急遽浮上した、フェルスタッペン”電撃”メルセデス移籍の噂。ウルフ代表はやんわりと否定「今最速はレッドブルだから、そっちを優先するんじゃないか?」

メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、マックス・フェルスタッペンを獲得するのではないかという噂について「ドライバー決定を急ぐつもりはない」と語った。

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 今季限りでルイス・ハミルトンが離脱することになったメルセデス。しかしここに来て、後任候補として現レッドブルのマックス・フェルスタッペンの名前も噂レベルではあるものの上がり始めている。

 しかしウルフ代表はハミルトンの後任について、急いで決めるつもりはないと断言する。

 このオフシーズンの話題の中心となったのは、ハミルトンが今季限りでメルセデスを離れ、来季からフェラーリに移籍するというものだった。これによりメルセデスは、後任となるドライバーを探す必要に迫られている。

 その最有力候補と目されているのが、メルセデス育成ドライバーであり、今季からFIA F2への参戦を開始したアンドレア・キミ・アントネッリである。ただアントネッリの実力はまだ未知数な部分もあり、他の選択肢としてフェラーリ離脱が決定的となったカルロス・サインツJr.や、現ウイリアムズのアレクサンダー・アルボン、さらには現アストンマーティンのフェルナンド・アロンソという名前も取り沙汰されている。

 しかし最近になって、新たな候補者の名前が急に浮上してきた。それが、現在F1ドライバーズタイトル3連覇中であり、今季4連覇する可能性が高いと目されているフェルスタッペンである。

 フェルスタッペンが所属するレッドブル・レーシングは現在、チーム代表であるクリスチャン・ホーナーに対する、”不適切行為”の疑惑が持ち上がっており、内部では混乱が続いているとされる。その状況に業を煮やしたフェルスタッペンが、メルセデスに移籍することを検討する可能性があるのではないかというのだ。

 フェルスタッペンの父親であり、元F1ドライバーでもあるヨス・フェルスタッペンは、レッドブルに対してホーナー代表の更迭を求めたのではないかという話もある。また、チーム代表に新たな人物が就任した場合、現在2028年まで結ばれている契約を解除できるような契約内容になっているのではという話もある。

 そんな状況の中、ウルフ代表がヨス・フェルスタッペンを食事を共にした写真が流出。噂がさらに加速することとなった。

 ただホーナー代表の”不適切行為疑惑”については、まだ最終的な結論には至っていない。そういう状況もあるため、ウルフ代表はフェルスタッペンと早々に連絡を取っても、得るものなどほとんどないと考えているようだ。

 またウルフ代表が期待を寄せているアントネッリは、F2初戦で大苦戦。今後の成長を見極めるためにも、ウルフ代表としてはもう少し時間がほしいところだろう。

「チャンピオンシップを勝ち取ったことのあるチームが17位や18位にいるだなんて……そんなポジションは、彼らがいるべきところではないね」

 アントネッリの将来を見極めるのがどれほど難しいかと尋ねられたウルフ代表はそう語った。

「チームメイトと比較してみてもいいと思う。それは、比較するひとつに過ぎないがね。でも、オリバー・ベアマンはトップクラスの才能を持ったドライバーだろう」

「でもいつも言っているように、話し過ぎてしまうことで損してしまっているように思う。だから今は、今後数レースがどんな形で展開していくか、それを見てみることにしよう」

「来季のドライバーを決めるのを、急いでいるわけではない。これまでは常にルイスに急かされてきた。だから今回は、落ち着いて市場を評価するつもりだ」

 ホーナーに関する件が落ち着けば、フェルスタッペンが他チームに移籍することを検討しなくてもいい状態を掴むことができるかもしれない。そしてウルフ代表は、現時点ではメルセデスのパフォーマンスがそれほど高くはないため、ドライバーにとっての価値が低くなりつつあることもよく理解している。

「ドライバーは常に最速のマシンを選ぶと思う」

 フェルスタッペンが2025年からメルセデスのF1マシンをドライブする可能性があるのかと尋ねられたウルフ代表はそう語った。

「基本的にはそれが全てだ」

「現時点では、レッドブルが最速のマシンであるのは明らかだ。だから、そこに残留することが優先されることになるだろう」

 
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