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マドリードの新F1サーキット、地元からの反発も2026年の初開催に向けて工事は続行「住民との関係は良好」

2026年F1スペインGPの開催地となるマドリードでは、新サーキット建設の工事が順調に進んでいるが、地元住民からは反発する声も挙がっている。

Madring construction - La Monumental

Credit: IFEMA

Madring construction - La Monumental

写真:: IFEMA

 2026年からF1スペインGPの舞台となるマドリードの市街地サーキット“マドリンク”は、地元の抵抗にもかかわらず、初開催に向けた準備が間に合うはずだと強気の姿勢。作業は24時間体制で進められている。

 マドリンクが着工したのはちょうど1ヵ月前のこと。既存の公道と、IFEMA見本市会場とレアル・マドリードのトレーニング施設周辺の常設部分が組み合わさり、2026年9月にF1デビューを飾る予定だ。

 マドリンクの名物になるであろう”ラ・モヌメンタル”と呼ばれる急勾配のバンクでは、巨大なグランドスタンドから間近でマシンが全開でコーナーを抜けていく姿を見ることができるが、建設には膨大な量の作業を要する。

「ラ・モヌメンタルでは、掘削に必要な6メートルのうち、既に3.5メートルを掘り下げた」とIFEMAの代表は語った。またフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)の元マネージャーであり、マドリンクの総支配人であるルイス・ガルシア・アバドは次のように述べた。

「あのコーナーは540メートルにわたって24度のバンクがつけられる。とてつもないコーナーになるはずだ」

Madring layout for Formula 1's Spanish Grand Prix

Madring layout for Formula 1's Spanish Grand Prix

 現在マドリンクの工事現場では約85人の作業員が働いており、全エリアの建設が完了するまでには、その数は400人にまで増えるだろう。

「日中のシフトだけで1万㎡を越える土壌を動かしており、1万平方メートルか1万3000平方メートルに達する日もある。合計で70万平方メートルを移動させる必要がある」とIFEMAの広報担当は説明した。

「各エリアがそれぞれのチームに分かれている。我々はプロジェクトを段階別ではなくゾーン別に分けている。(バンクのあるエリアは)9月に完了する予定だったが、今は8月までに完了するだろう。つまり、予定より1ヵ月前倒しで進んでいる」

トラックリミットの問題なし

 マドリンクはゼロから作り上げられるサーキットであるため、既存のサーキットが抱えている問題、すなわちトラックリミットの問題を引き継ぐことはないと考えている。

 ガルシア・アバドは、他サーキットでは終わらない議論が続くトラックリミットに頭を悩ませることはないと語った。

「このサーキットは、トラックリミット(の問題)を消し去るというコンセプトのもとに誕生する」とガルシア・アバドは言う。

「セロから作るのだから、時代遅れの解決策を受け継ぐ必要はない」

Madring construction Turn 8

Madring construction Turn 8

 アロンソと並びスペイン人現役F1ドライバーであるカルロス・サインツJr.(ウイリアムズ)はマドリンクの公式アンバサダーを務めている。しかしサインツJr.は単にテープカットセレモニーやマーケティング活動に参加するだけではなく、サーキットの設計自体にも意見を提供した。

 F1は市街地サーキット増加に伴いファンやドライバーから批判を浴びており、マドリンク側は魅力的かつチャレンジングなレイアウトを提供したいと考えている。そのためサインツJr.やFIAの意見を参考に、ターン1への進入やターン5のエイペックスなど、既にいくつかのコーナーが見直しを受けた。

「レイアウト自体は変わらないが、小さなディティールがショーの向上に役立つだろう」

 ガルシア・アバドはそう語り、サーキットのシミュレーションが単純ではないと認めた。実際、F1は2026年からレギュレーションが大きく変更され、マシンも既存のデザインから大きく変わる予定であり、そのマシン特性はまだ明らかになっていないのだ。

「2026年にはレギュレーションが変わるから、今のマシンは使えない」とガルシア・アバドは言う。

「マシンがどうなるか誰にも分からない。ターン21からターン22にかけてオーバーテイクが可能になるかもしれない。だからみんな慎重にシミュレーションしている。チームは(コーナーの)半径や幅、バンクなど全ての情報を受け取っている。彼らにとっては問題ないはずだ」

しかし近隣住民はどう思っている?

 マドリンクはサーキット建設を2026年5月30日までに完了する必要があり、その後FIAがホモロゲーション手続きを行ない、その間に2回の公式検査が予定されている。しかし納得させる必要があるのはFIAとF1の商業権を司るFOMだけではない。新たに誕生するマドリンクは、地元グループからも激しい批判にさらされているのだ。

Madring construction

Madring construction

 地元政党のマス・マドリードは、このサーキット建設許可が簡略化された環境影響評価書によって早急に進められたとして、法的異議を申し立てた。

 また少なくとも10年間は毎年F1スペインGPが開催されるため、毎年数ヵ月にわたって近隣住民を混乱させ、騒音レベルも懸念されるとマス・マドリードは主張。イベントの資金調達方法にも疑問が残る。ある代表者は、このプロジェクトを『シンプソンズ』の不運なモノレールになぞらえた。

 マス・マドリードの法的異議申し立ては、今週初めに市の高等裁判所によって棄却されたものの、マドリンク側も、F1スペインGPを長期的に成功させるため、街との一体化を最優先する必要があることを理解している。そして建設プロセスを可能な限りサスティナブルなものにすると約束した。

「(地元)バルデベバスやラス・カルカバスの住民とは毎月ミーティングを開いている。関係は非常に良好だ。指摘されているように5ヵ月も道路が封鎖されることはない。グランプリ期間中のみだ」とサーキットディレクターは断言した。

「最も影響を受ける近隣遊民には、割引チケットを提供することも考えている」

 マドリンクがF1スペインGP開催に漕ぎ着けるまでの道のりは長く、予想以上に紆余曲折があるかもしれない。しかし現時点では、サーキットの工事が急ピッチで続けられている。

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