ピアストリには露骨なチームオーダーは出ない? 実力で王者になりたいノリス「彼が勝ちにふさわしい走りをしていれば、当然勝つ権利がある」
マクラーレンはランド・ノリスのタイトル獲得をサポートする意向を示したが、これについてノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリが勝利を諦めなければいけないわけではないと語った。
Oscar Piastri, McLaren F1 Team and Lando Norris, McLaren F1 Team
写真:: Zak Mauger / Motorsport Images
マクラーレンのランド・ノリスは、チームメイトのオスカー・ピアストリが今後自分のタイトル争いをサポートするにしても、勝利を諦める必要はないと述べた。
シーズン後半戦においてレッドブルとマックス・フェルスタッペンの背中が見え始めたマクラーレン陣営。ドライバーズ選手権においては未だフェルスタッペンが大きなリードを築いているが、ノリスが62ポイント差に迫っており、逆転も不可能ではない状況だ。そのためマクラーレンは、残りの8レースでノリスのタイトル獲得をサポートしていく意向であると明かしている。
ただマクラーレンはこれまで、ふたりのドライバーを平等に扱ってきた。その象徴的シーンでもあったのが、前戦イタリアGPのオープニングラップ。2番手スタートのピアストリは、前を行くノリスを第2シケインでアグレッシブにオーバーテイクし、トップに立ったのだ。このオーバーテイクの結果、ノリスはすぐ後ろにいたシャルル・ルクレール(フェラーリ)にも先行されて3番手に後退した。
マクラーレンはいわゆる“パパイヤ・ルール”の名の下、ドライバーたちがフェアに自由に戦うことを許可していた。そしてイタリアGPでは最終的にピアストリがノリスの前にとどまり、2位でフィニッシュしている。
マクラーレンはアゼルバイジャンGPの木曜日に、今回から同じような状況が起きた場合はノリスに肩入れすることを認めたが、ノリスによれば、それはピアストリがレースで優勝することを諦めなければならないという意味ではないという。
ピアストリにレースリーダーを譲られることを期待していたかと尋ねられたノリスは、「ノー」と返答し、こう語った。
「基本的に、僕の方が下の順位で走っていたとしても、彼が優勝を争い、勝ちにふさわしい走りをしていれば、当然勝つ権利がある」
フェルスタッペンと62ポイント差があいていることを考えると、ノリスがピアストリの後ろでレースを終えるケースが続いてしまえば、最終戦アブダビGPを前にタイトル争いに決着がついてしまう可能性すらある。しかしながらノリスは露骨なチームオーダーによるアシストを望んでいないようで、実力でワールドチャンピオンになりたいと主張した。
もし数ポイント差でタイトルを逃すことになったらどう思うかと聞かれたノリスは次のように答えた。
「辛いとは思うけど、僕はレースをするためにここにいるんだ」
「それに、例えばあるドライバーが僕より良い走りをしていて、パフォーマンスを発揮しているのなら、僕はそこから何かを奪いたくはない」
「チャンピオンにさせてもらうようなことも望んでいない。たしかにチャンピオンになるのは素晴らしいことだし、短期的には最高だと感じるだろうけど、長い目で見たときにそれを誇りに思えるとは思わない」
「それは僕が望んでいることではないし、僕が望むチャンピオンのなり方でもない。マックスを倒し、ライバルを倒し、自分がサーキットで最強だということを証明した上で勝ちたいんだ」
またノリスは、前述のイタリアGPでのアグレッシブなオーバーテイクによってパパイヤ・ルールが見直されたものの、自分とピアストリはスタートで自由にバトルすることができると話した。
「時にはバトルをするのが賢明ではない状況もあると思うけど、もし1周目にそういうことが頭にあるなら、それは間違ったアプローチだ」とノリスは言う。
「正しいアプローチ、つまりアタックして、前に進もうという姿勢で1周目に入らないといけないと思う。それ以外のことを考え始めると、大抵そこから物事がうまくいかなくなってしまう」
「モンツァは少し違ったケースだった。僕たちはそれを振り返ったし、解決した。大きかったのは、ターン4を抜ける時に1番手と3番手になってしまっていたこと、そしてコーナーに入る時に大きなギャップがあったことだ」
「僕としては理想的ではなかったし、チームとしても、あそこであのような争いをするべきじゃなかった。だから、お互いにどのようなレースができるか、どの程度リスクを冒すことができるか、もっと明確な指示が必要だと思う」
ノリスはチームのバックアップを受けられることに感謝しているとして、さらにこう続けた。
「オスカーは引き続き自分のためにレースをすることになる。自分の仕事をしに行くんだ」
「それに、今年は彼が僕を助ける必要がないまま終わるかもしれない。必要なときにオスカーの助けを借りるということになるけど、全部というわけじゃない。彼も自分のために戦い、自分の仕事をするんだ」
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