ノリス、スタート直後のチームメイトバトルは「慎重になりすぎて、そのツケを払った」
F1イタリアGPで3位となったランド・ノリスは、チームメイトであるオスカー・ピアストリとのバトルで慎重になりすぎた代償を払ったと感じているようだ。
Lando Norris, McLaren F1 Team, 3rd position, Oscar Piastri, McLaren F1 Team, 2nd position, congratulate each other in Parc Ferme
写真:: Steven Tee / Motorsport Images
F1イタリアGPをポールポジションからスタートしながら3位に終わったランド・ノリス(マクラーレン)は、オープニングラップでチームメイトのオスカー・ピアストリに交わされ、プランが崩れてしまった。
ノリスはスタート直後の第1シケインではアウト側から並びかけてきたピアストリを抑えたものの、コーナー出口で挙動を乱して加速が鈍ると、第2シケインでもサイドバイサイドに。ノリスはピアストリの左リヤに当たらないように回避行動を取った結果、シャルル・ルクレール(フェラーリ)にも先行を許してしまった。
ピアストリのオーバーテイクは完璧だったが、土曜日の段階でマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、ライバルチームとのバトル以上に、チームメイトとのバトルでは互いに注意しなければならないという”パパイヤ・ルール”の存在を明かしていた。
ノリスは『Sky Sports F1』のインタビューに応じ、彼とピアストリがどれだけ災難に見舞われる寸前だったかを説明した。
「あと1メートル回避が遅かったら、僕たち両方があのコーナーでいなくなっていたかもしれない」
「もちろん、もし僕が巻き返せていたら、もう少し違うことをしたと思う。オスカーもいいレースをしたし、(優勝した)シャルルもそうだった」
Lando Norris, McLaren MCL38 battles with Oscar Piastri, McLaren MCL38
Photo by: Sam Bagnall / Motorsport Images
ノリスは、ピアストリのオーバーテイクそのものを非難することはなかったが、自分自身はもっと違ったことができたはずだと感じている。
記者会見で、マクラーレン内の交戦規定について尋ねられたノリスは次のように答えた。
「クラッシュしないこと、それだけだ。接触はなかったから、彼はいい仕事をした」
「僕はもう少しブレーキを遅くできたはずだ。でも、言うは易く行なうは難しなんだ」
「オスカーは明らかに限界でブレーキをかけて、僕にスペースを与えてくれた。それで十分だった。それ以外のことが起こらないように最善を尽くした。でも同時に、実際はどうなのか分からないし予測もできないけれど、あと2メートル遅れてブレーキを踏んでいたら、簡単にクラッシュしていたかもしれない」
「だから難しい。一番簡単なのは、ブレーキを遅らせて、彼を無理やり押し出すことだ。他のドライバーと同じようにね。もちろん、僕はイージーにいったよ。後ろに大きなギャップがあるのは見えていたから、ちょっと慎重になりすぎて、そのツケが回ってきたのかもしれない」
ピアストリは自分のオーバーテイクについて、次のように語った。
「ブレーキングを遅らせてアウト側に回り込んだ。それ以上のことはなかったよ。ふたりとも無傷だった」
「ブレーキングをしたら少し前に出られたし、アウト側にとどまる権利があることもわかっていた」
「最終的に、あのレースのうち38周は、レースで勝てるポジションにつけていた。だから、僕にとってはいい1周目だった」
しかしマクラーレンの2台は、ルクレールの野心的な1ストップ戦略に屈し、優勝を逃すことになってしまった。たらればだが、マクラーレンが2スティント目、ドライバーたちにタイヤをセーブさせながらレースを戦っていれば……ルクレールの1ストップ作戦に対抗できたかもしれない。
とはいえマクラーレンはイタリアGPで2位、3位を獲得した結果、レッドブルとのポイント差を8点に縮め、次のレースで逆転してコンストラクターズランキング首位に躍り出る可能性が高まった。
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