ノリス、ピット入口の白線カットで戒告。ストロールには10秒のタイム加算ペナルティ

F1ロシアGP終盤、土砂降りの中でピットに入ろうとしたランド・ノリスは、ピット入口のホワイトラインを横切ってしまったものの、ペナルティは戒告だけで済み、7位を維持した。

Lando Norris, McLaren MCL35M, makes a stop

Lando Norris, McLaren MCL35M, makes a stop

Charles Coates / Motorsport Images

 F1第15戦ロシアGP決勝、ポールポジションからスタートしたランド・ノリス(マクラーレン)は、レース終盤まで首位を維持していたが、残り8周ごろから雨が降り始め、状況が一変してしまった。

 他の多くのドライバーがピットに入り、インターミディエイトタイヤに交換したが、ノリスはステイアウトを決断。スリックタイヤで走行を続けた。

 しかしこの判断は裏目に出てしまった。コンディションはさらに悪化し、スリックタイヤではまともに走れない状態に。ノリスはスピンを喫し、インターミディエイトを履いていたルイス・ハミルトン(メルセデス)に抜かれたこともあって、残り2周のところでピットに向かった。

 ところがノリスはピット入り口で曲がりきれず、ホワイトラインを横切るような形でオーバーラン。再度ラインを横切り、強引にピットに飛び込んだ。

 ノリスは7番手でチェッカーを受けたが、その後スチュワードに召喚され、審議を受けた。通常、ピットインの際に白線をカットした場合、5秒のタイム加算ペナルティが科されることが多いが、スチュワードはノリスがピットに入るために大幅にペースを落としていたことや、ラインカットが故意ではなかったことなどを考慮して、戒告処分に留めた。

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 スチュワードの発表は以下の通りだ。

「スチュワードは、前の周に4号車のドライバー(ノリス)が比較的高い速度で(ピット入り口に隣接している)ターン17を通過したが、コントロールを失っていなかったことを考慮した」

「その後の周回中、コンディションは急速に悪化し、サーキットのさまざまな場所で変化した。ドライバーはピットエントリーに入る際に大幅に減速し、通常のピットエントリー速度の約半分の速度で走行したが、それでもコントロールを失い、ピットエントリーとコースの間のペイントエリアを横切った」

「他のドライバーはインターミディエイトタイヤに交換したが、ドライバーがハードコンパウンドのスリックタイヤでコースに留まることを選択し、ポジションを維持して優位に立とうとしたことは明らかだが、ペイントエリアを横切ったことは意図的なものではなく、状況的にも予測可能であったとは考えられない」

 ノリスにとってはこれが今季初の戒告処分となる。この結果、ノリスの7位獲得が確定した。

 アストンマーチンのランス・ストロールも、雨の混乱の中でペナルティを受けたドライバーのひとりだ。こちらはピエール・ガスリー(アルファタウリ)への追突により、10秒のタイム加算ペナルティを受けた。このペナルティによる順位変動はなく、ストロールは11位となっている。

 またストロールにはペナルティポイント2点が与えられている。これで彼の累積ポイントは8点となり、これが12点となると1レース出場停止となる。

 スチュワードは次のように発表している。

「18号車のドライバー(ストロール)が、古いハードタイヤを履いていたために非常に滑りやすい状況だったと証言していることに留意しつつも、スチュワードは、コースを離れた後、次のコーナーでコースに合流してコーナリングする際に、近くに2台の車がいたことを考慮して適切な運転をすることがドライバーの責任であると判断した」

 また、ストロールはチームメイトのセバスチャン・ベッテルとも接触しているが、この件について「チームメイトが見えていなかった」と述べている。

 レース序盤は4番手を走行し、雨が降るまでは8番手を走っていたストロール。ノリスと同様に雨を味方に出来なかったドライバーのひとりだと言えるだろう。

 
 

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