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海外F1記者の視点|世界中のF1開催サーキットを勝手にランクづけ。鈴鹿は上位にランクイン……しかし課題も?

2026年のF1開催サーキットを、motorsport.comの各国ライターがランクづけ。

A scenic view of the Red Bull Ring

A scenic view of the Red Bull Ring

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 近年のF1年間開催数は過去最大にまで膨れ上がっており、チームやドライバーは1年を通じて世界中を飛び回る。それらF1を開催するサーキットは、それぞれ異なる様相を呈する。

 motorsport.comの海外ライター陣が、今季開催予定だったF1開催サーキットを独自の視点で評価。その基準はレイアウト、歴史/雰囲気、ロケーション、設備という4つである。

1. サーキットレイアウト

 最も難しい評価基準は、サーキットのレイアウトそのものである。そのサーキットは素晴らしいレースが繰り広げられるコースであろうか? それともドライバーのスキルが極限まで試される、F1で最もチャレンジングなサーキットのひとつであると言えるだろうか?

 近年の傾向を見れば分かるように、このふたつの指標は必ずしも一致するとは限らない。しかし両方の基準で各サーキットを評価することで、バランスのとれた評価基準を得ることができた。

  オレグ・カルポフ スチュワード・コドリング ジェイク・ボクソール=レッジ  ロナルド・ボーディング フィリップ・クリーレン ロベルト・キンケロ 総合順位
1 バーレーン スパ・フランコルシャン レッドブルリンク シルバーストン サンパウロ スパ・フランコルシャン シルバーストン
2 レッドブルリンク シルバーストン モントリオール スパ・フランコルシャン モンツァ 鈴鹿 サンパウロ
3 モントリオール サンパウロ サンパウロ サンパウロ 鈴鹿 シルバーストン スパ・フランコルシャン
4 バクー モントリオール シルバーストン 鈴鹿 スパ・フランコルシャン オースティン レッドブルリンク
5 サンパウロ オースティン モンツァ レッドブルリンク シルバーストン モンツァ モントリオール
6 シルバーストン バーレーン メルボルン オースティン レッドブルリンク モントリオール 鈴鹿
7 上海 モンツァ オースティン バーレーン モントリオール レッドブルリンク モンツァ
8 鈴鹿 上海 バーレーン モンツァ オースティン サンパウロ オースティン
9 メルボルン ザントフールト 鈴鹿 上海 ザントフールト バクー バーレーン
10 オースティン  レッドブルリンク ブダペスト モントリオール ラスベガス 上海 上海

■フィリック・クリーレン:インテルラゴスには全てが揃っている

 この基準で判断を下すのは、非常に興味深いモノだった。鈴鹿とモナコは確かにチャレンジングなサーキットとして傑出しているが、スリルとアクション満載のレース……つまり頻繁にオーバーテイクが起きるかという点で言えば、現代のF1ではかなり難しくなっている。それは、大きくなりすぎたマシンのせいでもある。

 そんな中でもサンパウロのインテルラゴス・サーキットは、素晴らしいサーキットデザインにより、複数のレーシングラインを通ることができる。前述の基準の両方を実現できる、数少ないサーキットのひとつだ。長いメインストレートと時折雨が降ることで、期待を裏切らないエンターテインメントが生まれる。この流れがずっと続くことを願っている。

 僅差の2位はモンツァだ。そして鈴鹿は素晴らしいレースとなるコースとは言えないが、そのレイアウト自体は無視できないほど素晴らしい。

■オレグ・カルポフ:素晴らしいレースになることは重要

 私はレーシングドライバーではないので、世界のほとんどの人と同じように、ドライビングするのが楽しいという理由でサーキットをランク付けすることはできない。私にとってそれよりもはるかに重要なのは、そのサーキットで繰り広げられるレースが、観戦する価値のあることかどうかということだろう。

 レイアウトがシンプルであればあるほど、素晴らしいレースが繰り広げられる可能性は高まる。ロングストレート後のシケインとヘアピン、そして1周の間に複数回のオーバーテイクのチャンスがある……さらには攻撃をやり返すことも可能。これらはシンプルながら、素晴らしいスペクタクルを提供するための、非常に効果的な手段だ。

 その点を考えると、バーレーン・インターナショナル・サーキットに勝るサーキットはない。第1セクター全体が、様々なライン取りが可能で、ポジションを奪うチャンスに満ちている。そして実際に、ホイール・トゥ・ホイールの激しいバトルを繰り広げる、絶好の舞台になっている。オーストリアも同様の理由で素晴らしい。

■スチュアート・コドリング:スパは十分な期待に応える

 素晴らしいドライバーズサーキットが、必ずしも魅力的なレースを生み出すとは限らない。それは鈴鹿での最も記憶に残るグランプリが2005年だという事実からも明らかだ。そういう意味で、心苦しくはあるものの、鈴鹿を格下げすることにした。

 スパ・フランコルシャンは常に期待に応えてくれるわけではないが、気まぐれな天候にも助けられ、それが十分な頻度で期待に応えてくれるため、最高点をつけた。さらに、鈴鹿よりも多くのチャレンジングなセクションで観戦することもできる。

 辺鄙なところにあって風が強く、古い飛行場の跡地であるにもかかわらず、シルバーストンもチャレンジングであり、素晴らしいレースを提供してくれる。そしてインテルラゴスが3位。これにサーキット・オブ・ジ・アメリカズとモントリオールが続く。モントリオールはレイアウト自体は特異なモノとは言えないが、何かが起きる可能性を秘めている。

 バーレーンはコンパクトで巧妙なレイアウト、しかもナイトレースとタイヤの摩耗が厳しい路面のお陰で、真価を発揮する。それでも、1位にはならないな。

■ロナルド・ボーディング:シルバーストンは両方の性質を兼ね備えている

 印象的なレイアウトと優れたレースは、両立できるモノではないということは、歴史が証明している。特に2025年によく話題に上がった”ダーティエア(乱れた気流)”の影響を考えるとなおさらだ。

 しかしシルバーストンは両方の条件を満たしている。F1最初の世界選手権レースが開催されたシルバーストンは、今もなお象徴的な存在感。近年も素晴らしいレースの数々が生み出されてきた。そしてサンパウロも同様だ。

 一方でスパ・フランコルシャンと鈴鹿は、その素晴らしいレイアウトから、私見では非常に高い評価を受けるべきであろうと思う。一方でバーレーンは、象徴的なレイアウトというわけではないが、優れたレースを生み出す要素は十分に備えている。

2. 歴史と雰囲気

The Tifosi celebrate during the Podium Ceremony

The Tifosi celebrate during the Podium Ceremony

写真: Sam Bagnall / Motorsport Images

 ふたつめのカテゴリーは、歴史、雰囲気、そしてファンにとって楽しいかどうかだ。F1は75年にわたる豊かな歴史なくして成り立たない。だからこそ、F1の文化に根ざしたサーキットは、高く評価されるべきだ。

 同時に、F1の新しいグランプリの中には素晴らしい雰囲気とファン体験を提供し、瞬く間にクラシックレースとなったグランプリもあるため、これらは共存可能であり、むしろ共存すべきだ。

  オレグ・カルポフ スチュワード・コドリング ジェイク・ボクソール=レッジ ロナルド・ボーディング フィリップ・クリーレン ロベルト・キンケロ 総合順位
1 モンツァ モンツァ 鈴鹿 鈴鹿 Sao Paulo モンツァ モンツァ
2 レッドブルリング サンパウロ モンツァ モナコ 鈴鹿 鈴鹿 サンパウロ
3 メルボルン スパ・フランコルシャン スパ・フランコルシャン モンツァ モンツァ シルバーストン 鈴鹿
4 モナコ ザントフールト サンパウロ シルバーストン メキシコ スパ・フランコルシャン スパ・フランコルシャン
5 メキシコ メキシコ メキシコ スパ・フランコルシャン シルバーストン ザントフールト メキシコ
6 サンパウロ 鈴鹿 シルバーストン サンパウロ メルボルン メキシコ シルバーストン
7 ザントフールト シルバーストン ザントフールト ザントフールト スパ・フランコルシャン メルボルン ザントフールト
8 シルバーストン メルボルン レッドブルリング メキシコ ザントフールト レッドブルリング メルボルン
9 スパ・フランコルシャン オースティン メルボルン モントリオール オースティン モナコ モナコ
10 マイアミ モントリオール モナコ ブダペスト レッドブルリング サンパウロ レッドブルリンク

■オレグ・カルポフ:モンツァとティフォシに勝るモノはない

 F1開催カレンダーの中には、その雰囲気を肌で感じ、心ゆくまで堪能できる場所がいくつかある。そしてその雰囲気は、実に様々だ。港、道路封鎖、そしてグランプリウィークエンドならではのロジスティクスを目の当たりにするのは、まさに他に類を見ない体験だ。ザントフールトやシルバーストンの音楽フェスのような雰囲気も良いし、メキシコのような熱狂も素晴らしい。

 これらのレースはどれも独特で、他に類をみない。順位付けするのは難しい。しかし私にとっては、イタリアGP以上のグランプリはない。モンツァの公演の魅力とティフォシ(フェラーリファン)の情熱が溢れている。

 それに匹敵するのはオーストリアだ。オーストリアは近年、オランダからマックス・フェルスタッペンのファンが大挙して押し寄せ、熱狂を見せる。全く異なる場所に変貌を遂げた。美しい山々、地元のレストランも加わり、信じられないほど素晴らしい体験ができる。

■ロナルド・ボーディング:日本のファンは信じられない

 体験とファンの熱意という意味では、日本以外に考えられない。ファンは常に敬意を払い、とてもクリエイティブな衣装を身につけて鈴鹿に訪れる。それ自体が特別な経験だ。

 他のレースでは、モンツァでは歴史とティフォシの情熱を肌で感じることができる。モナコも、やはり独特の雰囲気である。モナコではカメラマンのタバードを手に入れられれば、バリアのすぐ後ろからレースを観戦することができる。このコース横での体験はまさに唯一無二。これ以上間近で走るF1マシンを観られる場所は他にはない。

■スチュワード・コドリング:モンツァは素晴らしい

 緑豊かな場所、そよぐ木々、崩れかけのコンクリート製の旧バンク、古びた時計塔、そして熱狂的なファン……モンツァは、歴史においても雰囲気においても、他に類を見ない場所だ。グランドスタンドの裏に行けば、ファンジオ、ファリーナ、アスカリといったかつてのスーパースターたちが轟音と共に駆け抜けていく……そんなシーンを思い浮かべることができる。モンツァはまさに素晴らしい場所だ。

 雰囲気は、誰もが楽しめるモノでなければいけない。だからこそ安全対策の問題と近年の荒々しさを鑑みて、オーストリアをトップ10から外した。

■ジェイク・ボクソール=レッジ:鈴鹿には特別なモノがある

 多くの人がモンツァを選ぶかもしれないが、私は鈴鹿を推す。モンツァは確かに、特別な雰囲気と1世紀以上の歴史を誇る。でも、鈴鹿には特別な何かがある。

 モンツァはフェラーリの代名詞であり、スタンドの雰囲気はそれを反映している。でも鈴鹿は、特定のチームやドライバーを応援するというよりも、F1全体を祝う祭典のような雰囲気だ。セーフティカードライバーのベルント・マイランダーを応援するバナーも掲げられるのだから。

 スパ・フランコルシャンも世界中のF1ファンにとって人気の巡礼地であり、サンパウロはアイルトン・セナがいた頃から受け継がれている魔法のような何かがある。

3. ロケーション

 3つ目の基準はサーキットの周辺地域や立地だ。これはファンとスタッフの双方にとって、サーキットで良い体験をするためには不可欠な要素だ。サーキットの外で、各グランプリの開催地にはどんな魅力があるのだろうか?

  オレグ・カルポフ スチュワード・コドリング ジェイク・ボクソール=レッジ ロナルド・ボーディング フィリップ・クリーレン ロベルト・キンケロ 総合順位
1 レッドブルリンク オースティン メルボルン マイアミ メルボルン メルボルン メルボルン
2 モンツァ メルボルン 鈴鹿 モナコ サンパウロ モントリオール シンガポール
3 メルボルン メキシコ シンガポール ラスベガス シンガポール 鈴鹿 鈴鹿
4 サンパウロ モントリオール モントリオール シンガポール 鈴鹿 レッドブルリンク サンパウロ
5 メキシコ シンガポール サンパウロ 鈴鹿 メキシコ ブダペスト モントリオール
6 シンガポール モンツァ ブダペスト ブダペスト モントリオール オースティン メキシコ
7 ラスベガス モナコ レッドブルリンク アブダビ バルセロナ マイアミ レッドブルリンク
8 マイアミ レッドブルリンク シルバーストン バクー スパ・フランコルシャン アブダビ モンツァ
9 オースティン ブダペスト モンツァ モントリオール ブダペスト バーレーン オースティン
10 バクー 鈴鹿 バクー レッドブルリンク オースティン バルセロナ マイアミ

■フィリップ・クリーレン:メルボルンが、サンパウロとシンガポールに僅差で勝利

 我々は世界中の素晴らしい都市を訪れるという素晴らしい機会に恵まれている。しかしメルボルンはそんな中でも、都会の生活と自然が融合し、多様な食文化とゆったりとしたライフスタイルを持つという点で、他の開催地を凌ぐ。そしてサンパウロとシンガポールが僅差でこれに続く。

 アルバートパーク・サーキットはメルボルンの街の中心街にあるため、ファンはトラムに乗ってサーキットにアクセスできる。開幕戦が始まるとその熱狂はさらに高まり、レースウィーク中は他の都市ではまず観られないような熱狂に街中が包まれる。

 伝統的なサーキットを残すことは、確かに重要だ。でもリバティメディアがこういう都市型レースに拘る理由も確かに理解できる。そして重要なのは、適切なバランスを見つけることだ。

■スチュアート・コドリング:オースティンはまさに打ってつけ

 街からは少し離れるが、オースティンの楽しくボヘミアンな街並みからアクセスできるサーキット・オブ・ジ・アメリカズは、独特の雰囲気を醸し出している。メルボルンよりもCOTAを上位にランク付けしたのは、ここ数年オーストラリアに行っていないからということもあるかもしれない。

 バーニー・エクレストン時代のF1は、どこからも遠くに離れた”無用の長物”とも言えるサーキットに移行するという形だった。しかしF1が本当に観戦客やファンを増やしたいのであれば、世界中の大都市を積極的に活用すべきだ。そうすれば、グランプリ観戦が休暇の一部となり、より幅広い層にアピールすることができるからだ。たとえばメキシコはその好例のひとつと言える。

■ロナルド・ボーディング:アメリカでのGPを楽しむ理由

 トップ3にアメリカのグランプリをふたつも挙げている理由……それには結構な説明が必要であろうことは、よく分かっている。

 正直に行って、純粋にF1を楽しむということ、歴史的なことなどを考えれば、これらの開催地はトップクラスとはいえない。しかしより広い地域に関して言えば、フロリダは少しゆっくりできたり、カリフォルニアやネバダの国立公園、グランドキャニオンをハイキングできるという点が素晴らしい。

 東京で数日過ごせるという意味では、日本もいいだろうし、シンガポールも多様性に富んでいるので、訪れる価値があるだろう。

 しかしこのランキングは難しい。ブダペスト、バクー、オーストリアも素晴らしいのだ……F1の開催地のほとんどは、それぞれ独自の魅力があるということだ。

■ジェイク・ボクソール=レッジ:誰もがメルボルンを愛している

 1位のメルボルンは、簡単に選べた。だれもが大好きな街だ。スポーツ、文化、美味しいコーヒー、そして素敵な人々が集まる街だ。サーキットは街の中心部に位置しているし、連日通うのは楽しい。途中にはアルバートパークの中を散策することもできる。タイムスケジュールも余裕があるので、夜には街のエンターテインメントや美味しい料理を堪能できる。

 鈴鹿サーキットも楽しい。空港からは遠いので、新幹線で名古屋に向かう前に、東京や大阪を観光することをおすすめしよう。またシンガポールやモントリオールも、主にグルメの面では上位である。ただモントリオールは例年渋滞がひどいので、シンガポールには遠く及ばない。

 それからブダペストのことも忘れてはいけない。レースを観戦し、たくさんあるレストランと宮殿のような建築物を楽しむために滞在してみるといい。

4. サーキットの設備

 4つ目のカテゴリーはサーキット内の設備だ。サーキットで過ごしたり、レースを観戦したり、仕事をしたりするのが楽しいのはどのサーキットだろうか? 出入りはスムーズだろうか? 最近完成したばかりのサーキットが、欧州などの伝統的なサーキットを凌駕している。

  オレグ・カルポフ スチュワード・コドリング ジェイク・ボクソール=レッジ ロナルド・ボーディング フィリップ・クリーレン ロベルト・キンケロ 総合順位
1 レッドブルリンク オースティン アブダビ レッドブルリンク レッドブルリンク レッドブルリンク レッドブルリンク
2 バーレーン レッドブルリンク カタール バーレーン オースティン メルボルン バーレーン
3 アブダビ メキシコ バーレーン オースティン シンガポール オースティン アブダビ
4 バクー バーレーン マイアミ アブダビ マイアミ バーレーン マイアミ
5 マイアミ バクー ジェッダ マイアミ メキシコ シルバーストン オースティン
6 カタール シルバーストン レッドブルリンク シンガポール アブダビ モントリオール シンガポール
7 モナコ シンガポール シルバーストン ザントフールト シルバーストン シンガポール メキシコ
8 上海 マイアミ メルボルン 上海 メルボルン ブダベスト バクー
9 シルバーストン サンパウロ バクー メキシコ バーレーン アブダビ シルバーストン
10 ジェッダ モントリオール ブダベスト カタール バクー バルセロナ カタール

■フィリップ・クリーレン:レッドブルリンクはヨーロッパのオアシス

 これはジャーナリストの視点からのランキングであるので、メディアセンターなどの設備の評価も含まれていることをご容赦いただきたい。かつてはメディアセンターが広々としていたのは当然だった。しかし、近年ではVIPエリアを確保するために、メディアは徐々に締め出されつつある。

 ヨーロッパ大陸でのグランプリは、一般的にはフライウェイ戦と比べると後れを取っている。しかしレッドブルリンクは待望のオアシスだ。

 オースティンがこれに次ぐ2位。シンガポールは歩いてアクセスできるというのが、個人的には大のお気に入りだ。

■オレグ・カルポフ:オーストリアは別格

 ヘルマン・ティルケと彼の会社は、サーキットの設計に関してしばしば批判を受けることもある。しかし私の個人的な意見では、多くの場合全く根拠のない批判だ。

 彼らはサーキットのインフラ設備に関して、非常に精通している。近代的なサーキットの設備は、古き良きバルセロナやスパ・フランコルシャンとは雲泥の差だ。もっとも、歴史的なサーキットの中には近年改修されたモノもある。シルバーストンやハンガロリンクのピットビルディングは、確かに素晴らしい。それでもアブダビやカタールのような豪華なサーキットは、改修された歴史的なサーキットよりも間違いなく優れている。

 しかしそれでさえ、レッドブルリンクは別格だと言える。このサーキットのメディアセンターはまるで楽園のようで、素晴らしい作業スペースとサーキット全体を一望できる壮大なパノラマビューを兼ね備えているのだ。

■ジェイク・ボクソール=レッジ:中東はやっぱりすごい

 中東のサーキットの中には、批判すべき部分もあるかもしれないが、設備が概して素晴らしいことは否定できない。

 バーレーンは広大なパドックと各チーム専用の建物を建設するなど、多額の投資を行なう設備の先駆けとなった。アブダビはそれをさらに巧みにアレンジしたと言えるだろう。このサーキットのメディアセンターには、巨大なスクリーンが備え付けられており、そこでレースを見ることができる。見上げる必要がないから、首を痛める心配もない。

 アブダビのメディアセンターは、パドックに隣接している。そして静かに物思いにふけることができる港も、すぐ裏にある。またサーキット周辺には多数のホテルがあるため、チームはサーキットのすぐ近くに宿泊することができる。

■スチュワード・コドリング:オースティンがメキシコに僅差で勝利

 アブダビが人気のようだが、私はこのサーキットは、毎年初開催のような気分にさせられる。つまり、運営側に初心者的なミスが多いのだ。メディアパスを受け取る場所に辿り着くだけでも、毎度警備員に怒鳴られるのだから。

 メインストレートをメディアセンターから見渡せる窓の必要性にこだわっているわけではないので、オースティンとメキシコは、眺めの良い他のサーキットよりも高く評価した。どちらもパドックへのアクセスが非常に便利で、アットホームな雰囲気がある。さらに美味しい地元の料理を提供してくれる(ベジタリアンの方には合わないかもしれないが)。

 以前ならメキシコは、コーヒーのクオリティの高さでオースティンよりも上位にランク付けされていた。しかし今ではバリスタがいなくなり、代わりに3台のコーヒーマシンが備え付けられる格好となった……常時稼働しているのは1台だけだったが。

総合順位

順位 レース/サーキット
1 オーストリアGP/レッドブルリンク
2 日本GP/鈴鹿サーキット
3 イギリスGP/シルバーストン・サーキット
4 サンパウロGP/インテルラゴス・サーキット
5 イタリアGP/モンツァ・サーキット
6 オーストラリアGP/アルバートパーク・サーキット
7 バーレーンGP/バーレーン国際サーキット
8 アメリカGP/サーキット・オブ・ジ・アメリカズ
9 ベルギーGP/スパ・フランコルシャン
10= メキシコシティGP/エルマノス・ロドリゲス・サーキット
10= シンガポールGP/マリーナベイ市街地コース
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