「こんなの見たことも聞いたこともない」アウディのヒュルケンベルグ、ローソンからの“砂かけ”でまさかのリタイア。今季初入賞はお預け
アウディのニコ・ヒュルケンベルグは、「これまで経験したことがない」奇妙な理由によってバルセロナ・カタルニアGPをリタイアした。
F1バルセロナ・カタルニアGPで、29周目に突如トラブルが発生してレースを終えたニコ・ヒュルケンベルグ(アウディ)。リアム・ローソン(レーシングブルズ)とのバトルが、予期せぬリタイアにつながったようだ。
予選でQ3に進出し、9番グリッドから決勝を迎えたヒュルケンベルグはレース中盤、10番手を走行しながら前を走るローソンを追いかけていた。今季初入賞も視野に入っていたが、コースの終盤セクションを走行中に突如パワーを失ったため、そのままピットレーンへと向かっていった。
突然のスローダウンの原因は、ローソンがターン12でタイヤをグラベルに落としたことにあった。ローソンが撒き散らしたグラベルがヒュルケンベルグのマシンに直撃し、そのことでエンジンを緊急停止させる“キルスイッチ”が作動してしまったのだという。
「あのグラベルが何らかの形で緊急停止のトリガーを引いてしまったんだ」とヒュルケンベルグは説明する。
「それでマシンは動かなくなってしまい、スイッチが切れた感じになった。だからそのままピットレーンに入るしかなかった。完全にシャットダウンされていたので何もできなかった」
今季からワークスチームとして参戦しているアウディは、開幕戦でガブリエル・ボルトレトが9位入賞を果たしたものの、以降は予選でしばしば速さを見せる一方で決勝でポイントを獲得することはできていない。信頼性の低さも足を引っ張っているが、今回は完全な不運によってレースを失うことになった。
Nico Hulkenberg, Audi F1 Team, Liam Lawson, Racing Bulls
Photo by: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images
ローソンとのバトル中は10番手を走行していたヒュルケンベルグ。仮にレースを完走していれば、後ろを走るアルピーヌのピエール・ガスリーとフランコ・コラピントに抜かれてしまった可能性があるが、それでもアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)が終盤にトラブルで脱落したことを考えれば、十分入賞のチャンスはあったと言える。それだけに、悔しいリタイアとなった。
ヒュルケンベルグはこう語る。
「正直、こんなことはキャリアの中で見たことも聞いたこともない。本当に不運だし、タイミングも奇妙だった」
「最後までレースを見ていたら、上位陣の2台が脱落した。なんというか……レースの神様はまだ僕たちにポイントを取らせたくないみたいだね」
一方、思わぬ形でヒュルケンベルグをリタイアに追い込む形となってしまったローソンは、今季5度目のポイント獲得と安定したパフォーマンスを見せている。彼はレース後のインタビューでヒュルケンベルグの一件を知らされ、驚いていた。
「本当に? まさか、そんな不運なことがあるなんて。もちろん全然知らなかったし、そんなこと狙ってできるわけ……」
「とにかく何も知らなかった。彼がリタイアしたのは分かっていたけどね」
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