ノリス、扁桃炎を患って走るF1レースの辛さを語る。スペインGPでは「何度もリタイアが頭をよぎった」
マクラーレンのランド・ノリスはF1モナコGPの予選後、初めて彼を苦しめている扁桃炎について詳しく語った。
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
マクラーレンのランド・ノリスはF1モナコGPの予選後、第6戦スペインGPから彼を苦しめている扁桃炎について初めて詳しく語った。その中で8位入賞を達成することがいかに身体的にタフなモノであったか、パフォーマンスにおける身体的な制限について明らかにした。
「長い1週間だったよ。先週は扁桃炎や発熱とか、全てで悩まされていたからね」
健康状態について尋ねられたノリスはそう答えた。
「その状態で(スペインの)レースに出たことで、必要以上に悪化してしまった。でもそれはやらなきゃいけないことだったし、僕はできて満足している」
「ただ身体的には大きなダメージがあったから、日曜日の夜はかなり苦しんだ。僕はできることを全てやったし、誰とも話をしなかった。僕は回復に専念していたんだ」
「今は喉の調子もかなり良くなっていて、食べ物も飲み物も食べられている。先週は喉も通らなかったし、良い兆候だね」
「先週は一睡もできなかったし、回復しようとしてきた。それは2〜3日で回復できるモノじゃないし、時間がかかるモノなんだ」
Lando Norris, McLaren MCL36
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
ノリスは、スペインGPから1週間後のモナコGPに向け体調は回復していったものの、モナコでの走行までには万全な状態に持っていくことはできなかったという。
「今は100%じゃないことが分かっている」とノリスは続ける。
「僕の顔の赤さで分かると思うけど、まだ苦しめられているところがあるんだ」
「でもだいぶ良くなっている。より自信を持ってマシンに乗れているよ。”乗せられている”というよりも、しっかり乗りこなせている」
「でも特にここはモナコだから、大変だというのは分かっている。全てをコントロールする必要があるんだ。身体的にも100%の状態でありたいところだね」
「良い仕事ができると感じていても、(万全な状態からは)まだほど遠いと分かっている」
万全な状態からどれほどパフォーマンスが不足しているかと尋ねると彼は次のように語った。
「僕が『遅れている』という時は、0.1秒か0.15秒あたり(の遅れ)を意味している」
「でも今回0.1秒とか0.15秒、僕が犯したちょっとしたミスがあったという話をするのなら、もっと上に行けた可能性があったということだ」
「だからもし万全な状態だったら、もっと良い結果が残せたはずだという自信が自分の中にはある」
「とは言え、予選5番手という結果には満足しているんだ。僕らにとってはそれでも良い結果なんだ」
「前にいつもいるドライバーは週末を通じて0.2〜0.3秒速く走っているから、まだ彼らとは差があるね」
「5番手には満足しているし、自分のラップにも満足している。小さなミスをあちこちで犯したせいで、順位を下げてしまった。でも、僕が視界やその他のことで苦しんでいることを理解して欲しい」
Lando Norris, McLaren MCL36
Photo by: Erik Junius
また、体調が良くない状態で挑んだスペインGP決勝レースでは、途中でリタイアすることは考えなかったのかと尋ねると、走り切るために普段は積んでいないドリンクボトルに救われたと語った。
「確かに、そう(リタイアを)考えるタイミングはあったよ。何度もね」
「初めてマシンの中で使ったドリンクボトルが、本当に僕を救ってくれたんだ」
「初めてF1に来た時にそれを使ってみたんだけど、僕は全く好きにはなれなかった。それ以来一度も使っていなかったし、マシンにボトルを積んですらいなかった」
「でも初めて、それが良いアイデアだと思ったんだ。そして僕はそれに救われたんだと思う。スタート前のフォーメーションラップの終わりには、もう苦しくて何度も口にしたよ」
「でも1周ごとに飲み続けていたら、すぐに温かくなってきて、美味しくなくなっちゃったんだ」
「それがなかったら、多分2〜3周も走れなかったと思う。それくらい身体的、精神的に苦戦していたんだ」
「でも1周に数口飲むだけでも、かなり僕は救われたんだ」
そのような状況下においてもノリスは、リタイアは絶対にしないと心に決めていたという。
「もちろん、何度も頭をよぎったよ」と彼は続ける。
「自分がどれだけ苦しんでいるのかも考える必要があった」
「でも僕が可能な限りベストな状態で臨めるように、僕らはできる限りのことをしていた。僕はトライしなきゃいけなかった」
「リタイアしたり、レース週末を終えたり、数周もトライしないのは嫌だったんだ」
「それは僕が指針としたいメンタリティとは違う。何度も頭をよぎったけど、決意していたんだ」
「でも最終的には常に正しい選択だったと思うから、満足しているよ」
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