未来のF1チャンピオンは俺だッ! 注目の若手海外ドライバー10選
FIA F3、フォーミュラルノー・ユーロカップ、各国F4などのいわゆる“ジュニアフォーミュラ”では、将来有望な若手ドライバーたちが凌ぎを削っている。今回は、世界の頂点を目指す日本人ドライバーたちのライバルになるであろう海外のスター候補生を10人紹介する。
写真:: Joe Portlock / Motorsport Images
2019年には、日本勢から角田裕穀と名取鉄平がFIA F3に参戦。また全日本F3ではサッシャ・フェネストラズが来日初年度でチャンピオンを獲得した。彼らはF1にたどり着くため、それぞれの道でさらなるステップアップを目指しているが、ヨーロッパには日本での知名度こそ高くないものの、F1への階段を順調に駆け上がっている未来のスター候補生がひしめいている。今回はその中から特に注目度の高い10名を紹介する。
1:デニス・ハウガー(ノルウェー/16歳)
2019年戦績:イタリアF4チャンピオン、ドイツF4ランキング2位
Dennis Hauger, Van Amersfoort Racing
Photo by: Van Amersfoort Racing
ハウガーはフォーミュラレースデビュー2年目の2019年にイタリアF4を圧倒的な成績で制し、ADAC F4(ドイツF4)ではテオ・ポシェール(後述)と激戦を繰り広げた末に敗れランキング2位となった。ただ、どちらのシリーズも後半戦に一気に成績を伸ばしている。そして彼はレッドブル育成ドライバーであり、同じくレッドブル育成の角田裕毅のF1昇格に向けた直接的なライバルになっていく可能性もある。
2:テオ・ポシェール(フランス/16歳)
2019年戦績:ドイツF4チャンピオン
Theo Pourchaire, Carlin Buzz Racing
Photo by: Joe Portlock / Motorsport Images
ポシェールは弱冠16歳ながら、カート時代も含めて過去7年間で6つのタイトルを獲得しているという華々しいキャリアの持ち主。2019年はドイツF4で前述のハウガーとの激闘を制し、7ポイント差でチャンピオンに輝いた。10月に行なわれたFIA F3のポストシーズンテストにはARTグランプリから参加した。
3:フレデリック・ヴェスティ(デンマーク/17歳)
2019年戦績:フォーミュラ・リージョナル欧州選手権チャンピオン
Frederik Vesti, Prema Powerteam
Photo by: acisportitalia.it
ヴェスティは2019年からスタートしたF3規格のカテゴリー、フォーミュラ・リージョナル欧州選手権でプレマのマシンを駆り、24レース中13勝、20度の表彰台という圧倒的な成績でチャンピオンを獲得した。ただ懸念事項を挙げるとするならば、このカテゴリーには常時10数台のエントリーしかなかったということだ。彼は2020年、プレマからFIA F3で戦うことが有力視されており、彼の真の実力を測る“テスト”となるだろう。
4:ユアン・ダルバラ(インド/21歳)
2019年戦績:FIA F3ランキング2位
Jehan Daruvala, PREMA Racing
Photo by: Joe Portlock / Motorsport Images
2017年から2年間ユーロF3を戦ったダルバラは、2019年にプレマの一員としてFIA F3に参戦した。前半の8レースでは2勝を挙げ5度の表彰台を獲得したが、後半にやや失速。チームメイトのふたり(ロバート・シュバルツマン、マーカス・アームストロング)に敗れてしまった。彼は12月に行なわれたFIA F2のポストシーズンテストにも参加しておらず、ステップアップ争いからは一歩後退している。
5:クリスチャン・ルンガー(デンマーク/18歳)
2019年戦績:FIA F3ランキング6位
Pole sitter Christian Lundgaard, ART Grand Prix
Photo by: Joe Portlock / Motorsport Images
ルンガーはフォーミュラ・ルノー ・ユーロカップからステップアップし、2019年にARTグランプリからFIA F3に参戦した。前年までのGP3ではARTが“無双”状態だったことから、タイトルの最有力候補と見られていたが、蓋を開けるとプレマ1強のシーズンに。しかし彼はレース1で2度トップチェッカーを受けるなど(1度はペナルティにより2位に降格)、一矢報いる活躍を見せた。ランキングこそ6位に終わったが、2020年はF2にステップアップしてARTのマシンをドライブすることが有力だ。
6:オスカー・ピアストリ(オーストラリア/18歳)
2019年戦績:フォーミュラ・ルノー・ユーロカップチャンピオン
Oscar Piastri, Arden
Photo by: DPPI
フォーミュラ・ルノー・ユーロカップは前身のユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0時代から多くのF1ドライバーを輩出してきた。近年ではランド・ノリス、ピエール・ガスリーが歴代チャンピオンに名を連ねていることからも、彼の未来は明るいと言えるだろう。またピアストリは、どのジュニアプログラムにも属していないドライバーの中で最も有望な逸材であると評価されている。
7:ヴィルトル・マルティン(フランス/18歳)
2019年戦績:フォーミュラ・ルノー・ユーロカップランキング2位
Victor Martins, MP Motorsport
Photo by: DPPI
2017年からフォーミュラカーレースに本格デビューしたマルティンは、未だタイトルに縁がない。2017年のフランスF4では4ポイント差、2019年のフォーミュラルノー・ユーロカップでは7.5ポイント差でランキング2位に終わった。ただ彼は2019年に成熟した走りを披露。チャンピオンを獲得したピアストリよりも多くの表彰台を獲得し、特に終盤戦は圧巻の6連続ポールポジションで速さをアピールした。
8:マーカス・アームストロング(ニュージーランド/19歳)
2019年戦績:FIA F3ランキング2位
Marcus Armstrong, PREMA Racing
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
フェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)の一員であるアームストロングは、プレマからFIA F3に参戦。シーズン前半は遅れをとったが、後半戦には3勝を挙げてランキング2位に入った。同じフェラーリ育成であるシュバルツマンに大差をつけられタイトルを奪われたが、2020年はアームストロングがART、シュバルツマンがプレマからFIA F2にステップアップ。F1昇格に向けた“同門対決”の第2章が始まることとなる。
9:ユーリ・ヴィップス(エストニア/19歳)
2019年戦績:FIA F3ランキング4位、マカオGP2位、スーパーフォーミュラ参戦
Race winner Juri Vips, Hitech Grand Prix, gives the thumbs up
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
現在のレッドブル育成ドライバーの中で、最もF1に近いドライバーと言っても過言ではないのがヴィップスだ。彼は“プレマ1強”となった2019年シーズンのFIA F3において、レース1で2勝を挙げる活躍でランキング4位に食い込んだ。これはプレマ勢を除いた最上位だ。さらにヴィップスはTEAM MUGENからスーパーフォーミュラ最終戦にもスポット参戦。入賞こそ逃したが、そのポテンシャルを中野信治監督は高く評価していた。2020年の動向が気になるひとりだ。
10:ロバート・シュバルツマン(ロシア/20歳)
2019年戦績:FIA F3チャンピオン
Champion Robert Shwartzman, PREMA Racing, celebrates on the podium with team boss Rene Rosin
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
マックス・フェルスタッペン、シャルル・ルクレール、ランド・ノリスといった若手ドライバーが次々とF1デビューを果たす中、“黄金世代”のひとりであるシュバルツマンも順調にその階段を上ってきている。フェラーリ、そしてSMPの支援を受けるシュバルツマンは、2019年のFIA F3で16レース中10回の表彰台を獲得する抜群の安定感でチャンピオンに輝いた。2020年はFIA F2にステップアップ。プレマで同じくフェラーリ育成のミック・シューマッハーとコンビを組むこととなる。
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