水で額を冷やして検温? ノリスに浮上した“不正疑惑”。しかし潔白であることが判明
マクラーレンは、ランド・ノリスがレッドブルリンクにやってくる際、額に冷たいドリンクボトルをあてた後に検温している映像について、状況を説明した。
写真:: Charles Coates / Motorsport Images
新型コロナウイルスが世界中で流行する中、F1は7月にオーストリアでようやく開幕を迎えた。しかし未だ感染拡大が続いている状況を鑑み、レースは無観客で実施され、関係者の感染防止対策が徹底された中で運営された。
そんな中、ソーシャルメディアにある1本の動画が投稿された。ドイツの放送局、RTNが撮影したと見られるその動画の中では、マクラーレンのランド・ノリスとそのトレーナーが開幕戦の会場であるレッドブルリンクに到着した際、最初に行なった非接触体温計による検温で入場を認められず、その後冷たいドリンクボトルを額にあててから再度検温し、サーキットに入場していく様子が映し出されていた。
これに対して、ふたりは実際には体温が高かったにも関わらず、システムを騙してサーキットの安全対策をパスしようとしたのではないかという疑問の声も上がっていた。
しかしながら、マクラーレンは編集がなされた動画では本当の状況が明らかになっていないと主張。チームが新型コロナウイルス感染対策をどれほど真剣に受け止めているかを強調した。
確かにこの投稿では「予選前の出来事」と綴られているのに対し、実際にはこの出来事はドライバーがサーキット入りする木曜日に起きたものであり、事実との食い違いがある。
ノリスとトレーナーは太陽の下で10分間立ち話をした後、エントランスへと向かっている。そして、彼らが最初に検温をした際、体温計には共に『50℃』と表示されていたという。
言うまでもなく、人間の平熱は36℃前後であり、44℃を超えると死に至るとされている。そのため、体温計が示した数値が不正確であることは明らかであった。
サーキット関係者との話し合いの中で、ノリスのトレーナーはより正確に体温を測るためにこめかみや耳の内側で計測するよう求めた。そして額の温度にどれほどのバラつきがあるのかを説明するために、冷たい水を額の上で転がしたようだ。
その後オペレーターが再度額で検温を行なったところ、今度は30℃と表示されたという。これも身体的には非常に危険な数値である。最終的にふたりはこめかみから体温を測り、共に正常値を記録。問題なくサーキット入りしたというのが事の顛末だ。
マクラーレンと言えば、本来開幕戦として行なわれる予定だった3月のF1オーストラリアGPにおいて、スタッフから新型コロナウイルス感染者が確認され、真っ先に撤退を表明したチームである。その後F1や各チーム代表らの話し合いの結果、オーストラリアGPは中止に。そして7月のオーストリア開幕に日程が変更され、今に至る。
そういった経緯もありマクラーレンは、ドライバーを含むチーム全体で4週間以上に渡る広範囲な検査を実施し、もし誰かが感染した場合の感染爆発を最小限に抑えるための厳格な手順を用いている。その中には、FIAが義務付けているものもある。
ノリスとトレーナーは、開幕戦が行なわれる週の月曜日と水曜日に2回の検査を受け、新型コロナウイルスに感染していないことを確認した状態でレースに臨んだ。そしてノリスは3位に入り、キャリア初の表彰台を獲得した。
F1は今回、レッドブルリンクで行なわれるレースに参加する関係者に対して延べ6000回もの検査を行なったが、今のところ陽性となった者は確認されていない。
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