
ジョルジョ・ピオラ【F1メカ解説】

25日から走行が始まる2019年F1第18戦メキシコGP。日本GPから2週間、標高が高く気圧の低いメキシコ・シティで、各車どんなパフォーマンスを見せるのか? アップデートを中心に、パーツのクローズアップをピットレーンがらお届け。
トロロッソ・ホンダSTR14のフロントサスペンション

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
組み立て作業が進むトロロッソ・ホンダのマシンSTR14。フロントブレーキのダクトの配置などがよく分かる。
トロロッソ・ホンダSTR14のエンジンカウル

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
空気が薄いメキシコに対応し、冷却効果を高めるべく、エンジンカウル後端の開口部を拡大してきたトロロッソ。Tウイングも上下2段となり、空気が薄い中でもしっかりとダウンフォースを確保しようとしているように見える。
フェラーリSF90のバージボード

写真:: Giorgio Piola
実に複雑になっているフェラーリのバージボードエリア。レギュレーションを満たすため、バージボードの上方パーツと、その最下端が同じ形状になっているのがよく分かる。
フェラーリSF90のリヤサスペンション周辺

写真:: Giorgio Piola
リヤタイヤ周辺のエリアは、最近各チームがこぞって開発を進めている部分だ。それはフェラーリも同様。多数のスリットとウイングレットを使い、リヤタイヤ内側を流れる気流を、コークボトルの部分を抜けてディフューザー上部へ向かう気流とどう合流させるのかという部分に、気を使った処理といえよう。しかし、実に細かい処理だ。
フェラーリSF90のリヤウイング

写真:: Giorgio Piola
フェラーリがメキシコGPに持ち込んだリヤウイング。標高が高いメキシコには通常、各チーム共にハイダウンフォース仕様のリヤウイングを持ち込む。
レーシングポイントRP19

写真:: Giorgio Piola
RP19のインダクションポッド側面に取り付けられる魚雷型のパーツ。これにはフリー走行中にタイヤの挙動を監視するための、”サーマルイメージングカメラ”が内包されている。これにより同チームのエンジニアは、レースおよび予選で活用するための、重要なデータを手にすることができる。このような形状をしているのは、マシンの他の部分に及ぼす影響を極力減らすためである。
レーシングポイントRP19のコクピット

写真:: Giorgio Piola
RP19のコクピット両サイドには、ティアドロップ(涙の雫)型の突起が取り付けられている。これはドライバーのヘルメットをサポートするだけでなく、このエリアで起きるバフェッティング(乱流によって引き起こされる異常振動)や、その他のくうりき的な不整合を軽減することに繋がる。
レッドブルRB15のハロ後方開口部

写真:: Giorgio Piola
空気の希薄なメキシコGPでは、冷却性能は特に重要となる。レッドブルはハロの付け根部分に開口部を設け、冷却性能を確保しようとしている。
レッドブルRB15のリヤ開口部

写真:: Giorgio Piola
リヤも、今シーズン最大とも言えそうなほど大きく開口してきた。またサスペンションのアッパーウイッシュボーンの付近にも、開口部を追加している。
レッドブルRB15のエンジンカウル

写真:: Giorgio Piola
この角度から見ると、リヤサスペンションのアッパーウイッシュボーンの付け根が部分に、どのように開口部が設けられているかがさらによく分かる。またカウル後端にはTウイングを設置。トロロッソはこれを二重にしているが、レッドブルは1枚板のTウイングを選択した。
ウイリアムズFW42の従来型フロントウイングと実験用フロントウイング

写真:: Giorgio Piola
ウイリアムズは、日本GPに引き続きここメキシコでも、2種類のフロントウイングを試すようだ。左側の新しいウイングは、フラップの青く塗られた部分が、従来型より小さい。この青く塗られた部分だけが角度調整可能な箇所であり、つまり新型は調整可能な範囲が小さくなっている。
ウイリアムズFW42の新型フロントウイング

写真:: Giorgio Piola
ウイリアムズFW42の新型フロントウイングを後方から激写。
ウイリアムズFW42のバージボード

写真:: Giorgio Piola
ウイリアムズのバージボードエリア。サイドポッド周辺にはディフレクターやその他のパーツなど、10チーム中随一と言ってもいい複雑さになっている。
レーシングポイントRP19のフロントウイングステー

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
レーシングポイントがベルギーGPに投入したフロントウイングステー。ステー自体は前後に非常に長く、4つのスロットが備わっているのが特徴だ。
レーシングポイントRP19のフロントウイング

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
新しいデザインのノーズには、新たなデザインのフロントウイングも組み合わされた。これは日本GPに初めて持ち込まれたもの。フロントタイヤの後方に生み出される乱流を制御するため、ウイング外側の角度調整可能な部分の面積が増えている。
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この記事について
シリーズ | F1 |
イベント | 第18戦メキシコGP |
サブイベント | Thursday |
執筆者 | Giorgio Piola |