F1 モナコGP
「オコンはチームプレイヤーになれない」その悪評が生まれた過去の遺恨と改善策。場合によってはF1シート喪失の可能性も?
現在アルピーヌに所属するエステバン・オコンは、これまで度々チームメイトとの不仲が指摘されてきた。そして直近のモナコGPでもピエール・ガスリーと接触しチーム代表の怒りを買った。オコンに求められる改善策とは?

Jake Boxall-Legge
編集: 2024/06/01 2:09
Copy link
Viberでシェア
Google検索でmotorsport.comをお気に入り登録

F1モナコGP決勝の1周目、アルピーヌのエステバン・オコンはターン8“ポルティエ”でチームメイトのピエール・ガスリーにオーバーテイクを仕掛けて接触し、チーム内部で波紋を生んだ。
これまでも度々チームメイトとイザコザが起こったオコン。彼は今、変化を求められているのかもしれない。
モナコでは接触によりオコンのマシンが宙を舞い、着地の衝撃でサスペンションとギヤボックスを破損。レースをリタイアすることとなった。一方でガスリーはパンクやサスペンション破損のダメージを追ったが、後方での大クラッシュ発生による赤旗中断中に修復を終えリスタートを切ることができた。
ただ最悪の状況では1周目に2台ともリタイア、ガスリーが10位で持ち帰った貴重な1ポイントもゼロになっていた可能性があったことから、チーム代表のブルーノ・ファミン代表は激怒。Canal+に対して「エステバンの飛び込みは完全に場違いだった」と語り、接触の“報い”を示唆した。
Pierre Gasly, Esteban Ocon, Alpine
Photo by: Alpine
アルピーヌは現在、ガスリーとオコンの間でこれ以上争いが起きないよう、選択肢を熟考しており、その中にはオコンを懲罰的に少なくとも1レースは“ベンチ送り”にするという可能性もあるようだ。
アルピーヌとファミン代表が「思い切った措置」を検討することさえいとわないと公言するということは、ふたりのドライバーの仲がどれだけ険悪になっているかということを示唆している。ただ、長い間不仲と言われてきたこのふたりを組ませれば、いずれ必ず衝突することになるとは思われていた。
ふたりの関係性は、ひとつの側面として考慮すべきモノだが、オコンがF1キャリアを通して向けられてきた「チームプレイヤーになるのに苦労している」という批判を証明することになる。
オコンは、今はなきマノーで2016年に印象的なF1デビューを果たした後、2017年にフォースインディア(現アストンマーティン)へと移籍してセルジオ・ペレス(現レッドブル)とコンビを組んだ。
当初オコンとペレスのふたりはより良い関係性を築けていたように見えたが、その年のカナダGPで関係性は一変した。前を走るダニエル・リカルド(当時レッドブル/現RB)を追いかけるため、オコンはペレスが自身を前に行かせるべきだったと主張したのだ。
その2週間後、オコンはアゼルバイジャンGPでペレスをウォールに押しやり、ペレスはその場でリタイアとなった。当時ペレスは、レース展開も考えれば、フォースインディアにF1初優勝を届けることがあったかもしれないと考えていた。
Esteban Ocon, Racing Point Force India VJM11, Sergio Perez, Racing Point Force India VJM11 and Romain Grosjean, Haas F1 Team VF-18
Photo by: Manuel Goria / Motorsport Images
シーズン後半、オコンとペレスのふたりはハンガリーGPでも再び接触。ベルギーGPでも2度接触した。ペレスはスパのオールージュへの進入での接触については全責任を認めたものの、28周目のラソース出口での接触は、オコン側が「限界を越えていた」と語り、フォースインディアは残るシーズンでのコース上でのバトルを禁じた。
しかしオコンとペレスの関係性には、2018年のシンガポールGPでも緊張が走った。オコンがターン3のアウトサイドからペレスを抜こうとした際、ホイール同士が当たり、このケースではオコンが最悪の結果に終わった。
これほど激しいバトルを繰り広げたコンビも少なく、ペレスは後に、チームメイトとして特にオコンと仲が良かった訳ではないと認めた。
オコンがリカルドとコンビを組んだルノーでの2020年シーズンは、リカルドの方がずっと前を走っていることが多く、オコンとコース上でバトルを繰り広げるようなことはなかったが、2021年にフェルナンド・アロンソ(現アストンマーティン)がアルピーヌからF1復帰を果たした際は時折緊張が走った。
アロンソは当初、オコンとのコンビを歓迎。ハンガリーGPではメルセデスのルイス・ハミルトンを相手にオコンのF1初優勝に貢献したが、翌2022年の同GPではレーススタートでオコンに行く手を阻まれたことを苦々しく思っていた。
サウジアラビアGPでオコンにウォールへ押しやられかけたり、サンパウロGPスプリントでのバトルでコース外に追いやられて縁石でマシンコントロールを失いかけたりと、アロンソはオコンの行動には満足していなかった。
Esteban Ocon, Alpine F1 Team, Otmar Szafnauer, Team Principal, Alpine F1, and Fernando Alonso, Alpine F1 Team
Photo by: Carl Bingham / Motorsport Images
サンパウロGPでアロンソはオコンへのやり返すためオーバーテイクを仕掛けたが、ホームストレートで接触。アロンソはその責任を認めたものの、シーズンを通してのオコンのディフェンスに憤りを感じていた。
サンパウロGP後、ふたりは話し合いで決着をつけるのかと尋ねられたアロンソは「いや、そうじゃない。そんな必要はない。あと1レースだ。ようやく終わる」と吐き捨ててアストンマーティンへと移籍していった。
そして2024年現在、オコンはまたしてもチームメイトとの不和を生んだ。ファミン代表がどのような決断を下すかはまだ分からないが、ふたりのドライバーに警告を発し、分別のある行動ができないのであればコンビ間でのバトルを禁ずることになるだろう。
仮にオコンがベンチ送りになれば、アルピーヌでのキャリアに終止符が打たれるだけでなく、他チームからのドライバー候補リストから外されることになるかもしれない。
来季のシートが確定していないチームでは、キック・ザウバー/アウディやハースがオコンに興味を示していることが知られているが、チームプレーができないという評判が高まれば、彼らの興味を削いでしまうかもしれない。
Esteban Ocon, Alpine F1 A524
Photo by: Erik Junius
オコンは以前、2019年のようにドライバー市場の外に追いやられたくはないと話していた。2025年のシートを確保するためには、残りのシーズンでガスリーと協力し、より慎重なアプローチができることがカギとなる。
オコンはチームメイトの意見を完全に受け入れるなど、正確を180度変える必要があるわけではないが、時に慎重であるに越したことはない。
ガスリーとの仲直りはその手始めであり、もしオコンが1段階成長してチームのために調和の取れたコンビネーションを見せることができれば、アルピーヌはふたりをチームに残留させても問題ないと感じるだろう。そうでなければ、2024年限りでシートを喪失するのはオコンになる可能性が高いかもしれない。
あなたの意見が聞きたい!
Motorsport.comで何を見たいですか?
5分間のアンケートにご協力ください。
- Motorsport.comチーム
関連ニュース :
記事をシェアもしくは保存
Copy link
Viberでシェア
前の記事 「今泣いてちゃダメだ……」惜別、苦悩、そしてリベンジ。“モナコの呪い”打ち破ったルクレールの母国GP制覇への道のり
次の記事 シンプルなルール変更で、F1モナコGPは退屈じゃなくなる? ラッセルがアイデア提案

More from
Jake Boxall-Legge

ウイリアムズは「設計哲学を大きく変える必要がある」2026年のF1新時代に向けサインツJr.指摘
F1
F1
ハンガリーGP
2025/08/11
ウイリアムズは「設計哲学を大きく変える必要がある」2026年のF1新時代に向けサインツJr.指摘

“セナプロ”みたいにはならない? ノリスとピアストリは仲良しチーム内F1タイトル争い。マクラーレン「関係はさらに改善中」
F1
F1
ハンガリーGP
2025/08/03
“セナプロ”みたいにはならない? ノリスとピアストリは仲良しチーム内F1タイトル争い。マクラーレン「関係はさらに改善中」

【分析】ブリティッシュウェザーは予測不能! F1イギリスGPで考えられる戦略パターンと注意点
F1
F1
イギリスGP
2025/07/06
【分析】ブリティッシュウェザーは予測不能! F1イギリスGPで考えられる戦略パターンと注意点

More from
エステバン オコン

オコンのF1キャリアは”成功の物語”。ハースのシート喪失で引退になっても、それは変わらない
F1
F1 13 時間前
オコンのF1キャリアは”成功の物語”。ハースのシート喪失で引退になっても、それは変わらない

ハースF1、エステバン・オコンを復帰させず。サンパウロGPでは平川亮ではなくカマラを起用……母国で前倒しF1デビュー
F1
F1
メキシコシティGP
2 日前
ハースF1、エステバン・オコンを復帰させず。サンパウロGPでは平川亮ではなくカマラを起用……母国で前倒しF1デビュー

エステバン・オコン、メキシコシティGP欠場について声明。暴力行為があったとの噂を完全否定……「関係者との間で議論があった」と認める
F1
F1
メキシコシティGP
5 日前
エステバン・オコン、メキシコシティGP欠場について声明。暴力行為があったとの噂を完全否定……「関係者との間で議論があった」と認める

More from
アルピーヌ

平川亮、F1デビュー戦でポイント獲得! ピアストリ&アルピーヌ勢2台にペナルティで10位に繰り上がり
F1
F1
メキシコシティGP
4 日前
平川亮、F1デビュー戦でポイント獲得! ピアストリ&アルピーヌ勢2台にペナルティで10位に繰り上がり

平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場
F1
F1
アメリカGP
9 日前
平川亮、ブラウニングら多数のルーキードライバーがF1メキシコシティGPのFP1出走へ。ミニは公式セッション初登場

誹謗中傷に声を挙げたコラピント、自身を揶揄するブラックジョークを意に介さず「この状況を改善したい。みんなの力が必要だ」
F1
F1
アメリカGP
9 日前
誹謗中傷に声を挙げたコラピント、自身を揶揄するブラックジョークを意に介さず「この状況を改善したい。みんなの力が必要だ」
最新ニュース

直近3年のF1王者、ノリス、アントネッリ、フェルスタッペンがトップ3に並ぶ! アロンソ13番手とまずまず|F1サンパウロGPフリー走行1回目
F1
F1 F1
サンパウロGP
直近3年のF1王者、ノリス、アントネッリ、フェルスタッペンがトップ3に並ぶ! アロンソ13番手とまずまず|F1サンパウロGPフリー走行1回目

F1サンパウロGP FP1速報|ノリス最速、王者アントネッリが2番手に続く。アストンマーティン・ホンダのアロンソは13番手
F1
F1 F1
サンパウロGP
19 分前
F1サンパウロGP FP1速報|ノリス最速、王者アントネッリが2番手に続く。アストンマーティン・ホンダのアロンソは13番手

MotoGPカタールFP1|マルク・マルケス、最速タイムでタイトル獲得に向け順調発進。小椋藍は苦戦11番手
MotoGP
MGP MotoGP
カタールGP
4 時間前
MotoGPカタールFP1|マルク・マルケス、最速タイムでタイトル獲得に向け順調発進。小椋藍は苦戦11番手

僅差で迎えるGT500タイトル争い。もてぎの250kmレースはどんな戦いになる? 昨年見られたタイヤ無交換はあくまで“奇策”か
スーパーGT
SGT スーパーGT
第3戦・第8戦もてぎ
4 時間前
僅差で迎えるGT500タイトル争い。もてぎの250kmレースはどんな戦いになる? 昨年見られたタイヤ無交換はあくまで“奇策”か
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
次の 2 つのオプションがあります。
- サブスクライバーになります。
- 広告ブロッカーを無効にします。
購読中 すでに購読していますか? ここからサインインします
広告ブロッカーを無効にしましたか?
ページをリロード
お知らせの管理
登録