スポンサーにも人気のF1マイアミGP。既存レースの脅威に? マクラーレンCEOはレースのローテーション提案
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、マイアミGPのような壮大で新しいイベントを、モナコGPのような象徴的なレースにとっての脅威とみなすべきではないと語った。
写真:: Steve Etherington / Motorsport Images
F1マイアミGPは、週末を通じて多くの観客を集め、大いに盛り上がった。また、グランプリ開催の週末前後は、マイアミ地域全体でF1を盛り上げるような仕掛けが施され、大いに注目を集めた。しかしマクラーレンのザク・ブラウンCEOは、マイアミGPが注目を集めたとしても、他の伝統的なイベントにもそれぞれ持ち味や存在意義があると語る。
先日初開催されたF1マイアミGPは、アメリカでの人気沸騰に乗じて関係者が大々的な宣伝を実施。多くの関心が寄せられている。しかもアメリカでは、2023年からラスベガスGPも開催される予定になっている。これら新規イベントの誕生によってF1の年間レース開催数は限界に近づいており、既存のグランプリはいくつか、その座を失ってしまう可能性が高い。
スポンサーの関心の高さから、今後もマイアミGPは成功が予測されている。すでに伝統あるモナコGPよりも、企業はマイアミGPに大きな関心を持っている可能性があると指摘する声もある。
マイアミのようなレースは、モナコGPなどのイベントを脅かすと思うかと訊かれると、マクラーレンのブラウンCEOは次のように答えた。
「いや、それらは地域性が異なる。それらはすべて、異なるレースなんだ」
「いつも聞かれるんだ、最高のグランプリはどこかってね。そして、私の答えは『ひとつに絞ることはできない』という感じなんだ。実際、いくつかあるんだけどね」
「マイアミは、みんなのハードルを上げてくれると思う。でもシンガポールも信じられないようなイベントだし、モナコは信じられないようなイベントだ。シルバーストーンもアブダビも信じられないようなイベントなんだ。オーストラリアは今年、チケットが完売した」
「みんな、世界最大のスポーツイベントはスーパーボウル(米NFLの優勝決定戦)だと認識しているかもしれないが、アブダビはもっと多くの観客を集めていた。ワールドカップの決勝が一番(注目度が)大きいのかもしれないが、それは4年に1日だけだ」
F1の上層部は新しいレースの追加と、すでに過密気味なカレンダーの両立を目指しており、いくつかのグランプリが長期的に交互開催される可能性が高まっている。
最近浮上しているひとつの案としては、フランスGPとドイツGPを交互に開催するという案だ。フランスGPは2009年から2017年まで開催されていなかったが、2018年にポール・リカールで復活した。
ドイツGPは、2008年頃からホッケンハイムとニュルブルクリンクで交互開催されていたが、近年は不安定な状態が続いている。ホッケンハイムでドイツGPが開催されたのは2019年が最後。ニュルブルクリンクはコロナの影響で2020年に急きょカレンダー入りし、アイフェルGPを開催したものの、ドイツGPとしての開催は2013年が最後となっている。
ブラウンは、カレンダーの枠を共有するというシナリオが、今後のF1にとって完璧なモノになると考えている。
「南アフリカなどからの要望もあるし、我々が23戦よりも多くグランプリをこなすのは、物流的に不可能なんだ」
「つまりどの時点でそれは多すぎるということになるのか? 誰もが、今の状態がマックスだと感じているだろう。毎年5レースをローテーションしたとしても、23レースのカレンダーは維持できる。重要な経済性を維持できるんだ」
「レースの頻度を増やすのではなく、マーケットを増やすんだ。多くのスポーツが、2年ごとや4年に一度のペースで(世界大会を)開催している。グランプリを4年ごとに開催するのは嫌だろうが、2年ごとならうまくいくと思う」
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