F1 オランダGP

ランド・ノリス、シーズン後半に向けてさらなるレベルアップ誓う「まだF1世界チャンピオン級じゃない」

マクラーレンのランド・ノリスが2024年シーズンのF1前半戦を振り返り、残されたタイトル挑戦への意欲を語った。

Lando Norris, McLaren F1 Team

Lando Norris, McLaren F1 Team

写真:: Alastair Staley / Motorsport Images

 マクラーレンのランド・ノリスは、2024年シーズン前半戦では自身が「世界チャンピオンのレベルに達していなかった」と率直に認め、オランダGPから始める後半戦に向けたレベルアップを誓った。

 今季のマクラーレンは大きな飛躍を遂げ、5月の大型アップデートを成功させてマシンのパフォーマンスを向上。レッドブルとマックス・フェルスタッペンにプレッシャーをかけ始めた。

 サマーブレイクまでの14戦では、ノリスがマイアミGPで、チームメイトのオスカー・ピアストリもハンガリーGPでF1初優勝を達成。ただレッドブルが相対的に勢いを失っていく中、ノリスとマクラーレンはレース勝利のチャンスを何度か逃してきたという現実もある。

 スペインGPではノリスがポールポジションからスタートしたものの、スタートでフェルスタッペンに先行を許し、ベルギーGPではスタートで再び出遅れた上にスパ・フランコルシャンのラ・ソースでアウト側にはらみ、またも優勝のチャンスを逃した。

 ノリスは“いつも通り”の自己批判的なスタイルで、ファンやメディアから受けたミスに対する批判を正面から受け止め、シーズン前半はフェルスタッペンとのF1タイトル争いに求められる安定したパフォーマンスを発揮できていなかったことを認めた。

「シーズン前半を終えて、僕は世界チャンピオンのレベルに達していなかった。シンプルなことだよ」

 サマーブレイク明けの初戦となるオランダGPに向けて、ノリスはそう語った。

「ある時期には(パフォーマンスを)発揮できたし、多くのレースではそうしてきた。ただ、その途中でガッカリするような小さなこともあった。そういうことは許されない」

「でも、それは分かっている。過去にも、ここ数戦でも、自分が必要なレベルに達していない時は満足できない。それは僕が情熱的で、勝ちたいからだ」

Lando Norris, McLaren MCL38, gets a wheel on the gravel at the start

Lando Norris, McLaren MCL38, gets a wheel on the gravel at the start

Photo by: Sam Bloxham / Motorsport Images

「戦い、ベストを尽くし、ミスをせず、勝つために努力する。それができない時はアスリートとして満足できない。自分たちの仕事ぶりに満足できないんだ」

「だから今シーズンの一部には満足していないし、それを改善しようと懸命に努力しているんだ」

 サマーブレイク直前のベルギーGPでのミスの後、ノリスは自身の“愚かな”失態を取り除くために「リセット」が必要だったと認めた。

 サマーブレイクのリセットを経て得られた結論について訊かれたノリスは、次のように答えた。

「依然として、何も変わらないよ。ただ振り返ったり、そこから学んだりした。でも僕はタイトルを争っているんだから、マックスやレッドブル、他のドライバーたちに勝つために必要なパフォーマンスレベルを発揮できていなければ、僕は満足できないだろう」

「それでも、シーズンの結果にはとても満足している。でも僕はミスを犯し過ぎたし、ポイントをみすみす与えてしまった。マックスのようなドライバーを相手にタイトルを争う上でそれは……。色々なことを調べ、取り組まなければならないことも沢山あった」

「変えるべきところはひとつもない。でも正直なところ、スタートと1周目でほとんどのチャンスが逃げてしまった。1周目から先、概してレースはとても好調で、レースペースも良かった」

 レースでのチャンスを逃してきたノリスは、最速マシンではない中でコンスタントに結果を残してきたフェルスタッペンと78ポイント差でシーズン後半戦を迎える。

 ノリスはドライバーズランキングでフェルスタッペンを下すのは望み薄だと認めつつも、マクラーレンがレッドブルとの42ポイント差を覆して1998年以来となるコンストラクターズタイトルを獲得することについては楽観的な姿勢を見せた。

「チームとしては、もちろん(タイトルに手が届く)。それは明確だ」とノリスは言う。

「ドライバーとしても、まだ手が届くところにいるけど、大きなポイント差だ。そして相手はマックスだ。まだチャンスがあると楽観的に言いたいものだ」

「大変なことだし、とても難しい挑戦になることは分かっている。でも僕らのパフォーマンスと、物事が上手くいった時のパフォーマンスを考えれば、まだ可能だと信じたい」

 

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