい戦略だったと思う」

「ミディアムタイヤが終盤あれほど長く保ったことは驚きだった。でもそれは後知恵に過ぎない。もしレースをやり直すとしたら、別のタイヤを選んでいたかもしれないがね」

 ウルフは、メルセデスがリカルドのように「ミディアムタイヤでタイムロスしながらも、あと5~6周我慢し、ソフトタイヤで30周する」という決断をすることも可能だったとしながらも、最後までタイヤが保つかどうかははっきりしていなかったという。

 ハミルトンとラッセルの両レースエンジニアはレース中、ミディアムタイヤを履くレッドブルのペースは落ちると予想していた。

 ウルフは、メルセデスがレースでソフトを使うことについて議論し、このタイヤは”強力”だが”30周走れるほど強力ではない”と感じていたと述べた。

 ミディアム-ソフトの1ストップ戦略で、レッドブル勢を倒すことができたと思うかと尋ねると、ウルフはmotorsport.comに次のように答えた。

「彼らを追い越せたとは思わない。なぜならギャップがあったため、基本的には逆の戦略を選ぶことになってしまうからだ」

「ソフト-ミディアムタイヤでも、ターン1で少し有利だったはずだ。ルイスはアウト側にいたから、どうなるかは分からない。だが違う戦略ならもっと近づけていたはずだ」

 メルセデスはレッドブルには敵わなかったものの、フェラーリを寄せ付けなかった。標高が高いため、他のサーキットほど空気抵抗に悩まされることがなく、ハイダウンフォース・パッケージが使えるという恩恵も受けた。

 ウルフはシミュレーションの結果、メキシコは最もチャンスがあるレースであったことを踏まえ、今回のレースを誇りに思うと語った。

「我々はシミュレーションでその傾向を見て、戦えるということを確認した」

「この週末に我々がやったことはチームの誇りだ。エンジン担当者は、最大限のパフォーマンスを発揮できるように限界に挑戦してくれた」

「来年に向けては、それぞれが最大限の努力をし、混戦になると思う」

 
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