10年前の因縁の場所で、ロズベルグがハミルトンに勝利者インタビュー。互いの距離も少しは縮まっている?
ルイス・ハミルトンがフェラーリ移籍後初優勝を遂げたバルセロナ・カタルニアGPでは、メルセデス時代の10年前にこのサーキットで共に同士討ちを演じたニコ・ロズベルグがインタビュアーを務め、話題となった。
ルイス・ハミルトンがフェラーリで感動的な復活勝利を遂げたF1バルセロナ・カタルニアGP。トップチェッカーを受けたハミルトンをパルクフェルメで待ち受けていたインタビュアーは何の因果か、バルセロナで彼と因縁のある“あの男”だった。
“あの男”とはニコ・ロズベルグ。ハミルトンの幼少期からの親友にして、F1タイトルを激しく争った憎きライバルでもある。彼らはメルセデス時代の2016年、バルセロナ・カタルニア・サーキットで開催されたスペインGPでスタート直後に接触。あまりにも有名な同士討ちのシーンであり、既に深まっていた彼らの確執を象徴するような出来事でもあった。
写真: Zak Mauger / Motorsport Images
あれから10年が経った。2016年の死闘を制してF1ワールドチャンピオンとなり、同年限りで電撃引退したロズベルグは、パルクフェルメインタビューのプレゼンターとして、フェラーリ移籍後初、F1通算106勝目を挙げたハミルトンと相対したのであった。
メルセデス時代に崩壊したふたりの関係は、親友であった若かりし頃と同じではないにしても、少しばかり回復しているとされる。ロズベルグは昨年、自身が解説を務めるSky Sports F1の中継の中で、ハミルトンとは同じ建物に住んでいることから、たまに会話をすることもあるのだと明かし、「今は互いに敬意のあるとても良い関係だと思う」と話していた。
そんなふたりは決勝スタート前のグリッドでも“接近”する場面があった。ロズベルグはSky Sportsの中継でグリッドウォークをしている際、スタート前セレモニーの整列に向かうハミルトンが向かってきたため「ちょっと運試しをしてみよう」と言い、「ルイス、ひとつ質問があるんだけど」と声をかけた。ハミルトンはその歩みを止めることはなかったが、体ごとロズベルグの方を振り返り、数秒見つめてから前を向き直し、列に並んだ。
ロズベルグはてっきり無視されるかと思っていたのか、「無理だとは思ってたけど、けっこう丁寧な対応をしてくれたね!」と笑顔を見せ、サングラスをかけていたハミルトンが「僕に『ごめんね』のウインクをしてくれたんだ! 申し訳ないという気持ちを伝えようとしてくれたから、クールだったね」と話した。
そして決勝後にロズベルグは、ハミルトンの勝利を心から喜んでいると語った。
写真: Sutton Images
「彼のことを心から喜べるよ。実際にお祝いの言葉も伝えたしね。彼を祝福できて嬉しかった」
「フェラーリで最初の頃に彼が苦しんでいたのは、本当に気の毒だったし、見ていてつらかった。でも今は完全に波に乗っていて、速くて、自信に満ちていて、楽しんでいる。それが本当に素晴らしい。この勝利は歴史的だし、見事なものだ。彼にとっても、F1とっても最高の日だね」
「彼は今、いわば好循環に入っている。良い結果が出るとモチベーションも上がるし、気分も良くなってさらに努力するようになる。このことはチームと一緒に、彼をさらに高いレベルへ押し上げていくはずだ。今の彼らには信じられないほどの勢いがある」
ちなみに、10年前のバルセロナでハミルトンとロズベルグがクラッシュした際、メルセデスの契約によってふたりで修理費用を50:50で負担しなければいけなかった。同じくSky Sportsの番組内でロズベルグは、メルセデスのトト・ウルフ代表に「今もそういった契約はあるのか」と尋ねたところ、ウルフ代表は「ノー」と回答。ロズベルグは「君も甘っちょろくなっちゃったね!」と“元上司”に軽口を叩いていた。
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