ピレリタイヤは”F1基準”に達していない! ノリス、オーストラリアGPでの混乱を生んだ「グリップ不足」を辛口批判
マクラーレンのノリスは、F1オーストラリアGP決勝で発生した再スタートでの混乱にはタイヤのグリップ不足が起因していると考え、ピレリタイヤを「モータースポーツの頂点に」相応しくないと批判している。
写真:: Lionel Ng / Motorsport Images
レース中3度の赤旗&再スタート、8台がリタイアと大荒れとなった2023年のF1オーストラリアGP。特にスタンディング形式で行なわれた2度目の再スタートでは同時多発的に接触が発生し、複数台がレースから姿を消すこととなった。
これについてマクラーレンのランド・ノリスは、ピレリタイヤの「グリップ不足」が混乱を招く原因のひとつになったと痛烈な批判を展開している。
58周で行なわれた決勝レースでは、ケビン・マグヌッセン(ハース)のクラッシュによって2度目の赤旗が振られ、56周目に2度目のリスタート……レース3度目のスタンディングスタートが行なわれた。
再スタートでのジャンプアップを目指し各車はソフトタイヤを履いたが、ターン1ではカルロス・サインツJr.(フェラーリ)がフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に追突し、アロンソはスピンを喫した。
中団以降でも接触が相次ぎ、右フロントタイヤをロックアップさせてコースを逸れたピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、コースへ合流する際にチームメイトのエステバン・オコンをウォールに押しやり同士討ち。グリッド後方のローガン・サージェント(ウイリアムズ)もタイヤをロックアップして止まりきれず、ニック・デ・フリーズ(アルファタウリ)に追突し、2台はターン1のグラベルトラップで止まった。
これにより決勝レースは再開後すぐに赤旗中断。混乱を避けて結果6位でチェッカーを受けたノリスは、赤旗やセーフティカー導入の判断を行なうレーススチュワードに対して次のように訴えた。
「彼らには逆らえない。でも、判断を下す人たちはマシンの中で何が起こっているのかを知らないんだ」
「65℃のソフトタイヤを履いていても、コース上でのグリップの低さは言葉で表せないくらいだ」
そしてノリスはピレリタイヤをこう批判した。
「悪い路面温度じゃないんだ。でもタイヤが機能しなくて、この路面とこのタイヤ温度で、グリップがどれだけ悪いかは説明できないほどだ」
「だからターン1でみんな直進して、ロックアップしてしまうんだ……文字通りグリップがないから早めにブレーキをかける必要があって、それが混乱を招き、インシデントを引き起こすんだ」
Lando Norris, McLaren, on the grid
Photo by: Glenn Dunbar / Motorsport Images
そして、ノリスはピレリタイヤ「ひどいレベルだ」と評している。
「もしタイヤがグリップ感を与えてくれたら、カオスやミスとかもなく、良いレースを見ることができると思うんだ。ただただ難しいんだ」
「みんながミスをしているとは言わない。レースをしていてグリップがない……それだけだよ」
「もっとグリップするタイヤが必要だし、モータースポーツの頂点に立つF1マシンに装着されるに相応しいタイヤが必要だ。今回みたいな日では、本当にひどい感覚だったよ」
タイヤをロックアップさせてデ・フリーズに追突したサージェントも、タイヤやブレーキが充分に温まっていなかったと振り返っている。
「ブレーキを踏んだ時、タイヤもブレーキも、何もかも温まっていなかった」
「ブレーキに触れた瞬間、フロントタイヤ両方がロックしてしまった。ニックに謝りたい。こんなふうに1日を終えるのは嫌だ」
「何が起こったのかを見てみないと分からないけど、その前の2度のスタートでも同じような場所でブレーキを踏んでいたような気がするし、確かに奇妙な感じだね」
Additional reporting by Adam Cooper
Share Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。