直近4戦3勝で絶好調のメルセデス、むしろ序盤の不調が予想外だった?「良いマシンができたと思っていたんだ……」

メルセデスは、今季のF1マシンであるW15が常に速いだろうと信じていたが、蓋を開けてみるとポテンシャルを発揮できなかったことに驚いたという。

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15

Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images

 サマーブレイク前の直近4レースで3勝を記録するなど、優勝争いの主役となっている感があるメルセデス。オーストリアGPでジョージ・ラッセルが勝利したのを皮切りに、イギリスGPとベルギーGPではルイス・ハミルトンが優勝した。

 メルセデスの成功は、モナコGPの付近に行なわれた一連のアップグレードが一因となっている。それによってマシンバランスをチームが追い求めていたレベルまで向上させることができたのだ。

 メルセデスのトラックサイド・エンジニアリング・ディレクターであるアンドリュー・ショブリンは、チームが一歩前進した鍵は、マシンのポテンシャルを引き出す方法を徐々に理解していったことであり、劇的に何かを変えるきっかけがあったわけではなかったと語った。

「ブレイクスルーと言うほどのことはなかった」

「我々は常に、このマシンは調子が良ければ速く走れるだろうと思っていた」

「ただ週末を通してその調子を維持することは、今季序盤の我々にとってはちょっとした挑戦だった。今はもっと使いやすくなっている」

「何か特定の分野の開発ではない。一連の問題を解決するために、我々は色々なことにトライしたんだ」

「先ほども言ったように、我々最初から速くなかったということに驚いた。良いマシンができたと思っていたし、実際マシンの性能的には良いものであった。ただいくつか乗り越えないといけない問題があったのだ。今、そのハードワークの成果を目の当たりにしている」

 またショブリンは、メルセデスがマシンを速くするために何が必要かを正しく理解した瞬間から、マシンの進歩が加速していったと語る。

「これは組織がどれだけ上手く機能しているかを示すものだ」

「F1における成功の多くは学びに関係している。そしてその学びは、アイデアにかかっている」

「現時点では、今年の学習速度は非常に速く、アイデアの創出もうまくいっている。最終的に、新しいパーツや新しい開発は全てそこから生まれるんだ」

 メルセデスは風洞実験などでのシミュレーションと、現実の世界で記録されるデータの相関関係に関しても、より良いものが得られているようだ。

「より良いモデルを使えば使うほど、オフラインでより良い開発ができる」とショブリンは補足した。

「我々は多くの異なるモデルを持っており、相関関係は決して完璧ではない。しかし、その分野においては確実に進歩が見られている」

「無限に風洞実験やテストを行なえない今の時代において、クルマがどう動くかをモデル化する能力は、開発における最良の方法のひとつだ」

 

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