F1 カタールGP

ピレリ、F1タイヤサプライヤー契約を2028年まで延長へ。来週にも正式発表の見込み。ブリヂストンのF1復帰は叶わず

ピレリは、F1のタイヤサプライヤー契約を延長することに成功したようだ。来週にも、2028年までの契約更新が発表されるものとみられる。

Max Verstappen, Red Bull Racing, receives his Pirelli Pole Position Award from Mario Isola, Racing Manager, Pirelli Motorsport

 現在F1のタイヤサプライヤーを務めるピレリが、2025年以降も引き続きF1へのタイヤ供給を続けることになったようだ。契約はすでに世界モータースポーツ評議会で承認され、来週にも発表される見込みであることが分かった。

 F1タイヤの次期サプライヤー契約については、ピレリには大きなライバルがいた。それが2010年を最後にF1から撤退していたブリヂストンである。ブリヂストンはF1復帰を目指して入札に参加。ピレリと共に、FIAによって技術的能力は承認され、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)との商業権に関する交渉が行なわれていた。この交渉にはコースサイドの看板やグランプリのタイトルスポンサー契約なども含まれていたとされる。

 次期サプライヤーの期間は2025年から2027年とされており、2028年についてはオプション契約となっていた。また併催のFIA F2とFIA F3に対するタイヤ供給や、実質的な持続可能性の要素も選考基準だった。

 商業権については、ブリヂストンは巨額のオファーをしたと知られており、一時はピレリからF1タイヤサプライヤー契約を奪うのは確定的だとも言われた。しかしピレリは、最終的にF1側を説得することに成功したようだ。

 ブリヂストンにとっては問題もあった。それは、まずは既存のレギュレーション下のマシンが履く2025年用タイヤを用意し、その後で完全に新しいレギュレーションとなる2026年以降に向け、まったく新しいタイヤを作らなければならないということだった。

 またFIAは、タイヤウォーマーを禁止したいと考えており、その状況に適したタイヤを開発することも必要だった。

 この技術的な課題は、チーム間の有利不利を生み出さないよう、開発初期のテストプログラムがどのように行なわれるかということの疑問符と共に、ピレリに有利に働くようになった。

 なおピレリとしては、この新契約をもってF1から撤退することになるようだ。同社は2011年からF1タイヤサプライヤーを務めてきたが、ブランドを構築するという点でこれ以上F1を活かすことはできないと考えていると見られる。

 つまりF1としては、2029年以降は新たなパートナーを探さなければならないということを意味する。

 
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