F1

新規参入メーカーが、簡単に勝てるF1であってはならない……メルセデス代表「成功には時間が必要だ」

メルセデスF1チームの代表であるトト・ウルフは、話し合いが続いている次世代パワーユニットについて、新規参入メーカーにF1での成功を保証するための”フリーパス”を与えるべきではないと語る。

Jonathan Noble

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編集: 2021/11/04 5:10

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Toto Wolff, Team Principal and CEO, Mercedes AMG

 F1首脳陣とチーム、パワーユニット(PU)メーカー、そしてFIAは、2025年もしくは2026年から導入される次世代PUの規格について、議論を進めている。

 この次世代PUは、現在同様ターボハイブリッドであることは維持されるものと見られるが、複雑で開発には多額の予算を必要とするMGU-H(熱エネルギー回生システム)は、新規参入の妨げになることを防ぐべく、放棄される可能性が高いと言われている。

 フォルクスワーゲン・グループは、現在F1参入に向けてもっとも前向きになっている企業のひとつである。しかし実際に参入する際には、既存のメーカーと新規メーカーの間に存在する”溝”を埋めなければならない。

 motorsport.comでも既に報じたように、フォルクスワーゲン・グループの傘下であるポルシェは、新規格は新規参入に向けた要素は「実現」していると評価している。しかし、これまでF1を戦ってきたメーカーは、ターボハイブリッドの豊富な経験があるため、そこにはどうしても大きな格差が存在する。

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 これを打破するために、予算や開発制限が課さないことによって新規参入メーカーを後押しするという案もあるが、全体的な支持を得られていない。またその際には、来季はホンダのPUを引き継いで使うレッドブル・パワートレインズを新規メーカーとするのか、あるいは既存メーカーとするのかという点についても、見解の相違がある。

 メルセデスをはじめとした既存メーカーは、新規参入メーカーを受け入れるにあたって、様々な部分で譲歩する用意はあるという。

 しかしメルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、新規参入メーカーのパフォーマンスが著しく低いモノにならないようにするため、ある程度の助けがもたらされるべきであるということについては賛同するものの、F1での成功は、苦労せずして手にできるモノではないとも断言する。

「このスポーツに参加することに関心を示している力強いメーカーがいることは、素晴らしいことだと思う」

 そうウルフ代表は語る。

「しかし明らかにこれらの大手自動車企業は、非常に競争力のない状況で参入するということを望んでいない。そのため、この非常に大きなリスクを軽減するためのシステムを導入する必要があると思う」

「しかしその一方で、F1はチャンピオンズ・リーグのようなモノである。チャンピオンズ・リーズに初めて参加し誰もが、いきなり決勝に進んで大きなトロフィーを持ち帰ることができるなどと期待することなんてできない」

「我々はここで長いこと戦ってきた。今のポジションを確保するためにたくさんの資金を使い、血と汗を流してきた。酷い結果になったこともあった」

「メルセデスの、ワークスチームとしての最初の3年間の成績を見てほしい。ホンダだって、F1復帰から数年は大いに苦しんだ。ルノーだってそうだ。レースやチャンピオンシップを勝つために、我々全員が自分たちの道を戦い抜いてこなければならなかった。だから新しいPUメーカーを受け入れる際には、微妙なバランスを正しく調整する必要がある」

 ウルフ体表曰く、F1を去っていったメーカーが犯した過ちは、プロジェクトを成功させるのに十分な時間を与えなかったことだと信じている。

「ここにやってきて、すぐに征服することなんてできないということを、誰もが認識していると思う。成功するためには、時間を与える必要があるんだ」

 そうウルフ代表は語る。

「これは、過去の多くのOEMが誤解していたことだ」

「トヨタやホンダ、BMWなどの過去の経験を考えれば、いくら資金やリソースを割いたとしても、プロジェクトに十分な時間をかけなけば、成功することはできない」

「チームとして、またはPUメーカーとしてF1に参加する全ての人が、このことを理解する必要があると思う。とにかく、時間が必要なんだ。そして勝つことは簡単ではないということが、このスポーツをとても魅力的なモノにしてくれる」

 

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