ペレスまたもアップデートお預け。レーシングポイント、新空力パッケージ2台分用意できず

　レーシングポイントは、F1第10戦ロシアGPに向けて2台のマシンに最新の空力アップデートパッケージを搭載することを目指していたが、パーツ製造が間に合わなかったようだ。

　チームは前戦トスカーナGPでこのアップデートパッケージを初使用。しかし、パーツ製造の問題でストロール車のみにこれが搭載され、セルジオ・ペレスは2週間後のロシアGPで新パッケージを使用する予定だった。

　しかし、ストロールがトスカーナGPの決勝レースで大クラッシュ。タイヤをカットしたことによるパンクで挙動を乱した彼のマシンは激しくウォールにヒットし、使用していた新しいパーツは台無しになってしまった。

　ロシアGPに向けて1台分のパーツしか生産できなかったチームは、ドライバーズランキングでペレスより上位に立っているストロールに、再び新パーツを託すことになったようだ。チームはロシアGPの2週間後にニュルブルクリンクで開催されるアイフェルGPまでの間に、2台分のアップグレードを用意することができると確信している。

　この新パッケージは、フロアやフロントウイング、サイドポッド、エンジンカウル、ブレーキダクトなどが変更されている。チームのオットマー・サフナウアー代表は、このパッケージを重要なアップグレードだと位置づけている。彼曰く、サーキットにもよるものの1周あたり0.2秒ほどのタイムアップが見込めるという。

　レーシングポイントは予選や決勝での調子が乱高下しているが、1周のアタックタイムを気にするよりも、決勝に向けたセットアップをいかに完璧なものにするかに集中した方が良いと考えており、新しいコンセプトのマシンの理解を深めるために努力している。

「伝統的に、我々はいつも決勝のためにセットアップをしてきた。我々の今年のマシンは、より予選でのパフォーマンスに取り組むことができるようになった」

　今週初め、サフナウアーはそう語った。

「しかし我々は最近のレースを見直し、決勝により集中することに決めた。モンツァやムジェロでそうしたようにね」

「予選よりも決勝に向けて良いクルマを用意すれば、レースでその見返りを得ることができるんだ」