アルピーヌ離脱決まったオコン、チームのコミュニケーション不足を明かす「技術的なフィードバックが一切なかった」

エステバン・オコンは、アルピーヌでのコミュニケーション不足を嘆き、来季の移籍先であるハースでは改善を目指すと話した。

Esteban Ocon, Alpine F1 Team, on the grid

Esteban Ocon, Alpine F1 Team, on the grid

写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images

 来季ハースF1チームに移籍するエステバン・オコンは、アルピーヌではコミュニケーションが不足していたと明かし、ハースでは「どんな細かいことも見逃さないよう」全力を尽くすと話した。

 オコンは過去4シーズン半にわたり、ルノー/アルピーヌに在籍。その間、2021年のハンガリーGPで優勝、昨年のモナコGPでは3位表彰台を獲得した。だがチーム自体のパフォーマンスは停滞。そして今季は大きく悪化した。

 2022年のコンストラクターズランキング4位となったアルピーヌは、今シーズン前半わずか11ポイント獲得に留まり、ランキング8番手に沈んでいる。これはルノーがコンストラクターとしてF1に復帰した2016年以降で最悪の成績となっている。

 そんな中、オコンは今年6月に早くもアルピーヌと決別することが明らかとなったが、これはチームメイトのピエール・ガスリーとモナコGPで接触したことが原因とされている。

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 一方でオコンがチームに在籍していた間、チームの体制は特に不安定であり、4人のチーム代表と5人のテクニカルチーフを含む12人の上級スタッフが離脱した。

 オコンはチーム内のコミュニケーション不足に特に悩まされていたと明かし、それがアルピーヌ失速の主な原因だと考えている。

 motorsport.comの独占インタビューで、アルピーヌを去ることに後悔はないかと問われ、オコンは次のように答えた。

「いいや。僕はこのチームにすべてを捧げていたからね」

「後悔の念に駆られるとしたら、それは僕だけじゃなくてダニエル(リカルド)、フェルナンド(アロンソ)、ピエール(ガスリー)もだろう。このチーム出身のドライバーはみんな、チームにフィードバックしていたんだ」

「通常は、”循環”があるものなんだ。ドライバーからチームに情報を伝えて、チームからは『そうだね、君たちの言うとおりだ。それに対処する必要があるね』とか、『いや、これこれこうだからできないよ』という技術的なモノ(フィードバック)がある。そういうことが(アルピーヌでは)一切なかったんだ」

「次の年には、話していた問題のいくつかが修正されておらず、逆の方向に進んでいることが分かるんだ」

「僕はできる限りこのチームを導こうとしていたが、いつも僕たちの意見に耳を傾けてもらえなかった。だから5年経ってもまだいくつか問題が残っているんだ」

「チームの技術陣には新しい人たちがいる。僕は彼らにベストを尽くしてほしいし、言うまでもなくこのチームが成功することを願っている」

「でもその”循環”が最初から鍵なんだ。将来に向けて十分な一歩を踏むためには、それが必要なんだ」

 こうしたネガティブな経験は、ルーキーのオリバー・ベアマンとコンビを組むハースでの新たな挑戦に挑むオコンにとって、貴重なものとなるだろう。

 ルーキーと組むことを考慮し、ハースでチームリーダーを引き受けるかどうか尋ねられたオコンは、次のように答えた。

「”チームリーダー”という言い方が正しいかどうかはわからないが、僕はどんな細部も見逃さず、改善するために重要だと思うことをすべて共有するためにコミットメント、努力、献身を惜しまないつもりだ」

「物事を改善させるには時間がかかるし、物事を生み出すには時間がかかるけど、1年も待つ必要はない」

「僕は今、その循環が鍵であることを学んだ。それを(ハースで)やらなくてはいけない。僕が何かを発言したら、それについて(フィードバックを)もらい、説明を受けるようにする。そうすれば、議論を始めることができるんだ」

Additional reporting by Oleg Karpov

 

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