F1 ロシアGP

F1初優勝まであと一歩だった……ランド・ノリス、”ステイアウト”の判断を悔やむ「でも、その判断以外は”満足”」

マクラーレンのランド・ノリスは、レース後半にチームからピットに呼び戻されたにも関わらず、それに反対してインターミディエイトタイヤを交換するタイミングを逸したのは、自分の責任だと語った。

Lando Norris, McLaren, comiserates with himself after the race

 F1ロシアGPの決勝で、レースの大半をリードしていたにも関わらず、終盤に降った雨への対応を誤り勝利を逃したマクラーレンのランド・ノリス。そのノリスはピットに入らない決断をしたのは自分自身であるものの、F1初勝利を逃したのには大いに失望していると語った。

 ポールポジションのノリスは、蹴り出しこそ良かったものの、2番グリッドからスタートしたカルロス・サインツJr.(フェラーリ)にターン2までで先行されてしまう。その後なかなか抜き返せなかったものの、13周目にオーバーテイクを完了。その後はレースを支配してみせた。

 レース終盤にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が接近してきたものの、ノリスもそれに応えるようにペースを上げ、簡単には首位の座を譲らず、そのままトップでチェッカーまで駆け抜ける可能性が高いようにも見えた。

 しかしレース最終盤、天が悪戯をする。雨が降り始めたのだ。下位のマシンを中心に、インターミディエイトタイヤに交換することを選択。残り周回数が少ないこともあり、当初はギャンブルのようにも思われたが、一気に雨脚が強まったことで、インターミディエイト向きのコンディションへと移り変わっていった。

 ハミルトンとノリスも、ピットと無線で頻繁に交信し、入るべきか、入らないべきか議論した。その結果、ハミルトンは49周を走り切ったところでピットイン。ノリスはステイアウトを選択した。

 コースに戻ったハミルトンのペースは、ノリスよりも明らかに速い。しかもスリックタイヤを履くノリスはコース上に留まるのも難しい状況で、ハミルトンとの差がみるみる縮まっていった。ノリスは次の周にピットインしても、ハミルトンに先行されてしまうのは明らか……結局ノリスは、スリックタイヤのままチェッカーを目指すしか選択肢はなくなってしまった。

 ただ雨脚はさらに強まり、とてもではないがスリックタイヤで走れる路面ではなくなってしまう。結局ノリスはコースオフし、その横をインターミディエイトに履き替えたハミルトンが駆け抜けていく……ここでノリスの初優勝への希望は潰えた。ノリスはその後タイヤ交換をしたものの、7位でフィニッシュするのが精一杯だった。

 ノリスは、F1初優勝を逃したことについて、Skyのインタビューに次のように語った。

「嬉しくない。ある意味で大いに落胆している」

 そうノリスは語った。

「僕らは、ステイアウトするという決断をした。当時はその決断は正しかったと思っていた。結局のところ間違っていたんだけど、僕はそういう決断を下した」

「実際、チームはピットインするべきだと考えていた。でも、ステイアウトは僕が決断したんだ。それは僕の決断だった。その時は、それが採るべき道だと思っていた」

 ノリス曰く、ハミルトンがピットストップをした時には、まだスリックタイヤの方がペースは良かったという。しかし突然土砂降りとなったため、ノリスの”夢”を破壊することになった。

「終盤に難しい状況になった時でさえ、僕はできることは全てやったと感じた」

 そうノリスは語った。

「僕はいくつかミスを犯したが、それでもルイスを抑え、少し引き離し始めていたんだ」

「ルイスがピットストップする前、僕は履いていたタイヤで大丈夫だと思った。そして雨量は変わらないと言われたんだ」

「そのまま雨量が同じだったなら、僕らは正しい選択をしたと思う。そして、僕はステイアウトするのは正しい決定だったと思っている。でも、チームが予想していたよりも雨は激しく降った。それで、最終的には全てが終わってしまった」

 ノリスは、チェッカーまであと僅かだったため、タイヤを交換するという決断を下すのは難しかったとも語る。

「あと2周しかない時などは特にね」

 そうノリスは言う。

「あと20周あったのなら、その決断も特にアグレッシブなモノだとは感じなかっただろう。でも、僕らは自分たちが正しいと思ったことをした。当然、結果については不満に思っているし、結局のところそれは間違った判断だった」

「でもそれまでチームは素晴らしい仕事をしてくれた。この週末、ずっとそういう仕事をしてくれたんだ。ひとつの決断を除いて、基本的に満足している。だから今回のことを見直し、二度と同じようなことをしないようにしなければいけないね」

 

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