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F1仕事の流儀:テレビカメラマン編「パドックを駆け回り、効率的な取材目指す」

F1サーカスに関わる人間の中で、テレビに映る者はごくわずかだ。今回密着する人は、間違いなくテレビには映らない……なぜなら自分自身が撮影する立場だからだ。オランダのスポーツチャンネル『Ziggo Sport』のカメラマン、マティス・ノッテンに話を聞いた。

Mathijs Notten

写真:: Sutton Images

■私の仕事

 私は『Ziggo Sport』のカメラマンだ。私が半分のレースを担当し、同僚のウーター・コイストラがもう半分を担当している。大抵は交互にやっている。

 オランダのテレビ視聴者が自宅で見ることのできるFOM管轄の公式映像は、我々からの映像のみである。我々はドライバーのインタビューや、レース前に見られる映像などを撮影している。

 主にパドックとピットレーンで撮影している。日曜はグリッドに行くことも許可されているが、それを撮影するのはとても楽しい。そこにいる誰もが週末の総仕上げのために働いているからだ。

 私はマックス・フェルスタッペンがグリッドにやってきてマシンを離れるところを撮影している。そしてレースが始まる前に短いインタビューを行なう。それは非常にエキサイティングな瞬間でもある。

 ここ数年、我々はオランダのスタジオと中継を繋いでいる。そして我々はグリッド上で数分間ライブ中継を行なう。

Max Verstappen, Red Bull Racing en Daniel Ricciardo, Red Bull Racing
Max Verstappen and Daniel Ricciardo talking to the TV crews.

Photo by: Sutton Motorsport Images

 グリッド上では非常に忙しくなることがある。マシンが移動していて、メカニックや多くのテレビクルーでごった返している。だから我々のレポーターであるジャック・プルーイから目を離してはならない。

■レースウィークエンドのスケジュール

 木曜日はドライバーに比較的時間があるので、長いインタビューをするならこの日に行なう。それはつまり単独インタビューができるということであり、我々だけで5〜6分話すことができる。木曜には公式記者会見があり、我々はそこで撮影を許可されている。

 フリー走行のある金曜日では、必要に応じて追加の映像を収集する。例えばダニエル・リカルドのインタビューを収録済みの場合、それを放送する時に視聴者は彼が座って話している映像ばかり見たくはないだろう。また、彼がパドックを歩いたり、人と雑談をしたり、ファンと自撮りをしている姿も見たいはずだ。

 毎朝ミーティングをして、その日に撮影する必要がある映像について話し合う。ある種の“ほしいものリスト”のようなものを作るんだ。例えばニュースコーナーで使う新しいフロントウイングやステアリングホイールなどだ。このようなものをカメラに収めるために、1日中注意を払う必要がある。

 土曜日のFP3は、必要なものを撮るための最後のチャンスだ。予選とレース中はピットレーンに入ることを許可されていないからだ。

 予選中はミックスゾーンで待機していて、そこにやってきた(Q1、Q2の)脱落ドライバーから話を聞いたりする。この映像はオランダにライブで届けられる。昔はそれらが全てディスクに記録されていたので、全てをスタジオに送るのはとても大変だった。でも今はカメラに送信機がついているのでかなり楽になったよ!

 日曜は言うまでもなくレース日だ。レースが15時10分開始の場合、我々は8時〜9時ごろにサーキットに到着する。レース開始の1時間前にはオランダの番組がスタートするので、コースからライブ中継する場面もいくつかある。

Max Verstappen, Red Bull Racing
Max Verstappen in the media pen talking to Ziggo Sport.

Photo by: Sutton Motorsport Images

 その際にはちょっとした小競り合いになることもあるが、(各局の)テレビクルーが常にそこにいて、互いにスペースを与え合っている。だからルイス・ハミルトンがメディアのいるミックスゾーンに来た時は、まずイギリスの放送局のところへ行くし、セバスチャン・ベッテルならまずドイツのメディアと話す。こういった流れが普通だ。マックス・フェルスタッペンはまず我々のところに来てくれて、それから彼の広報担当が残りのメディアの方へ連れて行く。

 グランプリウィークエンドでは待ち時間が発生することも多々あるが、非常に短い時間で色んなことが起こるピークタイムも発生する。例えばFP2の後は全てのチームが記者会見を行なうが、これは各チーム順番にやってくれる訳ではなく大なり小なり時間が被っているので、走り回らないといけない。その時に目当てのチームの前で待ち続けるのか、次の目当てのチームに移動するのかを決める必要がある。

■私の仕事で最も重要なこと

 映像が鮮明で、音がクリアで、全体的な画が綺麗に見えること。そして他のクルーともうまく働いていくことも重要だ。朝は一緒に朝食をとり、一日中サーキットを回り、夜には夕食をとるんだ。つまり一日中一緒にいるので、その間も共に楽しんでいることが重要だ。

■これなしでは仕事ができない3つのツール

 カメラセット、無線、ノートPCだ。もちろん何を撮影するにもカメラが必要だ。そして無線ではお互いにコミュニケーションをとっている。「今マクラーレンにいるから、ここまで来てくれる?」とか「マックスのところにいかなきゃいけない。あれやっておいてくれない?」といったようなことを話す。ノートPCは編集作業で必要だ。

Mathijs Notten
Cameraman Mathijs Notten films pit reporter Jack Plooij and commentator Olav Mol.

Photo by: Sutton Motorsport Images

■最もよく接する人

 我々のコメンテーターとレポーターだろうね。ただこの仕事をしていて面白いのは、何年もここで仕事をしている他のテレビクルーとも知り合えることだ。例えばハンガリーやフィンランドのクルーとは良い関係を築いている。ドイツの放送局にはオランダ人の技術スタッフもいて、一緒にコーヒーを飲む間柄だ。まるで家族のようだ。

■サーキットにいない時

 私はオランダの様々なテレビ番組でカメラマンをしている。私はカメラマンをテレビ局に派遣する会社の人間なので、仕事内容は多岐に渡る。ある日はドッキリ番組を撮影し、次の日は裁判所の前でニュースの撮影をする。その次の日は空港でパンダの到着を撮影したりね! スタジオで仕事をすることもあるが、90%はロケ地での仕事だ。

■もし私がいなければ……

 別に僕である必要はないかもしれないが、カメラマンがいなければオランダのF1番組に独自の映像がなくなってしまう。もちろんFOMから提供される公式の国際映像があるが、私や同僚のウーターがいなければ、オランダの視聴者はフェルスタッペンのオランダ語でのインタビューを見られない。他のドライバーやチーム代表のロングインタビューも同様だ。

■私にとってF1とは

 とても楽しい仕事だ。実は私がこの仕事を始めたのは、同僚の突然の退職によるもので、ぞれまでは正直F1に特に興味はなかった。だから最初の1年はかなり厳しい状況で、少しの時間で多くのことを学ぶ必要があった。このレースの仕組みを学び、ドライバーの顔と名前を覚えなければいけなかった。でもこの仕事をすることで、私はこのスポーツの大ファンになった。

 そして何より素晴らしいのは、上位を争うオランダ人ドライバーがいることだ。以前にもオランダ人F1ドライバーはいたが、中団や下位を走ることが多かった。でも今は優勝、そしてチャンピオンを狙えるドライバーがいる。これを間近で見られるのは非常に特別なことだ。

 

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