F1改革に必要なモノ……それはMotoGPの“優遇措置”ルール?

シェア
コメント
F1改革に必要なモノ……それはMotoGPの“優遇措置”ルール?
執筆:
2019/06/10 9:25

F1はレース改革のため、MotoGPの優遇措置のようなアイデアを用いることに積極的であるべきだと、ドライバーとチームが語った。

 現在のF1はトップ3チームが極端にゲームを支配している。しかしそういった状況に対して、より抜本的な改革を試みることで、レースを面白くすることが求められている。

 4輪の最高峰レースたるF1に対して、モーターサイクルにおける最高峰レースであるMotoGPでは、低迷するマニュファクチャラーにコンセッション(優遇措置)を適用することで、有力なマニュファクチャラーがシリーズを支配するという問題をうまく回避してきた。

 現在のMotoGPは毎レースが接戦となっており、各コーナーでホンダ、ドゥカティ、スズキ、ヤマハといったメーカーのワークスライダーから、サテライトチームのライダーも入り混じっての、エキサイティングなオーバーテイクが繰り広げられている。

 このMotoGPで現在運用されているコンセッションとは、通常は凍結されているシーズン中のエンジン開発の許可や、使用可能なエンジン基数の増加、テスト実施の自由といった優遇措置を指す。

 コンセッションの適用対象となるのは、2013年以降にMotoGPへ参入したメーカーと、2013年以降にドライコンディションで1勝も挙げていないメーカーだ。また、シーズン中にコンセッションポイント(優勝3ポイント、2位2ポイント、3位1ポイント)が6ポイントに達すると、コンセッションの適用が停止される仕組みだ。逆にコンセッションポイントの獲得がゼロだった場合は翌シーズンからコンセッションが再び適用となる。

 MotoGPにおけるコンセッションの仕組みの成功は、過去2年間にスズキの成し遂げた急速な進歩に見て取れる(スズキはコンセッションが適用されていたメーカーのひとつ)。そして、そうした事実がF1でもコンセッションといったアイデアを考慮すべきだという考えをもたらしている。

 マクラーレンのカルロス・サインツJr.はMotoGPとの関係が近いドライバーだが、彼はMotoGPのプロモーターであるドルナがそういったルールの導入に積極的だったことで、MotoGPは利益を得ていると考えている。

「僕はカルメロ(エスペレータ/ドルナCEO)のことをとても良く知っている」

「彼がしてきたことについて何度も話してきた。ECUや他の様々なルールを整理し始めたときに、他のマニュファクチャラーがどう反応したのかなんかもね」

 motorsport.comにF1でコンセッションルールを適用することについて訊かれたサインツJr.はそう答えた。

「主なフィードバックとして、初めは(MotoGPの)トップチームは懐疑的だったらしいけど、僕は今は彼らがそれまでよりも幸せだと思う。彼らは今でも勝利しているからだ。ただ、それだけでなく、彼らはより多くのライバルと戦って勝っているんだ」

「他のブランドと争うことは、マニュファクチャラーとブランドを更に強くするはずだ。これはひとつの良い例だし、僕が将来のF1で見たいものでもある」

 また、レーシングポイントのチーム代表を務めるオトマー・サフナウアーは、F1でコンセッションルールを使用する見込みについて次のように語った。

「よくできた考えだと思う」

「個人的に好きではないものは“成功バラスト”のようなモノだ。私はそれが好きじゃない。それ(コンセッション)は似たようなコンセプトだが、より賢明な方法だ。悪いものじゃない。検討されるべきだろう」

 さらに、レーシングポイントのテクニカルディレクターであるアンディ・グリーンは、F1が将来レースを本当に盛り上げたいと思っているとしたら、テクニカルレギュレーション以上の“何か”が必要なのは明白だと語った。

 そして、トップ3チームが表彰台を独占する状況を阻止するために、コンセッションのような考えを使用することについて尋ねられると、グリーンは次のように答えた。

「スポーティングレギュレーションは見直される必要があると思う。それから、今説明していた問題は、単にテクニカルレギュレーションで解決できるものだとは思っていない」

「マシンを作るためには、お互いに接近する能力が必要だ。そうでなければ結局は行列になるだけだ」

「正直な所、私はレースそのものや結果の多様性をもたらすためにはスポーティングレギュレーションの見直しが必要だと考えている。そういった考えは見直す必要があるんだ」

 F1は視野を広く持って、こうしたルールを十分に検討するべきかとサインツJr.に訊くと、彼はこう話した。

「F1とMotoGPは別のモノだとは思うけれど、僕は将来的には”メルセデス”(マシン)に依存するのではなく、よりドライバーの力に依存する方向に進んでいければと願っている」

次の記事
フェラーリ、ベッテルへのペナルティについて控訴を検討

前の記事

フェラーリ、ベッテルへのペナルティについて控訴を検討

次の記事

ベッテルへのペナルティに、ドライバーたちはどう反応したか?

ベッテルへのペナルティに、ドライバーたちはどう反応したか?
コメントを読み込む

この記事について

シリーズ F1
執筆者 Jonathan Noble
まずは最新ニュースを読む