メルセデスに”魔法”はない……ピアストリ、マクラーレンは「色んなところで少しずつ負けている」
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、メルセデスとの差について、わずかな差の積み重ねによるものだと考えている。
Oscar Piastri, McLaren
写真:: Marcel van Dorst / EYE4images / NurPhoto via Getty Images
マクラーレンのオスカー・ピアストリは、今季これまでのところ全レースを制しているメルセデスとの差について、「魔法のようなモノではない」と語り、細かな差が積み重なった結果だと考えている。
今季これまでの2戦3レースすべてでメルセデスが優勝を飾っており、まだサンプル数は少ないものの、ジョージ・ラッセルがタイトル争い最有力候補であることは間違いない。
昨年のタイトルコンテンダーだったマクラーレンのオスカー・ピアストリは、開幕戦オーストラリアGPではレコノサンスラップでクラッシュ、中国GPではマシントラブルに見舞われ、まだ決勝レースを1周も走っていない。
パフォーマンス的にも、マクラーレンはメルセデスとフェラーリの後塵を拝しているという事実を受け入れざるを得ない状況にある。
メルセデスの持つアドバンテージは、マクラーレンを含むメルセデスのカスタマーチームにとって特にフラストレーションの溜まるものだろう。カスタマーチームである以上致し方ないことではあるが、プレシーズンテストで最新仕様のパワーユニット(PU)を受け取ることができず、適応が遅れてしまったのだ。
そうした状況もあって、メルセデスは槍玉に挙げられがちであり、彼らのアクティブエアロを巡って規則違反かどうか明確化を求める要請を行なったチームが少なくともひとつあることが明らかとなっている。これは、ライバルが規則の抜け穴を利用していると感じる場合に、競争相手が行なう典型的な駆け引きである。
これはフロントウイングのアクティブエアロが2段階で動作したようにも捉えられる映像が発端となったが、FIAは信頼性の問題によるものだというメルセデスの説明を受け入れている。
一方でマクラーレンは、開幕2戦で苦戦を強いられたことを受け、まず自分たちのマシンを改良する必要があると考えている。
マクラーレンがメルセデスの優位性の要因を特定できているかどうかを問われ、ピアストリは次のように語った。
「そこに特別な”魔法”があるわけじゃないと思う。単純に彼らの方がダウンフォースが多いんだろうし、現時点ではPUの使い方もウチよりうまい。それだけの話だよ。本当にそれだけで、何か秘密があるわけじゃない」
「実際にマシンに乗っていると、(中国スプリントでの)セーフティカー明けにアンドレア・キミ・アントネッリが目の前からすぐに消えていったように感じた。でも一番役に立つのはやっぱりデータを確認することだし、僕たちはあらゆる部分で少しずつ負けている」
「特定の弱点があるわけでも、逆に強みがあるわけでもない。全体的に少しずつ足りていない感じだ。だから、ダウンフォースを増やすことが最大の改善ポイントだと思う」
さらにピアストリは、フェラーリのパフォーマンスにも言及した。
「フェラーリも興味深い存在だよ。コーナーでは僕たちより良いように見えるけど、ストレートではむしろ僕たちより少し遅いかもしれない。PUの問題なのか、ドラッグ(空気抵抗)の問題なのかは分からないけどね」
「単純な予選ペースだけで見れば、メルセデスは明確に他より優れていると思う。でもレース序盤では、フェラーリが彼らと戦えているのは面白いところだ。だからヒントはひとつの要素だけじゃなく、いろいろなところにあると思う」
Piastri was a DNS in the Chinese Grand Prix owing to a software issue with his battery.
Photo by: Steven Tee / LAT Images via Getty Images
メルセデスの”2段階アクティブエアロ”についてFIAが問題視していないものの、メルセデスのストレートモードが他チームより強力なのは確かだ。そしてその状態でスーパークリッピング(エネルギー回生)を行うことで、速度低下が相殺されているのではないかという見方もある。
しかしピアストリは、メルセデスの速さに何か”トリック”があるわけではないと強調した。
「中国で見たストレートモードの(フラップの)閉じ方は確かに興味深かった」と彼は語る。
「でも、それ(メルセデスの優位性)がストレートモードそのものによるものかは分からない。PUの使い方という点で、どこで少し負けているのかはある程度理解しているし、そこに何かある可能性もある。でも結局はあらゆる部分での小さな差の積み重ねなんだ」
「特にPUに関しては、小さな差に見えても、それが積み重なると非常に大きな違いになる。同じチーム内でもドライバーごと、あるいは同じドライバーでもラップごとに違いが出る。ある地点でのミスが、別の区間では逆に有利に働くこともあるし、奇妙なことが起きるんだ」
「だから同じチーム内のドライバー同士や、同じドライバーのラップ同士を比べても、ストレートスピードが大きく違って見えることは珍しくないよ」
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