F1 シンガポールGP

ポールポジションからのスタートに弱い……ランド・ノリスのジンクスがシンガポールでついに終結? マクラーレン代表「PPスタートに慣れつつある」

マクラーレンのランド・ノリスは、ポールポジションからスタートし、1周目を首位で戻ってきたことがなかった。シンガポールでそのジンクスは払拭されたが、チームの分析によればノリスが失敗したことはなかったという。

Lando Norris, McLaren MCL38, Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15, George Russell, Mercedes F1 W15, the rest of the field as Fernando Alonso, Aston Martin AMR24, cuts on the opening lap

Lando Norris, McLaren MCL38, Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, Lewis Hamilton, Mercedes F1 W15, George Russell, Mercedes F1 W15, the rest of the field as Fernando Alonso, Aston Martin AMR24, cuts on the opening lap

写真:: Alastair Staley / Motorsport Images

 マクラーレンのランド・ノリスがポールポジションからスタートし、1周目を首位のまま帰ってきたのは、先日行なわれたF1シンガポールGPが初めてだった。マクラーレンはこれについて精査していたようだが、分析の結果明らかな問題はなかったと、チーム代表のアンドレア・ステラは語る。

 猛烈な勢いで獲得ポイントを伸ばし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を追いかけるノリス。先日行なわれたF1シンガポールGPでは、そのフェルスタッペンをまったく寄せ付けず、今季3勝目を挙げた。

 ただノリスにはひとつのジンクスがあった。それはポールポジションからスタートしても、1周目に必ず順位を落としてしまうということだ。

 中国GPのスプリントでは、スタート直後の1コーナーで首位から脱落した。また、スペイン、ハンガリー、オランダの各GPでも、ポールポジションからのスタートながら、ポジションを落とした。イタリアGPでは、1コーナーこそ首位で通過したものの、ターン4でチームメイトのオスカー・ピアストリにリードを奪われた。2021年のロシアGPが彼にとって初のポールポジションだったが、その時も1周目にカルロス・サインツJr.(フェラーリ)に首位を奪われている。

 つまりノリスは、これまで1度も、ポールポジションからスタートしながらトップのまま1周目を終えたことがなかったのだ。ある意味ジンクスだったと言えるだろう。

 そのジンクスは、シンガポールGPでようやく払拭されることになったわけだが、実はチームもこれについて分析していたのだという。しかしステラ代表曰く、ノリスのスタートに関する明らかな問題はなかったという。

「スタート、そして1周目の1コーナーへのアプローチが、ランドを攻略するためのチャンスに見えたかもしれないということについては異論はない」

 そうステラ代表は語った。

「しかしランドを含めた数人で少し分析したんだ。シーズンを通して、全てのスタートと全ての1周目を検証した」

「公平に言えば、ランドがポールポジションからスタートし、1周目の終わりに首位でなかった場合でも、彼がパフォーマンスの面で諦めていたということはない」

「バルセロナでのレースを見直すと、ランドが何か違うことを試していたとしても、ラッセル(ジョージ・ラッセル/メルセデス)が首位に立っていただろうと考えた。スタートに関しては、いくつかの問題があった。しかしそれは、チーム側にもあったのだと認識している」

「たとえばザントフールトでは、チームの観点から言えば2台のマシンのタイヤが冷えていて、揃ってスタートがうまくいかなかった」

「最初はランドが大きなチャンスを掴んだように見えたと思う。でも実際は、それほど明確なモノではなかった」

 ステラ代表は、スタートを改善することはチームにとっての急務だとしながらも、シンガポールGPで首位を守り切ったことにより、ノリスがポールポジションからのスタートに慣れつつあると付け加えた。

「我々は間違いなく、スタートとタイヤの準備に集中してきた。ランド自身も、週末のスタートの準備にも、より集中するようになった」

「自信がつくはずだ。ポールポジションからのスタートに慣れ、ディフェンスの面でも、首位を狙う相手を思いとどまらせるために何をすべきか、理解できるようになっていく」

「これも旅の一部だと思うが、今こういうチャンスに直面できるのは良いことだ」

 

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